忍者ブログ
2024.04 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

最新記事

プロフィール

HN:
睦月
HP:
性別:
女性
趣味:
読書
自己紹介:
妖怪と神話とミステリと甘いものが好き。腐った話とか平気でします。ネタバレに配慮できません。

カウンター

リンク

ブログ内検索

アクセス解析

未選択

[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2024/04/27 (Sat)

いつか宙を舞う花びらを僕らが追い越しても

――もう戻れない二度と でも失わないずっと

というわけで、卒業式でした。
4年間で何かを為せたかというと、たぶん何も大成していない。けど、学部やサークルで、何かをしようとしてきたことは事実で。

思い返すと、大学という場所も、そこでの時間も、出会った人々も、過ごした街も、好きだったなぁと思います。渦中にいたときは、好悪も葛藤もあったわけですが。

一番の葛藤は、中途半端さでした。サークル二つ入って、両方それなりに活動して、研究室でも最初の頃はたくさん参加していて。全部楽しみたかったけど、結局全部中途半端にしか関われなかった気がしました。
特に人間関係の点でそれを思うことがあって、大学での比較的親しい知人はサークルや専修が同じで知り合った人達ばかりなんですけど、そういう中途半端さもあって、他の人達同士ほど仲良くなりきれずにいた。だから友達と言っていいのかずっとわからなくて、「私には友達いない」とよく思っていたわけなのですが、友達と呼べるかはともかくとしても、結局親しい知り合いはそこにしかいなかったんだ、ということに卒業式で気づきました。何千人も卒業生いるのに、驚くほど知り合いがいない。
その中でも比較的仲良くしてくれた人と、そうでない人がいて、「また会おうね」なんて言っても、きっともう二度と会うことのないだろう人たちもいるけど、縁があったのだから忘れたくないし、忘れられたくないなと思います。その人の中に何かを残していたい。
これからも会う人、連絡を取り続ける人を友達と呼べるのかなとも思う。

これからも、大学でしてきた勉強や、ミステリへの挑戦や、できたら合唱も続けていきたいと思います。

前途は不安しかないけれども、生きていたら何とでもなるだろうと思って、生き続けていきたいですね。
楽観的なのではなく、楽観視しないと辛すぎて埋まりたくなるというだけですが。


あと何だっけ、近況報告。
引越しました。今度は関東圏に住みます。実家まで電車一本で行けるようになりました。
家具や小物や食器揃えて新居作るの楽しいです。もっとお金あったら初期投資に凝れるのですが。シャンデリアとか天蓋ベッドとかね。まあその辺は夢でしかないのですが。

それと、3月上旬に中学からの友人たちとUSJ行ってきました。
自分が落ちる恐怖のある絶叫系が本当に苦手なのを思い知りました。酔いやすいのもあるけど、それとは別の軸で怖いのだめです。事故や故障即死を想像してしまうので。だから室内系は楽しめて、ハリー・ポッターと空飛ぶ椅子が特に、本当に飛んでるみたいですごく楽しかったです。
というか、ハリポタエリアがとても楽しかったです。高度に発達した科学は魔法を見せられるんだな、と思いました。街並み美しいし、ギミックおもしろいし、バタービールおいしかった。
アトラクションやグッズは、なんか出典偏ってる気がしたのですが。
忍びの地図が売っていて、欲しかったのだけど、その値段で文庫3冊は買えるな、と思ってしまって手が出せなかった。


驚いたことに、この1ヶ月ほど、引越し関連で忙しく、本を読めていない(短編はいくつか読んだけど)ので、読了感想はまた後日。




拍手[0回]

PR
2015/03/24 (Tue) 未選択 CM(0)

とびきりのメニューでおもてなし

こんにちは。少し間が空いてしまいました。
この数週間何をしてたか思い出せない……。
あ、東京に行きました。説明会がてら観光して、合羽橋と国際子ども図書館とかQpot cafeに行きました。
国際子ども図書館すごくよかった!あそこ住みたい!近代建築の建物をリノベーションしていて、建物自体もすごく素敵だし、蔵書の多さはもちろんですが、書架の作り方がいいなあと思いました。
住める可能性大きくできるように勉強頑張るよ……。
Qpot cafeはとにかくかわいくて、建物のデコレーションも店員さんの制服もお菓子っぽくて憧れでした。いつか、Qpotのアクセサリー身につけるのが夢。ケーキやマカロンもおいしかったですし。

弟が春から関東に住むことが決まったので、もうちょっと行きやすくなるかなと目論みつつ。今回時間なくてあまりちゃんと見てまわれなかったので、また機会あるしそのときに他のところも行きたいなと思います。

読んだ本。
『すべてがFになる』
好きでも嫌いでもないし、面白かったのかどうかも分らない。なんか感想を言いにくい。ひたすら物語世界と自分との距離が遠くて、淡々としていて、無関心になる。
謎が解決されても驚けなくて、だから驚きによる感情的高揚も感動もなくて、ただ、そうなんだとしか思えない。犯人自体は意外なもののはずなので、たぶん見せ方というか、作者に驚かせてやろうという意識がなかったんじゃないかと思う。
あと、キャラクター小説っぽいてキャラキャラいのにキャラクターにもあまり魅力を感じられなかった。
全体的に、何がしたいのかよく分からない小説だった。
文章の言葉選びやタイトルセンスや、時々あらわれる思想っぽいもの(それも積極的に主張しようとしているわけではないと思うのでますます何がしたかったかよく分からないけど)はおもしろいというか、わりと好きでした。
あと、真賀田博士も犀川先生も西之園さんも、それぞれ天才とか頭がいい人にちゃんと見えるところはすごいと思う。この人は天才です、って書くだけじゃなくて、その思考や行動が頭良さそう。ただ、主要登場人物がみんな頭良さそうなので、そこで会話してる内容が理解できないという……。いや、私が馬鹿なだけなんでしょうけど。コンピュータやプログラミングの専門用語出されてもついていけない。でも読者向けに説明があったら、それもまた違うと思う気もする。
これまでのメフィスト賞作品に挑戦キャンペーンの中では一番つまらなかった。とはいえ、これが一番ちゃんとミステリっぽいけど。といってもまだ三作目なんですけどね、挑戦キャンペーン。

『世界は密室でできている』
読んだ順番間違えたかも?
文庫ではこれが2冊目だけど、ノベルス刊行順は3冊目なんですね。
そんなわけで、なんかよく分からないままに読んだんですが、これは三郎の書いた「ルンババ12」シリーズの一作っていう体の話でいいのかしら。たぶんそうだと思うんだけど確証はない。「三郎」という名前の赤ん坊とか、突然出てくる「奈津川」
の名前とか、ルンババ家の両親の性格とか、あとハーケンクロイツのトリックとかがすごく作者である三郎の存在を感じさせたんだけども。なんていうか、三郎のいる「現実世界」で起こったことを小説として昇華している感じ。
ミステリなのかは分からないけど(たぶん違うとは思うけど)とても楽しいジュブナイルだと思います。それか青春文学。
殺人の動機とかトリックとか、それ使ってやってることとかはすごくしょうもなくて脱力してしまうことなんだけど、実際の人の死ってそんなもんかもしれないとも思う。呆気なく人は死ぬし、そこには特別な意味なんてないのかも。

『首折り男のための協奏曲』
私の好きな「伊坂らしい作品」でした。
首折り男と黒澤さん、それと「時空のゆがみ」、バランス、「神も仏もいやしない」といったキーワードがそれぞれの作品をゆるくつなげていて、その結果初出時点で短編それぞれを読んだときとは別の印象を抱いた。そういう短編集っていいなと思う。特に「僕の舟」は、この夫婦の話だったのかと思った。
あのクワガタ飼ってる作家の人は今までに出てきたっけ。あんまり覚えてない。というか黒澤さんが以前にあった話をしてるそれぞれの場面で、その「以前」の話それぞれは今までに書かれていた話なのかが思い出せなくて気になる。
クワガタの話から、神様の存在に対する感覚がすごく私自身のものとしっくりきてて、読むのが楽しかった。
あとテレビの話の構成がすごくすき。というかそれを成り立たせている文章がうまいなと思うし、作中でチャップリンの映画の話してるのもいいよね。
あと祟りの話はとても好みです。呪いってそういうことだよねとも思いつつ、幽霊の存在が小気味いい。

『Jの神話』
こういう話、成人向けフィクションにありそう。個人的に女性同士の性的な描写が苦手なので何度か投げたくなりましたが。
ネタがあれなのに、その上作者がおっさんくさい。なんか少女や女性性の描写が
気持ち悪い。現実には女性に見向きもされないようなおっさんが書く「(男性の理想に)都合のいい女」って感じがしてしまう。
物語の導入部はわりと好みなんだけどなぁ。外界から隔離された全寮制キリスト教系女子校。美少女ばかりの生徒会。擬似姉妹関係と、どことなく香る百合の雰囲気。生徒会長の死と、友人との確執。そういうのは本当にいいのに、何故こういう展開になるのか。百合は肉体関係がないのがいいのに!(個人的嗜好ですが)
悪魔とか失楽園の蛇とかヒルコとか持ってきたのは、そういう趣向は好きだけど、それが好きだからこそこの話でやるのはやめてくれ、って思った。
あと、ときどき擬音がおもしろかった。

『オリエント急行の殺人』
実は初読。しかし、コナンのミステリーエクスプレスの話でネタバレをくらってたため、あまり楽しめなかった。基本的にはネタバレされてても、倒叙ものみたいに、探偵がどのようにその真相にたどりつくかというところを楽しむことはできると思う。ただ、これはそこのところの説明が分かりにくかった。探偵にはプレゼンテーション能力高い人と低い人がいると思うんだけど、ポアロは後者だろうと思うの。(ちなみに後者には小市民の小鳩くんとかがいて、前者の代表格は京極堂だと思う)
なんというか、その犯人は誰かというところの論理は理解できるけど、それ自体をすごいと思えるものではなかったのです。何か証拠があって、そこに目をつけるとは吃驚!みたいなのでもないし。所与の事実から、どう推理するかというだけで、残念ながら私はそれを楽しむことはできない。あとその前提として乗客たちの過去が明かされるところも、最初の数人はともかく、後の方は結論ありきでカマかけただけに思えて、小説の構成上そちらの方が犯人が明かされるより先だったので、その後も全体的に結論ありきという感じがして納得できないまま話が進んでしまった。でも、首謀者的な人の正体明かすのはドラマチックでいいと思いました。
あと、全体的に地味なんですよね。話が動かないというか、事件起きて証言聞いて所持品検査して推理して解決、というだけの話で。途中に何かドラマがあるわけでもなく。そう考えるとよくある推理もので無意味にヒロイン出てきてラブロマンスするのも意味あるのかと思いました。
そして翻訳があまりよくないやつで読んだのじゃないかと思う。古いからかな。「鉱泉」と約出されてたのはミネラルウォーターだと思うんだ。そういう単語レベルの話は何とでもなるけど、何らかの言語を使えた人や慣用句を知ってたかが限定条件になってたのに、言語はともかく慣用句も意味だけが日本語になってて、推理するにはこの版を日本語で読むのでは無理だろうと思えてしまったので。

『たんぽぽ娘』
とても好みの作品が多かったです。
それぞれの作品が面白いのはそうなんだけど、そのうえ前編通して所謂「管理者」というかより上位の存在が意識されていて、その考えが私自身の世界観と似ているから読んでいてしっくりくる。「管理者」はあの、クワガタの飼い主みたいな存在ですね。
そしてボーイミーツガール物語が素敵。表題作かずば抜けてときめくけど、河の話も切ないし、ジャンヌの弓もハッピーエンドにホッとする。基本的にだいたい全部ハッピーエンドなのがいいですよね。読んでて安心できるというか。先が読める話もそれはそれで予定調和としておもしろく感じるし、途中で落とされてハラハラしても、最後は幸せなおとぎ話の様で安心する。
一方で女性の書き方には何かしらの意図を感じたのだけど。神風とか、スターファインダーとかは特に。女性が強くて男性が虐げられているというか現実の男女の社会的役割がほぼ逆転させられている。この辺はよく分からないんで、スターファインダーの長編読んでみたいなと思う。
そしてSF短編集とは思えないほど文章が詩的で文学的だった。たぶん作者の趣味なんだろうな。作中のいろいろなところで詩や文学作品やその作者のことが言及されていたし。

『河原町ルヴォワール』
面白かった!
四部作中でこれが一番好きです。
物語の構造自体がすごく良くて、作者の仕掛けているトリックが作中でのキャラクターの心情とうまく絡んでいる。「選ばれなかった選択肢」の話かと思いきや、そのネタばらしがされるところがすごくこのシリーズらしかった。
ただその「選ばれなかった選択肢」に入るところの突然のナレーション?のお前誰だよ感は少しいただけなかったですが。いや黄昏卿なんでしょうが、そういうことではなくて、ああいう書き方が個人的に好きじゃないということです。ただその不満を忘れさせるくらいにその仕掛けが楽しかった。
そして、これまでの三作での話もいれながらうまくまとめていたのが最終巻として綺麗だった。けど、前作読んだのだいぶ前で記憶が曖昧になってて少し残念だった。
論語と撫子の物語が素敵な結末を迎えていてそれだけで満足した。双龍会の中でも言われてたけど、ある意味でこれは『丸太町』の再現というか、撫子から見た『丸太町』なんでしょうね。うまく言えないけど。実際の通りがそうであるように河原町は丸太町に戻るんですよね。……でも御所結界なら寺町ではないのかしら。
論語と撫子の裏で、流と達也もなんだかうまくいってるみたいだし、龍樹家のきょうだいの関係も、他のもろもろ合わせてハッピーエンドですごくよかったです。
この世界の話、このキャラクターたちの話をもっと読んでいたい、というのが読み終わって最初に思ったことでした。なんだかんだで好きだったんだろうと思います。円居先生のネーミングセンスわりと好き。元ネタあるのもあるんだろうとは思うけど分からないから。

拍手[0回]

2014/03/10 (Mon) 未選択 CM(0)

難解だって知ったって何回だって立ち上がって

どうも、睦月です。
今は祖父母の家で年越しをしています。

今年読んだ本を数えてみたら121冊で、少なかったなぁと反省してます。
本だけじゃなくて、イベント行ったりライブ行ったりもあまりしてないし、書くのもサークルの要請にかられてばかりだったから、来年はもう少し趣味的なことをしたい。ブログも全然だったし。
とりあえず、2014年4月までは少なくともサイト続けるつもりなんですよ。言座が出会って20年を祝いたい。だからそれまではね、何らかの活動をしていたいですよね。

読んだ本。
『超少子化』
授業のために。
こんなはずないと思う私が社会を知らないのだろうか。
女性観、結婚観、子育て観がえげつない。
でも『鍵のない夢を見る』の最後の話思い出しても、そんなもんなのかな。あれは異常だとはいえ。
なんかこれ読んで、働くのが怖くなったし、結婚したくなくなったし、子供もほしくないなぁと思った。ずっと学生でいたい。

『ホビットの冒険』上下
先日、映画(3D字幕版)を見てきまして。巨大なトロル、3Dで迫り来るオーク、魔狼、ゴブリン、よくわからないけど不気味なゴラムと、ひたすらに深刻なシーンの連続で、すごく怖かったし、心臓がぎゅっとなりました。
でも、原作は全然怖くなくて、むしろ、ずっと楽観的に構えていられました。
起こっていることはたいして変わらない(オークは全く出なかったけど)のに、こんなに雰囲気違うのはおもしろいなあ、と。
だからこそ下巻後半の展開は予想外でした。え、竜……、え、戦い? え? みたいな。
でも3Dでスマウグ見たら絶対怖い。
背景に世界が広がっている感じはすごく好きなのですが、きっと全体を知ることはできないのだろうと思うと、もどかしくなります。
指輪物語も読んでみたくなりました。

『魔法のカクテル』
魔法側の登場人物や固有名詞は悪魔とか悪魔的なものの名前からかな? ベエルツェブープはベルゼブブっぽい。ティラニアの元ネタがよくわからないけど。
金を生み出す呪文の中にマンモン(七つの大罪のうち強欲を司る悪魔)ってあったり、楽しい。悪魔のいる地獄でも、冥界の支配者プルトンと言われてたり、その辺どうなのかよくわからない。元ネタ全部分かればもっと楽しいんだろうな。
猫とカラスがかわいい。
でも、どうしてか、魔術師側を応援してしまっていた。
魔術師や魔女が環境破壊や絶滅や戦争や貧困や、そういった世界の問題を生み出しているという設定はおもしろい。それぞれ科学や資本主義の象徴ではあるのだろうけど、あえてそこまで考えない方が、主張が物語に紛れていいバランスになる気がした。
あと『はてしない物語』の名前が出てきておっとなった。作中作でもあるし、違和感はない。

『ドリトル先生アフリカゆき』
ドリトル先生が、動物語を学んで習得したという設定がおもしろい。
動物に優しいがために故郷では貧乏になったドリトル先生が、動物に優しいから、旅先では慕われ危機を乗り越えて、お金持ちになって帰ってきたのが痛快でした。
王子が白人になりたいというあたりとかは、なるほどこれで批判されたのかと思ったけど、別に書き直さなくても……と思う。特に、本人亡くなってるから遺族がってどうなの。「書かれた時代背景を考慮して~」でよいのでは。
フクロウが数学家なのは知恵の女神の使者だからかなとか。動物もかなりステレオタイプ的な気はする。

拍手[0回]

2012/12/31 (Mon) 未選択 TB() CM(0)

生きてます。

いろいろあってご無沙汰してました。すみません。生きてます。
えっと、10月くらいからの近況を報告しますと、
サークルの機関誌に載せる原稿書いたり、犯人当て書いたり、鬼のように構成したり、辻村深月講演会に行ったり、学祭があったり、某英都大学の学祭に遊びに行ったり、合唱の演奏会だったり、本読んだりケーキ食べたりしてました。

というわけで読んだ本を取り急ぎ。
『世界一初恋横澤隆史の場合2~』

『日本神話の構造』
レポートのために読んだのだけれど、なかなかおもしろかったです。そういう読み方は知らなかったので。
パンテオンの三機能体系と、天と地、海と陸・山の対立が主な主張かな。
似た筋の繰り返しにもちゃんと意味があったんだな、とか。
三機能でいえば、天照が主権、月読が生産、素戔嗚が軍事なんだろうな。
あと、素戔嗚と日本武尊と義経が同じ〈悲劇の英雄〉型の流れだとか、なるほどと思った。

『千年ジュリエット』
ストーリーはおもしろいのにミステリとしては残念な印象。

『ジャンピング・ジェニイ』
「名探偵」が証拠隠滅に努める話というのは初めて読みました。面白かった。『毒チョコ』よりも好きかも。
ただ、私が求めるような物語性はなくて、キャラの掘り下げもない。イーナの嫌な女っぷりはよく伝わるけど、どうして、とか何を考えて、とかはわからないし、だから人の名前を覚えられない。
でも嫌な女書くのは本当にうまいと思う。こんな女子いたなぁ、っていう。
天井の構造がわかりにくかった。図解がほしい。

『鍵のない夢を見る』
ああ、辻村深月はミステリ書きではなくなってしまったんだな、と思った。事件は起こっても伏線回収も何もないし。叙述とかは別にいらないんですけど。
正直、なんでこの本で直木賞受賞したかわからない。今までの辻村作品のテーマとかエッセンスは入ってるんですよ。『水底フェスタ』の田舎の閉塞感、『凍りのくじら』の夢を追うダメ男、女の人間関係と自意識。でも、書き方が性急で、世界の雰囲気や人物の行動様式を理解しきれないうちに事件が起きてしまう気がしました。それぞれを長編にしたらおもしろいんじゃないか、と思ってしまう。

『薬指の標本』
なんだか三崎亜記に似てる気がした。不思議なことが当たり前のようにあって、それを淡々と受け入れているような。でも

『ふたり狂い』
気持ち悪かった。内容が狂った感じで、というのもあるんだけど、真実が結局はどこにあるのか、何が、あるいは誰が正しいのかわからなくてもやもやする。
人間関係ってそんなものかもしれないとも思うのだけど。自分の認識と相手の認識はきっとずれていて。あと、噂とかも事実じゃない方に曲がっていくから怖いなあ、と。多数派=真実とは限らない、ということを強く感じた。

『今出川ルヴォワール』
ギャンブルあんまり好きじゃかない。
全体的にぶつ切りな感じ。

『カマラとアマラの丘』
道徳の教科書っぽい。設定は好みだけれど移入できない。

『ユダの窓』
おもしろかった。ガブリガブリが謎。

拍手[0回]

2012/12/27 (Thu) 未選択 TB() CM(0)

いまあたしは自分が可愛い あなたにあたしが可愛いと同じに

ミステリ研の合宿で金沢に行ってきました。
泊まったのは加賀温泉だったのだけれど、以前行ったことあるのではないかという感じがした。温泉地にある魯山人の家は見に行ったことあるのだけど、それは果たしてここだったのだろうか。加賀温泉だったら行っていてもおかしくはないんだけど。
あと、いつも車窓から見て気になってた巨大な観音様についての話も聞けておもしろかった。
金沢では尾山神社と21世紀美術館と忍者寺とひがしの茶屋街に行きました。
尾山神社は、去年くらいにステンドグラスの神門があると聞いてからずっと行きたかったところだったのです。素敵でした。
21世紀美術館が翌日からの展示のために準備中で、一部しか見られなかったのが残念でした。現代アートってなんかよく分からないんだけどね。なんとなく、好きとか嫌いとかはあるけど。
地元でやってた大地の芸術祭みたいだなと思った。
忍者寺はからくり満載のお寺で、たぶん見学させてもらえたのはほんの一部のからくりだけで、きっとまだまだ隠し部屋とか隠し通路とか罠とかたくさんあるんだろうな、と考えるとわくわくする。住みたい。
押し入れの襖を開けると奥にもう一枚襖があって、でも通路への入り口は横の壁だとか、なかなかすごい。

あと、個人的にも旅行で倉敷に行ってきました。
昔、母が職員旅行で倉敷チボリ公園に行ってきて以来行ってみたかったのに、いつの間にかつぶれていたらしく。ショックでした。
でも街並みが綺麗だった。
和風の白壁造りのも、洋風の銀行や美術館や観光案内所なんかも、どれも素敵でした。
泊まったホテルがまさにそういうところだったし。
桃太郎のからくり館という、手作り感満載の施設に行ったのだけれど、桃太郎関係の資料がたくさんあって個人のコレクションだとしたらすごい。1階は本当に手作りっぽい、錯覚体験コーナーだったのですが。戦時中に作られた、桃太郎が軍官のパラシュート部隊の戦意高揚アニメはクオリティがすごかった。本当に戦時中にこんなものが作れたのか、と。長かったから全部は見れなかったのだけれど。
あと、大原美術館。一番大きい絵が一番印象的だった。万物は死ぬが、神は万物を生き返らせるみたいなタイトル。よく覚えていない。

今回の記事タイトルは今歌ってる曲のひとつなのですが。
少女が「あなた」に出会って、恋をして、変わっていく歌。なかなかえろい。「あなたに知っていただいてあたしは初めて自分を知りました あなたに知られるまでは自分の肉体が遠い大陸のような気持ちでした」「あなたの器用な指先が自分を知らせてくれました」
詩だけでなく、歌も、素敵なのです。歌うのは難しいけど。
こういう台詞、言えるようになりたいですね。

読んだ本
『猫島ハウスの騒動』
とりあえず、猫がかわいい。
次々に事件が起きて、捜査とかして、話が展開していくのはおもしろいけど、そこまでが少し退屈。証言や手がかりはそれぞれ繋がりそうなのに寸前で目くらましされているようで、引きはうまい気がしました。
文体が軽いのだけど、どうにも感情移入できなかった。コミカルな台詞まわしも、なんか笑えなかったり。
駒持×七瀬だなぁ、とずっと思いながら読んでいました。ラストのお見舞いにケーキとか。
で、結局、修学旅行で何があったの!?

『聖者は薔薇を抱きしめて』
もやもやしていたパメラの話が補完された。
そういう結論を下したんだ、と驚いたけれども、とにかく、幸せになってよかったと思う。
幸せになるために、別々の道を行くみたいな文章があったけれども、その通りなんだなぁ、と。
パメラは、柴崎やシェリルと似た感じがする。強くて魅力的な女の子。でも、ときどき弱いところもあって。恋愛にまっすぐにはなかなかなれなかったり。かわいい。
ドレス着たいー。

『アルジャーノンに花束を』
小説って、こういうことができるんだ。文体の違いで知能レベルや、性格が如実に表されていく。それが経過報告というかたちだから、実際にあったのではないかと思ってしまう。リアルに迫ってくる。
最後に近づいていくにつれて、どんどん文体が変わっていくのが切なかった。
物語に一喜一憂するだけでなく、考えなければならないと思う。人間だとか、知能だとか、愛だとか、そういったことについて。正直、全部は理解できなかった。哲学っぽいところとか。宇宙とひとつになるとか。
性愛に関する考え方が好みじゃないなぁ、と思う。一夫多妻制を推奨したり、セックスを「女の肉体を使う」と表したり。
というか、手術後チャーリイは基本的にいけすかないね。そういう風に書かれているからだろうけど。
彼にとってはどちらが幸せだったのだろうか。知能は低いけれども、友達がたくさんいたときと、超知能を得たけれども孤独なときでは。
二人は全く別の人間だと当人同士が認識しているのが不思議な気がした。自己同一性って、どこまでなのだろう。

拍手[0回]

2012/09/24 (Mon) 未選択 TB() CM(0)