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2024/05/09 (Thu)

真紅に焼けた靴を履いて踊れよ

お久しぶりです。いつの間にか四月も半ばですね。びっくり。
3月末に、奈良旅行に行ってきました。ついに!大神神社にも参拝しましたよ!大国主!!
テンションあがりまくりでした。大神神社のふもとに猫がたくさんいたのがかわいかったです。あと、鳥居が縦の2本の木だけで、上の部分なくて注連縄かけてたのが気になった。古体はそれだったのかな。
橿原神宮にも行って八咫烏のお守りを買いました。それと飛鳥。石舞台がかっこよかったです。火の鳥のイメージなのですが。万葉博物館的なところのジオラマと人形劇?もおもしろかった。
東大寺と興福寺も行きました。阿修羅像イケメン。阿修羅像に限らず、八部衆みんなかっこよかったです。カルラとか。先日、『かっこいい仏』という本を読んだんだけど、それを思い出しました。仏教関係はもっと勉強しないと。
鹿は怖かったです。
平城京跡とか、法隆寺とか、石上神宮とか、行けなかったけど行きたいところがまだあるので、また行きたいなと思います。

読んだ本。
『暗闇の中で子供』
おもしろかった、ような気はするんだけど。いい話なんだけど、なんだか納得いかない。
最後のあれは何だったのか、とか他にも何か所か現実か幻想か嘘かはっきりしないところがあってもやもやする。それに、最終的に解決してない気がする。三郎の内面的には解決してるんだけど、二郎とかユリオとか、どうなったの? 最後に出てきたのは誰だったの? っていうのが分からなくて、そのせいですっきりしない。こちらには疑問があるままなのに、最後いい話っぽくまとめられても……っていう。
だから、肝心なところ解決してないしミステリではないよねと思う。
三郎が言っている物語についての話は楽しかった。
え、本当にカニバリズムだったのかな。それともそういう何かの比喩?
とりあえずレクター博士の話読みたいです。あと、これ続きは出ないのかな。

『満願』
趣向は好みのはずなんだけど、なぜか素直におもしろかったと言い切れない。
文章だとか、後味の悪さとかに、あざとさが透けて見えるというか。もうちょっとさらっとしてた方がいいかも。後味悪い短編は好みなんですけどね。後味悪いのより、奇妙な味が好きなのかも。いわく言い難い読み味。その中にはもちろん、後味悪いのもあるけど、それだけじゃなくていろいろまざっている。そういうのが好きだから、後味の悪さだけが抽出されてるような話には食傷気味になってしまうのかも。
というか、「柘榴」が苦手すぎて無理。それがずっと残ってたから、良かったっていえないのかも。同じ柘榴なら鬼子母神のほうがいいです。性的な意味じゃなく。個人的に、真面目に努力している人が陥れられる話がすごく苦手で、(BLじゃない)近親相姦も苦手なので。
逆に好きだったのは「関守」。ちょっとリカーシブルっぽかった。都市伝説を探っていくと人為に行きつくって話。
それに限らずだけど、どの短編もすごく米澤さんらしい構成というか、ミステリ的なネタは他の作品、たとえば古典部とかでも同じようなことやってるよね、って思った。「死人宿」とか「満願」とかがまさにそんな感じ。手紙からその書いた人当てる、とか過去の事件での思惑を推理する、とか。でも、同じようなことやってても、こういう落ち着いた雰囲気と青年から壮年くらいの男性が主人公なののほうが、高校生主人公できゃっきゃしてるのよりも合ってるんじゃないかなって、なんとなく思った。

『うちの執事が言うことには』
すごくラノベっぽくて、さらっと読めた。薬屋はまだ、キャラ要素強いミステリだったけど、これは推理風味のラノベだと思う。キャラクター小説でもなくて。で、何でそういう風に思うかというと、薄いんですよね。ページ数が。だから話も薄くなるというか。薬屋だと、一冊の中でミステリメインで、薬屋さんたち3人の話とかリベの成長とか、レギュラーキャラの話なりその巻だけの登場人物の話とか、いろんなキャラクターに焦点当てられるし、ミステリ部分も謎・依頼→捜査→(第二の謎→捜査)→解決みたいな、それぞれのプロセスをけっこう書き込めるけど、ページ数少ないとそれが十分にできなくなるんだと思う。だからたとえ配分が同じでも、ラノベっぽくなるのかな、と。
そんなわけで、この本は謎→捜査→解決は一応あるんだけど、それぞれが短くて内容も薄い感じがしました。
でも、その一連の中で主従ともに成長していって、仲良くなってってる感じはすごくいいと思う。シリーズ化しそうな話ですよね。
あと、ミステリ的にだけど、ただの情景描写だと思ってたのが話に関わってくるのが、すごく綺麗でした。叙述トリックともまた少し違うんだけど。高里さん叙述けっこうやるから、そういうのの技術なのかなとも思うのですが。色の描写がすごく細かかったのが、主人公にはそういう風に見えてました、でそれが事件解決の鍵になりました、みたいなのがすごく鮮やか。
シリーズ化してほしいと思うんだけど、それはメインの二人と鳳さん以外のキャラクターが何考えてるのかよく分からなかったのがもやっとして、それで続編とかでそこを掘り下げてほしいと思うので。最後の話とか、なんであの女の子がお父さんにそこまで執着してたのか、がよく分からなくて、だから動機が最後までよく分からなかったのがなんかもやもやした。二つ目の話も、事件解決して濡れ衣晴らしてめでたしめでたし、でもなかったし。赤目さんが何考えてるかもほんとよく分からないし。読み取れなかったこっちの問題なのかもですが、そういうところもうちょっと掘り下げてほしいです。
あと、シリーズ化するなら上流階級繋がりで羊子ちゃんとか凛乎ちゃんとか、高遠さん家の人とかでないかなと期待。

『薔薇のマリア 20.I love you.[noir]』
もう終わっちゃうんだなあ、という感じです。でもタイトルと表紙がすごく良い!これきっと、21巻と対になるやつですよね!21巻の表紙ではマリアが黒い薔薇持ってて、二つ並べると手がつながるんでしょ!タイトルはきっとI love you[rouge]ですよね!っていうそれだけでテンションあがる。
次で最後なの切ないけど、解決を見たいというのはある。人はいっぱい死ぬかもしれないけど、大団円になる予想。あとマリアの正体もね、気になるところ。ヴィシュクラトーとの約束のところでなんか微妙に示唆されてるような、されてないような。
過去、というか未来というか、とにかく地球とのつながりもなんとなく見えてきたような、でもまだよく分からないような。その半永久的避難所に来た7人が、トマトとりりぃとジュジとグッダーとSIXとヴィシュクラトーと…あと一人誰?悪魔皇帝とかかしら。なのかなと思うけど。でも、もともとただの人間だったはずの彼らがなんで能力とか持ってるのかよく分からないし。仮想現実なのかな、この世界自体。
次でちゃんと解決してくれればいいけど。なんにせよ楽しみ。

『池魚の殃 鬼籍通覧』
久しぶり!(挨拶) 表紙から、だいぶ雰囲気変わりましたね。
さらっと読めておもしろかった。あいかわらず料理おいしそう。中華懐石おいしそうだった。なくなってしまったらしいの残念。今だったら比較的近くだから行けたのに。
作中でも言及あったし、いつもとは違う感じがしたんだけど、前のがどんな感じだったかが思い出せない。とりあえずこれは冒頭の掴みというか、謎の提示うまいなって思いました。
テーマは自殺ですかね。難しい。ミチルさんが言ったことも、間違ってないと思うんだけど、こういう事件になっちゃって、切ないなと思う。最後に3人話してたのはそれぞれ、らしくていいなと思いました。
ところで龍村さんが暗闇イベントに東京で若い友人と参加したみたいなこと言ってた時に、敏生かなって思いました。そういう話あるのかな。
暗闇に男女二人で閉じ込められてラッキーハプニング的なことがあろうが、一緒に住むことになろうが、全然恋愛とかそういう方向にいかなさそうなのが潔くて好きです。
むしろ恋愛フラグ立ちそうなのは筧と伊月じゃないかなって思ってしまう(笑)結婚云々の話してた辺りとか。
これもまた近いうちに続編でそうな雰囲気なので、楽しみにしてます。

『桜宵』
ほぼ一年ぶりに読んだ、香菜里屋シリーズ第二弾。
『花の下にて~』よりこっちの方が好みでした。表題作とか「約束」とか、今回のはそれこそ若干後味悪い感じのが多くて、そういうのが物語に深みを与えていた感じ。
相変わらず料理がおいしそうで。桜飯食べたい。
次々に続きが気になるというわけでもないけど、時々読みたいかなと思いました。
工藤さんの過去もなんかあるっぽい感じだし。

『眼球綺譚』
ホラーなのかは分からないけど、好き。怖いっていうか、気味が悪い感じ。深泥よりもオチがしっかりついてて面白かったです。
「バースデー・プレゼント」が好きです。「再生」も「人形」も同じモチーフの話なんだと思うんだけど。「再生」はやっぱり近親苦手なもので。「人形」はよくある怪談、って感じだったし。でもここに入ってることでそういう話になってる感じ。あの途中に挿入されてたのは綾辻さん自身の経験とかなのかな、とちょっと思いました。
「バースデー・プレゼント」は、なんかよく分からないけどだからこそ怖くて、でも少し綺麗。あと、クリスマスパーティは昔それこそS通りとかのパーティルームでやってたらしいという噂も聞きましたし。
「特別料理」は、オチは好きです。この流れで子供作ろうかって、……食べるってこと?だよね?
ただ、前半の描写が気持ち悪すぎて。人肉食の話は好きですが、ゲテモノ食いは話だけでも無理です。虫とか、調理法とか、そんな羅列しないで、頼むから!ってなりました。
「呼子池の怪魚」はなかなか気味悪くて楽しかったです。鳥でよかった。
「眼球綺譚」も好き。眼球は中二心くすぐられます。でも最後が怖い。
咲谷由伊は結局何者なのか。単なるスターシステム?それとも何かあるのかな。全部同一人物、ってことはさすがにないと思うのだけれども。アナグラムとかできないかなって思ったけど、違いそう。
あと、装丁が京極さんなことに驚きました。……そういえば昔、装丁京極さんらしいって聞いて図書館で借りてきて、でも読まなかったことがあったような気がする。

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2014/04/15 (Tue) 日々の徒然 CM(0)

ニュートラルなモットー

G9 ROCK SHOW@大阪城ホール、見てきました!
前行ったのがG6なので、2年と少しぶりの生ロデオでした。楽しかった。ライブ行くと、相変わらず、好きだなぁ、と思います。飛んで跳ねて腕振って叫んで歌って、エネルギー全部使って楽しめるのがライブのいいところ。
でも席は下手側2階後ろの方で、全体見えるけど細かいとことか見えなくて、少し残念でした。
2年ぶりなので、初めてライブで聞いた曲とかもたくさんあって楽しかった。先週でたばっかりの新曲も、カップリング含めて聞けましたし。物販でCD買ったので、カップリングの方はちゃんと聞いたのこれが初めてだったけど楽しかった。なんか楽しかったばっかり言ってますが(笑)
物販といえば、今回のTシャツ(黒)の柄がすごく好みでした。もちろん買ったのですが。表が紋章っぽくて裏が羽で、中二心くすぐる。でもトートバッグが30分くらい前に売り切れてたの残念だった。すごく並んでたから仕方ないんでしょうけどね。
まあとにかく、スノパレ踊れたし、タオル振り回したし、IGPX叫んだし、一通り楽しめました。そういやまだサマーGT踊ったことないんですよね……。夏場に行ったことないので。あと、扇子回すのも今回なかったから今度したい。
でも今回一番面白かったのは、アンコールのR&R SHOWで、KISHOWが途中退出してたことですね……。お腹壊してたらしくて、今日はMCがずっとその話題だったのですが。1番の途中でのっぴきならない状況になったらしいですね。ストッパ効かなかったんだ……。
GRAN!RODEO!コールしてるときからピアノ準備してて、めっちゃ期待してたのにー。歌うのも楽しかったし、すごく貴重な体験だったとは思うんですが。
ライブって、中毒性あるというか、一度行くとまた行きたくなりますね。ただ、今度のツアーがなぁ……。大阪だと6月中旬で、就職の試験とかぶりそうなんですよね。どうしたものか。
まぁ、その辺りのことはいずれ考えるとして、とにかく楽しかったし、また行きたい。このDVDもほしいな。というか、アンコールがメイキングに使われるらしいって言ってたけど、何のだろう。

読んだ本。
『煙か土か食い物』
何となく苦手なタイプの気がして敬遠してたけど、読んでみたらすごく面白かった。びっくりした。
文体がすごく特徴的で、スピード感と質量を持って迫ってくる感じ。語り手である四郎のキャラに合ってるから受け入れられるんだろうな。地の文もだけど、会話が福井弁で口語体で、でも自然なのがすごかった。
構成とかトリックとかよくわからないですけど、読んでるとなんか全体を俯瞰するというか、文体の影響もあって物語の大きな流れの中で流されてる感じがする。何重にも暗号の込められた事件現場とか、何それってなる。いや、面白いんだけど。解かせるとか推理魅せるよりもやっぱり読者を翻弄して押し流すような方向に思える。
あと、あの絵すごいアウトサイダーアートっぽくてそれっぽかった。
そして、キャラクターが魅力的ですね。そこまで好きじゃないけどこれはこれでアリですね。
最終的にハッピーエンドで救いがあってよかった。それがあったから、すごくいい「家族の話」になってる。途中どんなに殺し合いしてても、家族愛的なものを感じる。

『火蛾』
すごく面白かった!
私の目指したいものはこれだったんだ、と思った。
イスラム教の話。授業で少し聞いたことあるだけで、教義とかあんまりよく知らないのですが、ちゃんと説明があってよかったです。それでも、抽象的な話で、あと何回か読まないと完全には理解できないだろうと思われますが。
この話に出てくるウワイス派が実在したかも、その教派が本当にここに出てくるような教義を持って、こういうことしてたのかも、判別できないのですが、作者の圧倒的なイスラム知識が垣間見えて、信じさせられてしまう。イスラム教は、特に日本ではあまり知られてないであろう宗教ですし。
そういう圧倒的知識の上にあるフィクションって、すごく面白いと思うんです。
あと、その辺りの捉え方とか書き方とか、なんか京極っぽい気がしました。
それよりも何よりも、この話ですごいのは、殺人という形而下の事件が物語の中で起きて、普通にミステリらしい推理をしていても、更に作中で語られていた《物語》が解体されても、物語を覆っている不思議のヴェールが取り去られることがないということだと思うんです。そこが、私がこの小説を読んで一番好きなことかもしれない。『火刑法廷』みたいに、幻想か現実かの二者択一(どちらともとれるけど)ではなく、現実すらも幻想の中にある感じ。舞台が12世紀の中東で、明らかに(読者にとっての)現実とは異なる異国情緒あふれる世界だからかもしれませんが。西南アジアっていいよね。ロマン膨らむ世界です。
あと、言葉に対する考え方がすごいというか考えさせられるというか。人間は言葉でしか理解しえないし、伝えられないけれども、言葉は変質して憎むべき偶像と化してしまう。
それでも、言葉で伝える。その覚悟がいいなぁ、と。作中の導師たちについても、作者についても。
特にイスラム教でこの話するのが興味深い。コーランは確か「言う」という動詞がその名称の由来らしいし、預言や預言者の言行録といった言葉を重視して崇拝する宗教だからね。だからこその偶像崇拝なのでしょうが。

あ、そういえば、この読了本の並びから分かるかもしれませんが、今メフィスト賞作品強化期間してます。個人的に。こないだ数えてみたら、一桁しか読んでなかったのが地味にショックだったので。順番関係なく、とりあえず気になるの読んでみようと思いまして。

『QED〜flumen〜 ホームズの真実』
これで最後と思うとなかなか読めなかったのですが、読んでみて本当にこれが最後なの?と。
奈々ちゃんとタタルさんの結婚は、まぁそのうちどうにかなりそうなので別にここで幕切れでも構わないですけど。小松崎さんがバツイチ子持ち女性とどうにかなるとかの話はどこ行ったの? 他の話とかに載ってるのかしら。気になります。
とりあえず、内容に関して。
ドイルやホームズの両親に関しての話は、もともとそんなに知識もないので、ほうほうと思って読んでました。
言葉にした時点で全部フィクションというのは分からなくもないけど、現実とフィクションが混ざって混乱した。え、ホームズって実在するの?え?
源氏物語とホームズの関連は、なんていうかこの二つが直接関係するんじゃなくて、「紫(ヴァイオレット)」という要素をどちらも持ってるだけですよね。それぞれの話は面白かったけど、帯のアオリから、もっと有機的に繋がるものだと思ってたので、少し予想が外れて残念だった。
そういえば最後に奈々ちゃんが飲んだブルームーンは、「出来ない相談」ってわけじゃないよね? たぶんその意味知ってての、「崇はどんな顔をするだろう」っていういたずらだよね。

『怪盗グリフィン絶体絶命』
純粋にわくわくどきどきする感じで面白かった。ミステリーランドで、こんな素直な作品も出てたんですね。なんかあのレーベルはひねくれた推理作家が、子供向けということであえて毒のある話書いてるイメージで……。そんなに読んでないし、その中でも普段からそんな作風の人も多いけど。
ペンタゴンとかカンパニーとか出てきて、すごく子供心に憧れるスパイ物っぽい。七つ道具とかもあったりして。でも、謎というか土偶の入れ替えトリックの辺りの論理とかはやっぱり法月さんらしい感じで。
あと、法月さんにしては(失礼)文章が読みやすかったですね。子供向け意識してたからかしら。
なんか雰囲気が怪盗ニックみたいだった。たぶん意識してるんだろうとは思うんだけど。合言葉が「ニック・ヴェルベット」だったし。
そういえば参考文献に、幻獣辞典的なものがあったのは怪盗「グリフィン」で「フェニックス」作戦だからなんですかね。何の参考にしたのか謎。面白い。

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2014/02/17 (Mon) 日々の徒然 CM(0)

螺旋のように 蠢く果てに

お久しぶりです。睦月です。
いつの間にかあっという間に二月ですね。年々時間の進みが早くなっている気がします。一月はほぼレポートを書いて終わりました。

今年のお正月は、なんと、ついに! 某神社で臨時奉仕をしていたのですよ!
巫女服かわいい。私が着たやつは、襟のところから赤い襟が覗くようになっていて、かわいらしかったです。
お守り授与したり、絵馬授与したり、お屠蘇注いだりしてました。
でも、冬の深夜屋外にいるのは寒いし、眠いですね。寒さと眠さが限界な上に初めての巫女さん体験が嬉しくてなんかテンション何やらおかしくなってました。
友人に誘われたんですが、やっぱりああいう世界ってコネが強いんだろうなーと思いました。

今年はもうちょっとブログ更新したいなと思いつつ、こんなに間が空いてしまってます……。頑張る。感想の言語化大事。
そんなわけで、今年は年末年始に一年のまとめ的な記事アップできなかったんですが、今回去年読んで面白かった本と突っ込み入れたい本でも書いておきます。とりあえず書名と感想一言だけでも列挙しておく。需要あるかは不明ですが。
去年は冊数でいうと3桁いかなかったのですが、なかでも良作をたくさん読めて、幸せでした。自分の中のオールタイムベスト入り確実なのが多かった。

去年読んだ主な本。
『火刑法廷』 雰囲気素敵! こういうミステリ書きたいですね。
『天冥の標』シリーズ たぶんどっかに感想書いたので割愛。続きが気になります。
『スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ』 おとぎ話の換骨奪胎がうまい。前作ではあまり分からなかったけど、今回は三途川のすごさが分かりやすい。
『指輪物語』 素敵な長編ファンタジー。世界観丁寧。後半はつらかったけど、ホビットに癒される。
『犬神家の一族』 横溝おもしろいね!オチの人間ドラマ的なのも好き。
『ユージニア』 金沢小説。構成が好き。
『ハーモニー』 虐殺器官の方が好きかな。でも、これはこれで。いい感じのディストピア。
『江戸川乱歩傑作選』 短編集。人間椅子と鏡地獄好き。ミステリより幻想っぽい短編の方がうまいのでは。
『倒立する塔の殺人』 戦時中の女学校いいよね。雰囲気綺麗。死体の装飾美しい。
『幻の女』 話の入りも謎の提示もすごくうまい! オチはすこし残念だったかも。
『悪魔が来りて笛を吹く』 読んだ中では一番好きな横溝作品。雰囲気と伏線がいい。
『少年十字軍』 絶対不幸な結末になるって分かってるから読んでてつらかった。修道士二人の関係性に萌えた。
『祈りの虚月』 女子校ファンタジー。為書き付きでサインもらった! 高里先生かわいかった。
『ハサミ男』 ミートパイ食べたい。ただ巧いとしか。
『ノックス・マシン』 引き立て役クラブが好き。表題作もSFで楽しかった。
『ブラウン神父の童心』 キッドが16巻で言ってた台詞や木を隠すには森の中とか、いろいろ元ネタ発見した。
『チマチマ記』 料理おいしそう! チマキ・ノリマキかわいい! 鏡さんと桜沢くんがすごい「長野まゆみ男子の恋愛」だった。
『夏への扉』 ピートかわいい。先読めるけど面白かった。タイムパラドックス?とか考えると分からなくなる。
『死神の浮力』 千葉さんおかえり! やっぱり伏線回収いいね。
『ジム・ボタン』シリーズ  すごく夢があるファンタジーだなぁ、と。背景や小道具や設定が魅力的。
『リカーシブル』 途中の民俗学的な(?)タマナヒメ伝説の背景を探る部分は好き。
『七人のおば』 他人のゴシップって楽しいよね。
『クラバート』 すごく民話っぽい。親方の存在とか、少し怖いけど、わくわくする。
『願い星、叶い星』 皮肉きいたSFっぽい短編が多くて好きだった。
『占星術殺人事件』 最初の手記の部分が一番好き。御手洗さんと石岡君仲良いですね。
『何者』 就活前に読むもんじゃなかった。「読者が犯人」ものっぽい。そこの構図の転換は巧いが、痛い。
『リバーサイド・チルドレン』 叙述の使い方は綺麗だけど、それはずるいだろう。旅人さんいらなくない?
『人魚姫 探偵グリムの手稿』 あまりに「犯人当て」すぎて、世界観と乖離してる。もうファンタジー書いとけばいいのでは。
『薔薇のマリア』17~19 アジマリ!アジマリ! 次で終わってしまうのが待ち遠しいけど寂しい。
『書楼弔堂』 たぶん感想書いてた。鵼マダー?
『虚無への供物』 雰囲気素敵。告発には考えさせられる。
『明治かげろう俥』 ドラマかと思ったフィクション満載ドキュメンタリーだった、みたいな感じ。好きなタイプの物語ではない。ナレーションのお前誰だよ感がつらい。運命視点とかいいから。

続いて、年明けてから最近読んだ本。
『翼の帰るところ』1~4
異世界ファンタジーで、隠居志望の虚弱主人公(過去が見える能力持ち)が巻を追うごとに苦労を重ね、隠居から遠のき、政変に巻き込まれたり世界を救うことになったりする話。
面白かった。ただ、構成のせいかもしれないけれども、説明が分かりにくいというか、1巻の最初でどういう世界なのかがわからなくて少しもやっとした。今でもあんまりよく分かってない。神とか恩寵とかの辺りは特に。
文化や名前があまり現実世界のものに似せていない感じがして、こういうのもいいなと思った。ちょっとおもしろい感じのこと言おうとしてるときは若干現実・現代っぽい感性が見えるところもあるけど。
それで、ヤエトはいつ皇女とくっつくのかしら。にやにや。明らかに矢印見えてるし、他の登場人物もわかってるのに、本人だけ自覚してなかったりとかよくある状況だけど楽しい。
巻を追うごとに本当にヤエトが重大なことに巻き込まれていくのが面白い。けど、世界を救う話辺りで、正直そこまでするの?ってなってしまった。
続きが楽しみです。西の帝国とか出てくるんですかね。巻数的に無理かな。でも伏線ははってるからな。

『11枚のとらんぷ』
第一部、第三部の舞台裏のどたばたした感じが読んでいて楽しかった。第二部も手品がネタ解説含めて書いてあったけど手品に驚かされて解説で納得し、そしてそれが伏線になっていたという事実にも驚いた。ただ、物語の終わり方が少し納得いかない。人間ドラマ的に。犯人は結局どうしたの?
あと、殺人が起きて少し事情聴取して第一部が終わって、急に作中作が始まって、第三部になったら突然みんな事件がなかったかのように国際手品会議的なのに参加して楽しんでたのに、何故か急に推理が始まって違和感を抱いた。もっと捜査パート的なのがほしかったというか、登場人物が事件気にしてる様子があればよかった。
推理小説でよく手品の話あるけど、そういうのってたいていネタ明かされなくてフラストレーションたまってたんだけど、作中作ではトリックが推理されてるから面白かった。推理小説読んでるときは、少なくとも私は不可思議なことが起きたらそれに対する解説を求めるのだけれども、手品が出てくるとだいたい手品は種明かしをしない主義で、不思議なことをたくさんやって見せびらかしているから、謎に対する解決を求める気持ちと矛盾してもやっとするのです。

『蒼の行方』
再読です。誕生日にもらった。
やっぱりいいね、きゅんきゅんする。言葉選び好き。朝丘先生好き。

『歴史をいかに学ぶか ―ブルクハルトから現代を読む―』
レポート用に。ブルクハルトは先見の明がある歴史家なんですね。警句的文章が多くて好き。「予知された未来などというものは、意味をなさない」とか。かっこいい。彼自身がすごく未来予知的なことを言っているというか、述べていた状況が現代に当てはまっているといわれているんですけど。この言葉いってる人をそういう風に紹介するのって皮肉じゃないのか、とか。
この歴史観に100%賛同はできないけど、まあ進歩史観はもう通用しないし(むしろなぜ通用すると思っていたのか。進歩史観てすごくキリスト教的ですよね)新しい歴史観を個々人が持つべきというのはまぁ分かる。

『公立図書館の玄関に怪獣がいる:ポストモダンの消費資本主義は、どのようにして民主主義、市民教育、公益をおびやかしているか』
これもレポート用。現代アメリカの状況を書いてるんだけど、日本にも当てはまるところ多いよね。人文社会科学各学問の修士は就職難なのにMBAは引く手あまただとかね。正規職員減らして情報化と非正規職員増やして対応してるとかね。
経済学史の難しい話とかあんまりよく分からなかったけど、ソクラテスの話はなるほどと思った。そりゃ、短期的な快楽をもたらすけど後には何も残らないものの方が、一時的には不快だけど長期的にいいものより選ばれやすいよね。
現代の状況とそれに至る思想史メインで、じゃあそれに対してどうすればいいかは書いてなかったのが片手落ちっぽいけど、でもそれって教えてもらうことじゃなくて考えないといけないことだからな。難しいけど。

『古代王権の祭祀と神話』
レポート用。すごく面白かった!
古代祭祀から神話の原型を探り、神話と祭祀から古代王権の人民支配を論じる研究書でした。
古代の支配は全部宗教を媒介としていた、っていうのがすごく私にとっては魅力的な話でした。
あと、イザナギ・イザナミはもとは淡路島の固有の神だった、とか。古代に内乱があって王朝交代してて、それが神武東征でも書かれてる、とか。伊勢神宮の祭神は誰だ、とか。太陽神の話とか。
政治的に宗教をどう利用したか、というのは割と興味ある分野なので、読んでて楽しかったです。

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2014/02/07 (Fri) 日々の徒然 CM(0)

ルッルッルールルラファララララ

いつの間にか、12月が終わろうとしててびっくりです。
一応近況報告。
8日に合唱団の演奏会があって、それまでは練習ずっとしてて、そこで引退になりました。タイトルは女声で歌った曲の歌詞の一部です。小鳥の鳴き声です。ダールの短編ぽい歌だと思うのです。アポリネールの小鳥が歌うという詩をもとにした歌なんですが。戦争がテーマで、狂気を感じる。好きな歌です。無我夢中だったけど、本番で一番うまく歌えました。自分にとっては最後のステージだったけど心残りはないのでよかった。
それからは反動のように遊んで、ゼミとかの打ち上げに参加して毎日のように飲んで、授業によってはもう終わったりして、テストとかもあって、そんな感じですごしてました。
就活?したくないです。しないといけないはずなんですけど。まだ将来を確定させたくないとか甘えたことを考えてしまう。だって、今ならまだ私は何にでもなれる可能性があるのに、具体的に就職活動始めてしまったら自ら選択肢狭めてしまうみたいで。モラトリアム延長したい。

読んだ本
『凶笑面』
民俗学と本格ミステリ?を組み合わせた話。
民俗学的部分の内容は面白いし、興味深いんだけど、なんかもやっとする。『花の下にて春死なむ』でも思ったけど、文体が少し苦手なのかも。
民俗学的話も、ある特定の地域に伝わる習俗や儀式や宗教ならともかく、最後2話みたいに歴史に関わる話されると、全力で否定したくなる。作中でも否定されてはいましたけど。
あと、蓮杖那智が美人だとかできる研究者だとか賛辞されてるけど、魅力があまり伝わってこない。三国くんが那智先生好きなのは分かるけど、読んでる側にはそこまで魅力的に感じられず、それなのに美辞麗句で表現されててもやっとした。

『虚無への供物』
奇書って初めて読みました。
読んでる間、『天帝のはしたなき果実』が思い出されて少し残念な気分になった。書かれた順番逆なのに、読んだ順番のせいで主客転倒してしまっている気がして。
それはともかく。
厚さの割にすごく綺麗で読みやすい文章で、道具立ても薔薇とか館の装飾とかすごく好みで、とりあえず文章を追うのが楽しかった。目次のページとか、章題見てるだけでときめきました。
ただ、すごく雰囲気があって怪しげな謎が、捜査された途端、味気ない現実になってしまうのが残念だった。そう思うのも罪なのかもしれないけど。
途中の推理合戦のシーンでは、作中の彼らにとって死はフィクションじゃないはずなのに、ノックスの十戒だのヴァン・ダインの二十則だの持ち出してきてたのがすごく違和感あった。その後も推理したがる久生の言動とかにいらっときてたんだけど、それが最後の主張で効いてきていて、うまい構造になっているなと思いました。殊更にミステリっぽいことしてるのもそういう意図だろうと思う。
実際にあった事件を挙げてきたり、当時の世相書いてたりするのも、その主張の持つ効果を高めてるのではないかと。だって、読んでるとき自分のことかとびくっとするだろうし。実際に彼のように「犯人」となった人間がいたのではないかと思われる。
あそこで告発されてたのは当時を生き人々だけど、今日でもあの告発は意味を失わないどころか、むしろもっとそういう社会になっている気がしてならない。Twitterとか2chとかの感じとか。蒼司さんもっと言ってやって。
アンチミステリとか言われてるし、本人もそうあとがきで書いてたけど、私はむしろそういう意味で社会派的なものだと思ったのです。社会派というか、社会のあり方について何らかの主張をしている小説。アンチミステリとか分からないですし。
ところで、某青司と紅次郎の兄弟は氷沼家の二人が名前の元ネタらしいんですが、玄児さんも鴻巣玄次が元ネタなんですかね。こっちでは鴻巣氏は紅司の恋人?ですが。……別にあちらでは青司さんの恋人、とかは言いませんが。

『天冥の標Ⅶ 新世界ハーブC』
久しぶりの新刊で、前どうなってたかすっかり忘れてしまってたところに、前巻のすぐ後くらいから始まってちょっとびっくりした。前巻の後からハーブCの世界ができるまでの話でした。Ⅰで感じた謎(この世界は何なのか、とか)は解明されたかな。まだ謎は残ってるし、新たに提示されたものもありますが。
今回は中盤辺り読み進めるのがすごくつらかった。だいたい4分の1くらいまで読み進めた辺りで、これがどうにかなってメニーメニーシープになるんだろうと予想されてしまって。そのどうにかなっての部分も悪い展開ばかりで、視点人物であるアイン含めてスカウトも雰囲気悪かったし、一部分読まなくても物語全体には影響なさそうだったので、読まなくてはならないことがつらかった。今まではどんなに悲惨な展開になっても、希望を持てたし、物語全体とどう関わるかというのが気になって読み進められたんだけど。今回はこれでメニーメニーシープできてもⅠで崩壊しつつあるの分かってたから、絶望しかない感じでした。とにかくつらかった。
サンドラが政権とってからようやくひと息つけました。
アインの三角関係というか女性二人の対立に巻き込まれて利用されてるのも、読んでてきつかった。恋愛関係そのものに感情移入してしまって。色恋と政治絡むと大変だね。トライアングラーの歌詞っぽい。味方だけど愛してないとか、守るけど側にいれないとか。そんな感じ。誤解とけてよかったね、って本気で思ったもん。
あと、ハーブCの建国神話が興味深かったです。彼女たちがどうしてそんな騙りをしたのか、が。そういうの好き。
提示された謎について自分で考えてみたのだけど。
セレスの地表が新たな救世群の居留地になっているのではないか、と。カルミアンの船かドロテア・ワットか何かがくっついて、牽引されたことによって地震が起きて重力が生まれたのではないかと。ノイジーラントも確か二つの星がくっついて回ることによって重力生み出してたし。で、電力の供給地もその辺ではないかと。だから地下から、というか反対側の地表から現れたんじゃないかな。それで、メニーメニーシープの存在がバレてしまって、1巻の戦いに至ったのかと。さすがにそんなに単純じゃないかな。
というか、もしかして、1巻での戦いって再び人類の存続をかけた戦い?でも地球からの二人組が来てたから、三百年経って復興してるのかしら。やっぱり疑問残る。
なにはともあれ、8巻が楽しみです。次からはたぶん29世紀のメニーメニーシープでの話の続きでしょうし。

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2013/12/26 (Thu) 日々の徒然 CM(0)

てのひらの銀貨に リラのかおりする 罪を語る

気が付けばもう3月ですね。時の流れが速い。そう実感すると年をとったような気がします。ほら、年齢が高くなるにつれて時間の進みが速く感じるとかいう。
まあ実際、前回のブログ更新の時からは年とったんですけど。誕生日があったので。ついに20歳ですよ。合法的にお酒が飲めますよ。それで先日、「夜は短し~」に出てきたバーのモデルのところの別の支店に行って、グラスホッパー飲んできました。おいしかったです。チョコミント味。安藤兄弟のことを考えてにやにやしました。
あ、だから今回の記事タイトルこれなんですけど。こいぬよわらえなんにもないはたち。合唱でよく歌う曲なんですが。
記事タイトルといえば前回の、つながり間違えてたんですけどもう直すのも今更ですしあのままで行きます。あの歌好きだし。ベストアルバム発売がもうすぐなのが楽しみでたまらないが、当日合宿で広島行っているので手に入れられるだろうか……。向こうで買えばいいんでしょうけどね。

えっと読んだ本。かなりたまってます。そして多くなると携帯で打つのが面倒で放っておいてさらにたまっていくという悪循環。
『ドリトル先生航海記』
白人の知識人であるドリトル先生が「未開」のインディアンたちに文化を伝え、彼らの暮らしを文明的にする、という話がいかにもヴィクトリア朝を舞台にした物語だなと思いました。なんていうか、批判されたのもさもありなんというか。いや、批判を肯定するわけじゃないんですけどここで言われたのだろうというのが予想つく。物語に対して、子供の教育に悪いとか差別的だと批判するのは間違ってると思います。そういうのは周りの大人がただせばいいことだと思うの。
全巻と同じような博物学?の話だけでなく、裁判の話や航海記、あと上記のようなイデオロギー的物語と、大変盛りだくさんな内容でした。透明な貝の中に入って海底を探検するというのは夢があっていいなと思う。
ドリトル先生相変わらずチート。
そして、この本の「はじめに」で、前作と今作が作中人物のトミーが書いたものとされているのが、この話が本当らしく思えて好きです。実際、19世紀~20世紀?のイギリスにドリトル先生なる人物がいて冒険してたんじゃないか、って。たぶん対象読者の子供ならなおさらそういう想像がふくらむと思うのでいいな、と。

『長くつ下のピッピ』
昔、ピッピの実写版のビデオを見たことはあったのですが、読むのは実は初めてでした。実写は原作の何エピソードかをふくらませた感じで、わりと楽しんで見た記憶がありました。それに、読んでて映像の記憶がよみがえってきて。10年くらい前なのに案外覚えているものだなぁと思いました。
今回小説版読んで、まず思ったのが料理がおいしそうということ。パンケーキとか、クッキーとか、遠足のお弁当とか! 食べたい。おいしそうだし、作り方も楽しい。
ただ、どうしてもピッピに対してイライラしてしまうのですよね……。すごい子だと思うし、一人で好きなように暮らせるのはいいんだけど、彼女がするうその話とか、会話が成立しないのだとかが読んでてイライラする。自分が大人になってしまって、ピッピのような童心を置いてきてしまったからなんのだろうか。どちらかというと、単に自分の性格の問題なんでしょうが。

『竜の騎士』
『どろぼうの神さま』の人。どろぼうの神さまはすごく好きだったから、期待して読んだのだけれど、なんだかラノベっぽいという印象。おもしろいし、読みやすいけど、薄っぺらい。
新しい故郷となるべき場所を探すために竜とコボルトと人間の少年が冒険する話。ホムンクルスとかサラマンダーとかジンとか、ファンタジー世界によくいる生き物たちがたくさん出てきてる。まぁよくありそうな話だと思うんですよ。ただひとつ珍しいなと思うのは、その舞台がファンタージエンとかナルニア国とかそういった異界ではなく、現代の地球であるということ。スコットランドの奥地を出発した竜が、ドイツを経由して、エジプトに寄って、チベットの奥地にある竜の住処に行くといった風に。ファンタジーによくあるように、巻頭に地図つけてほしかったな。ネズミが作ったっていう体で、世界地図を。でもそうすると実在する場所だから人間が行きかねなくて問題かな。だって作中の竜たちは人間を避けて旅立つわけだし、整合性が……。
ただ、現代の地球を舞台にした理由がよくわからなくて。人間が開発して他の生き物たちの住処を奪っていくことへの警鐘? それとも、現実に近い感じを出すため?
さもないと、ただ単に自分のファンタジー世界を構築できなかっただけに感じられる。
なんとなく全体的に、既存のものを利用した感があって。作者自身が作り上げきれていない感じがしてしまいました。
まず、「伝説の生き物」という言葉を彼ら自身が自称するのがあまり好きではない。だって、伝説にするのは人間なのに、人間を嫌って避けている彼らがそういう風に人間の介在する言い方をするのに違和感がある。彼らは人間が伝説にする前から生き続けてきたはずだから。だからといって言葉のよい代替案は思いつかないのだけれど。幻想生物とか? あるいは常世に近い生き物とか。
あと、「竜の騎士」が何なのかよくわからないまま竜の騎士についての物語が語られて、なんで誰も突っ込まないの、って思う。もしかしたら騎士っていうのは単に「竜に乗る人」というくらいの意味かもしれないけど。ドラゴナイトではなく、ドラゴンライダー。その辺は訳の問題もあるかもですが。
シュヴェーフェルフェルとかも、なんていうかすごく「キャラ」っぽいしなぁ。
……どろぼうの神さまは好きだったんだけどなあ。あれも今読むと薄く感じてしまうのかしら。だとしたら嫌だな。

『火刑法廷』
すごくおもしろかった!
「わたしたちがいま魔法に支配されている世界にいるのか、常識に支配された世界にいるのか、どうもわかりません」という登場人物の言葉の通り、現実と幻想が入り混じり、超自然的なものによる殺人と思わせられてしまう。その雰囲気づくりはすごくうまくて、どういうことか気になって、読み進めてしまう。合理的解決ができるのかもしれない、でも魔術的なものでもそれはそれでおもしろい気がする、と読み始めてから読み終えるまでずっと思っていられて、それはすごい構成だなと。それについてのエピローグの効果! あのエピローグ本当にやばい。すごい。興奮する。
個人的には怪奇推し。だって犯人出てきたとき若干萎えた。そんな陳腐なの?って。
もうね、怪奇的雰囲気がすごく好みでした。不死の人間。魔女裁判。黒ミサ。毒薬。砒素。
捜査パートは、捜査が前進してるのか停滞してるのかよくわからないけどよくわからないままテンポよく話が進んで、死体が消えるわ、幽霊が出るわ、電報が来るわ、次々に事件が起きて読み進められて、どうなるのかと思ったら思わぬ人物が探偵として現れて。テンポいいよなぁ、やっぱり。途中でだれないもん。
捜査して真実を暴きたいのか、隠蔽しておきたいのか、どっちなんだろうと思ってたけど、そういう些細な疑問も物語の展開に翻弄されてうやむやになってしまう。うまい。

『ぼくのメジャースプーン』
『名前探しの放課後』
オビミスのため再読。
メジャースプーンを読んだ直後に名前探し読むと、つながりがわかりやすくて楽しい。
メジャースプーンは途中の秋先生との問答が少し冗長に感じられてしまう。
結末がどうなるか知っていて読むと、これが伏線なのか、と思って読めるから楽しい。
名前探しは、結末知っていたのに読み終えたときに目頭が熱くなってしまった。辻村深月の書く恋愛は純粋で少女マンガっぽくときめいて好きです。

『紳士と月夜の晒し台』
秋ごろに先輩と後輩から勧められていたのをようやく読めました。
会話が軽妙でユーモアがあって読みやすかったです。
登場人物が変人だらけだけど、あまり変だと思わなかったというか、誰かが犯人だとしたら、という仮定をして議論するのはべつにするんじゃないかなって。妹にはわりと好感もてました。
ラストが事件の解決とともに大団円になって、若干性急すぎる気もしたのですがまあいいハッピーエンドだったなと。いや、そこがくっつくの、って。フラグ立ってからくっつくまでが早すぎた。
でもジャイルズイケメン。

『逆回りのお散歩』
正直、あまり好きではなかったです。
だって『となり町戦争』って三崎亜記の中では一番有名だけど、一番おもしろくないと思うんですよ。少なくとも私は。三崎亜記は短編向きの人だと思うし、妙な主張とかいれないほうがいいと思うの。
で、それと同系統の話であるこれも微妙でした。最近の風潮である、ネット炎上やステマとかの話があって、それに関しては実際にネット上の過激派っぽい人たちの発言見たときと同じような気持ちになったから、ある意味成功しているのではないかと思うけど。そこまですることなの、って思うよね。陰謀論好きですね、とか。
三崎亜記自身が主張しているというよりはそういうのを皮肉っている、風刺しているっていうほうが近いのかもしれないです。
この本のテーマだった、なかったことにされた反対運動って、三崎亜記自身twitter上で何回か言ってたなあと思い出す。そもそもtwitterやってたのも、これを書くためだったんじゃないかと邪推してみたり。そういうこと呟いてた時に執筆してたのかしら。
あと同時収録のがとなり町戦争の前日譚で、香西さんが戦争の研修を受ける話でした。香西さんの知られざる素顔がわかる、けど、彼女についてあまり記憶がなかったのであれ。弟が切なかった。
結局、戦争とはなんなのか。

『三つの棺』
火刑法廷よりは数段落ちるかな、という感じ。
これも怪奇的な雰囲気を出していて、よみがえった死者か、吸血鬼か、っていう感じではあるんだけど、結局人間の仕業ということに帰着してしまっていて残念。
事件が起きた状況の謎だとか、おどろおどろしい絵とかはすごくわくわくするんだけどオチがちょっと残念。
なんか翼ある闇のあれ思い出した。あっちのが不可能っぽいけどさぁ。

『スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ』
おもしろかったです。
白雪姫の物語がうまく構成に練りこまれているのが良い。
前作では、自分が悪徳探偵があまり好きではなかったために読後感があまりよくはなかったのだけれども、今回はむしろ痛快でした。鏡の使い方とか斬新ですごい、って思えた。視点人物が「三途川すごい」って言ってたからかも。
童話部分がすごくそれっぽくて好き。
あと、装丁が素敵。

『恋のドレスと白のカーテン』
ハッピーエンドでよかったです。きゅんきゅんする。
短編集でその後の話とかないかしら。
愛するということは、大切にするということ、というのがいいなと思いました。

『白い服の男』
時の渦のオチが好きです。繰り返す時は何を表しているのかわかるあのラスト一行が素晴らしい。
白い服の男だとか、老人と孫だとかに対しては、読んで思う「間違ってる」っていう感覚が正しいのかなと思いました。

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2013/03/01 (Fri) 日々の徒然 CM(0)