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2024/05/08 (Wed)

「純黒の悪夢」

早速、見てきました。
最近のコナンの映画の中では、一番よかったかもしれない。
……って、これ去年も言ってたような気がするのですが。
でも、改めて思うと、去年の映画はキャラ萌えだけで、実際は微妙な部分が多かったな、と。キッドはかっこよかったけど。
今回のは、突っ込みどころはそりゃもうたくさんあったのだけれども、イラッとすることはあまりなくて。とても良かった。

熱く滾っているうちに感想を書いていきます。
ネタバレあります。

アクションがとてもよかったです。
推理とか殺人事件とか特になく、スパイアクションだった……。
だから、説明されてないところとかあるし、その辺は若干もやっとするのだけれども。尺足りなかったのかな。
でも、近年の映画のように、しょぼい謎やつまらない推理や、ありきたりの犯人の独白と説得なんかでお茶を濁すよりは、いっそこんな風に振り切ってしまった方がよいのかもしれない。
とはいえ、(アニメはともかく)一応推理ものの作品と認識しているので、毎年こういうのが続くと寂しいなとは思うのですが。
以前知人と話していたことがあるのだけれども、コナンは長く続きすぎて、キャラクタも増えてたくさんの要素があって、最近の映画はそれを欲張りすぎているのだから微妙だったのかもしれない。今回の映画は潔いまでに物語やキャラクタを絞っていて、それが功を奏したのかなと思いました。
あとアクションも、コナン・蘭以外に動ける人がいたからその辺がチートになりすぎず派手にできたし、おもしろくなったんだろうな。

まぁ、コナンである必要は薄めではあったんだけれども、組織の話をわりと最近判明したところまで入れてきていたので、ゲストキャラメインとはいえコナンの世界観の話ではあったし。
ある程度は、櫻井さん脚本だからしょうがないんだろうなあという感じだけれども、前2作(絶海と向日葵)よりはちゃんと「コナン」だったと私は思う。

あと、私はその道のプロフェッショナルの人たちが互いに最善を尽くして何か共通のことを成し遂げたり、対立して鎬を削ったりする物語が好きなのですが、特に映画後半はその“プロ感”が強くてとてもよかったです。 

ところで、タイトルからまじ快のナイトメア氏連想してたんですが全く関係なかったですね。脳に何かあるくらい?

詳しくは続きから。
ネタバレがっつりしてます。


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つづきはこちら

物語(というか演出?)の焦点を絞ったというのは、前述したように推理ではなくアクション映画になっていた、ということですが、次はキャラクタについて。
個人的な見解かもしれないんですが、
今回のヒロイン、(蘭ではなく)灰原でしたよね?
確かに蘭も出ていました。けれど、出ていた時間も少なかったし、活躍もあまりなく現場にいただけ。驚異的なアクション能力を発揮することもなければ、敵に囚われたり爆発に巻き込まれたりすることもなかった。あの現場にいただけでも十分ピンチだっただろうとは思いますが。ただ、ヒーロー=コナンの意識としては、彼女がそこにいることを知らなかった。彼女を助けるために行動を起こしたのではなく、個人的に大切な人ではなく「危険な目に遭いそうなたくさんの一般人」を助けるために頑張った話でした。いや、もちろん探偵団の面々が一番危険にさらされていたし、それを助けたいという思いは強かったと思うのですが。
最近の蘭は(精神的・身体的な)強さがインフレしすぎていたから、これくらいでいいかなと思う。

あと女性主人公という意味ではゲストキャラであるところのキュラソーなのですが、キーパーソンではあるけれどもゲストキャラなので当然というかなんというか……。ゲストキャラの癖に思った以上に出張ってくるな、と思いました。探偵団との交流も、その結果としての最期もとても良かったです。あとゲスト声優の質ってやっぱり大事だな、って。

さて、灰原です。
今回彼女は、キュラソーが組織の人間なのではないかということに気づき、大切な友人たちを危険に遭わせまいとしていました。そのために事件に深入りしようとするコナンを止めようとするのですが、コナンの「(自分の運命から)逃げたくない」という台詞に心動かされて、追跡眼鏡をかけて追ってきて、探偵団の3人を助けようとする……。
レギュラーの女性キャラクタの中で、一番頑張っていたと思うんですよね。
そして、組織から逃げてきて、組織を恐れている彼女が、行動をとるまでの葛藤とかを想像すると、胸が熱くなります。ピスコの事件を思い出した。眼鏡かけてたし。
なんていうか、彼女は「灰原哀」としての第二の人生が、とても大切なんだろうなって。昔から情に厚い人というか、お姉ちゃんとか大切な人をすごく大切にする人だったのだろうとは思うのですが、コナンがそこに逃げない勇気を与えたというのがとても好きです。
組織の話になったときに、コナンと一緒に戦えるのは灰原なんだよね。蘭は強いけど、新一にとってはあくまで守りたい人なので、危険なことからは遠ざけたいから。


次は“プロ感”について。
これは完全に近年の映画に対する消化不良な点だったんですね。
コナンはヒーローだし、映画では特に超人的な能力を持ってしまうので、かっこよくてナンボだと思うんですよ。でも、周りにいる少年探偵団や蘭が出張ってきて犯人を説得したり制圧したりするのは、やりすぎだと思う。彼らはあくまで「ヒーロー」ではなく、一般人なんです。プロの舞台に素人が突然やってきて、踊り始めるみたいな。確かに頑張っているけれども、私が見たいのは技術と自負に裏打ちされたプロの技なんだ、みたいな。
名探偵対名犯人という意味でも、最近は若干犯人側が力不足だったというか、コナンがチートすぎたというか……。もっと、美学を持っていた初期犯人みたいな人が見たかった。気に入らない自分の建築物を爆破する建築家や、プライドを持っていた仕事を馬鹿にされ能力を奪われて逆切れするソムリエみたいな人が。

で、今回ですが。犯人、いないんですよね。
殺人事件とかは特に起こっていないので。
「敵役」は黒の組織です。ジンとウォッカとキャンティとコルン。あとベルモット。原作でも最大の敵だし、相手にとって不足無しという感じでしょうか。「プロ」の殺し屋(?)ですし。

一方の味方もプロでした。
FBIの赤井秀一と、公安の安室透。
過去の経緯からくる個人的な怨恨とか敵対意識とかあるのかもしれないけど、共通の敵である組織に対して、コナンを含めて3人がそれぞれのベストを尽くそうとするのがとても格好良かったです。プロフェッショナルの大人って格好いい。
89巻読んだ時点では、二人の間に過去何があったか明確ではないし(スコッチの死に関係あるのだろう、くらいしか)、観覧車の上で殴り合うのはさすがに場所と場合を考えろよ、ってなりましたが。この二人が顔合わせたの来葉峠でのしか知らないので、そこまで険悪だったのか謎なんですよ。組織にいた頃、スコッチの生前は3人で組んでいたみたいですし。
アニメ派の人はもっと謎だったのではなかろうか。もう少しそこは説明がほしかったけど本筋に絡みそうだし難しいのだろうな。
あと単純に萌えたよね。CP的な意味で。男性同士が強い感情をぶつけるのはそれはたとえ性行為がなくてもBLだと思う。というわけであの殴り合いからの協力はとても良かった。拘束されていたときに助けたのも。でもなんであんな場所で殴り合い~(略

ところで、安室が松田刑事の名前を出してて、「え!?」ってなりました。
観覧車、爆弾というキーワードで脳裏に若干浮かんでいたけど、そこ繋がるのか―。警察学校の同期って言ってましたっけ?
枝葉末節ではあるのだろうけど、映画で新情報出てくるのはほぼ期待していなかったので。
ただ、映画館で隣に座ってた女の子たちが「あの人誰?」みたいな反応で、そりゃそうだよなと思いました。
欲を言えば、彼の名前出して観覧車で事故起こすなら、佐藤刑事の反応見たかった。EDとか画面端とかで何かあったのかなー。なくても胸中想像すると楽しいですね。

プロといえば、警察庁の公安と、警視庁のおなじみの面々の間での、縄張り争いというかも警察ものっぽくて楽しかったです。警察小説によくあるやつだ、って。最近ドラマ作家アリスで見たぞ、って気もした。

少年探偵団について。
今回、事件というか組織との対決にはほぼ出てきませんでした。それは「プロの領域」だからだし、コナンと灰原が彼らを危険から遠ざけようとしていたのだから当然なんだけれども。
でも、彼らの働きが物語を動かしたし、結果的に彼ら自身を含む多くの人を救った。最初は何余計なことしてんだと思ったけど(笑)
ベタだけれども、無邪気な子供たちとの交流が彼女にあたたかい思い出を残して、それが大きな選択に至らしめたのと、コナンが風見さんに言った台詞がそれを象徴していてとても良かった。
病院でキュラソーと遊んでいたのがオセロだったのは、伏線というか象徴的なあれだったんだよね。黒の彼女が、子どもたちを介して白になる。イルカのストラップも。
それはそれとして、小学生でコネを覚えてしまうのはさすがにどうかと思うよ。

キュラソーの能力。
結局説明されず、御想像にお任せくださいって感じで、どうなの?って思いました。
視覚記憶なのかな。ルヴォワールシリーズの達也みたいな。で、色の重なりと紐付けてインプット・アウトプットできる感じ?……って想像はつくけど、そういうのあるのだろうか。
あとあの身体能力は別にそことは関係なかったんやね……。記憶失ってても動けたもんね。
キュラソーが灰原を助けたシーン、新一がベルモットを助けたときの台詞と重なりました。ゴールデンアップルのときの。「人が人を助けるのに、論理的思考は必要ない」

ラムの声初めて聴いたけど、キャスト名は載ってなかったですね。たぶん加工してあったし。一体誰なんだろう。男性ではありそうだったけれども。


基本的にはとても楽しい映画だったんですが、ツッコミどころや不満はやっぱりあった。
・そもそも。組織派手に動きすぎじゃない?
 89巻で灰原言ってたよね?「何事もなかったかのように立ち去るのが彼らのやり方」って。
 最初のカーチェイスからしてかっこよかったけど、被害甚大すぎるし。スタウトとアクアビット?殺したのも公衆の面前すぎる。事故に見せかけようもない状況でしたし。観覧車をヘリで爆撃もやりすぎでしょう。「彼ら」らしくもない。今までの映画でも、他の犯人が起こした事件や事故に便乗して人を殺していたような気がします。
 それとも、存在を明かしてもよい理由ができたのかもしれない。作中で言及されていたように「戦争でもおっぱじめる」とか。それにしても
 派手なアクションは必要なのかもしれないけれども、「映画だからしかたない」を物語の整合性がとれない理由にはしたくないし、してほしくないです。
・サッカーボール花火、すごく最近のコナン映画で見た記憶があります。しかもシチュエーションも、赤井さんが狙撃するのを照らすためだし。二番煎じ感というか使いまわし感というか。
・風見さんちょっとアホじゃない? 観覧車の中での雑魚っぷりがすごい。彼も公安のはずなのに、“プロ感”が足りない。
・水族館の運営や働いている人たち、かわいそうに……。オープンしたばかりであんなことになってしまって。
・全体的に説明不足感はあった。初見とか、最近の組織関連の物語の流れをしらないと何これ?ってなるかもしれない。そういう意味では、たくさんの人に受ける映画ではないかもしれない。
けど、私は燃えたし萌えたので、細かいところの確認とかでまた見たいかなぁ。
・謎解きが全くないのはやっぱり、物足りなさはある。この映画はすごくまとまっていて、よかったのだけれども。キュラソーまわりの説明足りないし。

来年は平次が出てくるらしいですね!
しのぶれど、と言っていたのは百人一首かな?「色に出でりけりわが恋は」?
関西を舞台にした歴史/古典ミステリなら私はとても楽しみですが。しかしそれこそコナンである必要性が……
「忍ぶ恋」してる人特にいないよな、と思うのですが。強いていえばコ哀?あと苗子ちゃん……は忍んではいないか、別に。

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2016/04/17 (Sun) 感想 CM(0)

『業火の向日葵』

キッド主演の映画なので、早速見てきました。
ここ数年では一番楽しかったと思う。具体的には難破船以来ですね(ルパコナは除く)
見ている間あまりだれないし、キャラクターとかの違和感が少ない、という意味で。(キッドの行動とか違和感はあったけど、うまくそこがワイダニットになってる感じ)
最近の映画はアクションに偏りすぎてた気がするので、その成分が少なめになっていたのがよかったかな。
「あれは本当に怪盗キッドなのか」「だとしたら何故そんなことをするのか」という謎で物語を引っ張ってった部分があるのだけれども、だからといって途中で推理が挟まれるわけでもなく、ただわけがわからない状態が続くのでそれはフラストレーションだった。
あと、レギュラーキャラを絞ってたのもわりと良かったのかも。
でも私はキッド好きなので、どんなに微妙な映画でもそれだけで点数がプラスされてしまう……。今回のキッドがかっこいいか、というと微妙だし、まじ快的なノリとかでもないんだけど……。今までの映画で一番かっこよかったキッドは難破船でコナンを助けに飛んだところだと思ってます。あと、世紀末のラストの新一になって出てきたところとか。鎮魂歌とか。

とりあえずネタバレあるのでつづきから。

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つづきはこちら

・ゲスト声優の棒読みつらい……
・と思っていたら犯人で、そんな、あからさますぎるだろと思った。解決シーンで頭をよぎる11人目のストライカー。
・というか、解決シーン微妙だった。遠隔だし、犯人の動機も意味分からないし。全体的にあんまり推理してない感じ。伏線も全然ないし。
・探偵対怪盗で、真犯人がいて、それに対して共闘しつつ互いに牽制しつつというのだとルパコナが良すぎたんだと思う。なんとなくの二番煎じ感。でもキッドかっこいい。
・犯人の動機も行動もちぐはぐすぎて、わりとコナン劇場版の犯人は動機がひどいみたいな話あるけど、それでも今までは物語の中で説得力あったと思うんですよ。自分にプライド持ちすぎてた初期犯人とか、あと復讐とか金目当てとかでも、納得させられてしまったし。今回のみたいに何かを愛しすぎてしまったとかでも、カウントダウンとかは、狂気的な愛でもそういうものとして理解できたんだけれども……伏線もなかったし演技ひどいしで、犯人に対して何一つプラスの要素がない。
・七人のサムライの素行とか変装とかチェックしとけよと何度思ったことか……。
・キッド側の動機はわりと好きでした。ジイちゃんにそんな過去が……。ジイちゃんの頼みなら仕方ないよね。
・今回、キッドはライバルというより敵役みたいに見えて、あまりかっこよく盗むとかでもなかった。むしろ少し怖かった。
・でもとにかく、あの火事のシーンで新一(に化けたキッド)とコナンがいて、蘭がそこにきて……っていうところがすごく楽しかった。
・っていうか蘭の使い方www
・その3人がいて、っていう状況はとても楽しかったけど、でも快新的に蘭邪魔ってちょっとだけ思ってしまった。
・互いの能力を認め合って信頼し合っている二人が好きです。
・でも今回はコナンにあまりいいシーンなかった気がする。解決シーンも遠隔だし、キッドの手の平で踊ってるだけで、推理も行動も一歩遅れてる感じ。
・最近の映画コナンさんチートにすぎるからまあいいのだけれども、もっとかっこいい二人の勝負・協力を見たかったですね。
・花火ボール再登場が楽しかった。
・今回の発明品は伏線でも何でもなかったのね……。
・ダジャレクイズも単純すぎるし、今回博士良いとこなしですね。
・向日葵の花言葉と灰原を組み合わせてもってくるのはずるいな、と思いました。とてもいい。
・しかし、ウメノさんはあからさまに関係者なのに推理とか全く関係なくいたんだね。
・主題歌良かった!ポルノ!

・来年の映画は組織関係らしいですが、それまでにどれくらいのことが明らかになってるんだろう。
・おもしろかったけど若干もやもやしたものがあるので、難破船また見たい。

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2015/04/18 (Sat) 感想 CM(0)

『書楼弔堂 破暁』

読みました。京極新刊。鵺じゃないのか、という恨み言はさておき。

明治20年代の古本屋に、悩める文化人が来て、本を勧めてもらうことで昇華される話かな。巷説と百鬼夜行とリンクしてました。
発売直後ですし、ネタばれになる部分についても語りたいので詳しくは続きから。

あ、そういえばすごく今更ですが、アンドロイド用のブログアプリ入れたんでまたちょくちょくブログ更新するつもりです。今更見てる人いないでしょうが、感想用に。言語化頑張る。

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つづきはこちら

ええと、まず。
実在の人物がたくさん出てくる、しかも作中の古本屋に行ったためにその後の功績があった、みたいなのはずるい。
近代クラスタでもなく、文学苦手な私でも知ってる人達ばかりで……。とりあえず、畠芋之助もとい泉鏡花は読んでみたいですね。
あとあれ。以蔵生きてるとかないわー。ずるいわー。
実際にいた人を、どんな人物像にするかってわりと難しいというか、様々になると思うのですが、これに出てくる明治の人達はすごくそれっぽくて、京極さんすごいなーってなりました。
虚実織り交ぜた(弔堂の言うには本になったら全部虚らしいですが)時代ものは好きなのですが、泉鏡花の小説とか、円了先生の妖怪学とか、巌谷小波の児童文学とかが、この小説に出てくる弔堂での経験によって為されたというのがうまい。後世の知識で書いてるから途中で何とでもできるのだろうし、各編の最後にもあるように結局は何故そういうことをしたのか誰も知らないわけだけど、本当にそうなのかもしれないと思わせられるのは読んでいて楽しいです。
京極さんは背景とか言葉遣いまでしっかりとその時代らしさがあるから、それっぽくなるのがいいですね。勉強になる。

あと不思議巡査!
時代的に巷説の人とか出てくるかなと読む前に知人と話していたのですが、実際出てくると感慨深いです。
妖怪を出すことによって揉め事など解決させていた人達の話を聞いて、それによって功績を立てた人が、妖怪を使ってそれを否定することで蒙を啓こうとした人に師事してるのはおもしろいな、と。
というか円了先生の話で何言ってるのか若干分からなくなったんですけど、そういえばこの時代、妖怪はお化けじゃなかったんですね。円了先生が弔堂の話を聞いた結果、お化けは妖怪になったのか。なかなかおもしろい。
弔堂は未来人なんじゃないかと思った。未来人というか現代人?

作品間リンクといえば、最終話。武蔵晴明社宮司の中禅寺さん出てきましたね。京極堂のお祖父さんかな? その息子がキリスト教神父になったというのがおもしろいですね。曽祖父が咒師で祖父が神職で父が神父で京極堂が憑き物落としというのが、一周まわった感じがする。それぞれ違う立場であってもやってることは同じだったんじゃないかと、洲斎さんの話読んでて思いました。

前情報の段階で、京極堂の祖父が出てくるらしいと中途半端に聞いてたせいで、最後の方まで弔堂がそうなんだと思ってた。古本屋だし。違ったので弔堂と、しほるが何者なのかが気になるところ。
弔堂のキャラクターは、すごく意識的に京極堂と対照的に描いてるんだろうと思われて、おもしろい。
白い着流しで、元僧侶で、慇懃な態度で、笑顔で。
白い着流しと元僧侶なのは、京極堂と対照的というのもだけど、又市と共通するところでもある気がする。確か白装束だったような。まさか……いや、時代的に合わないか。

弔堂の考え、本は墓場で一冊だけあればいいというのは素敵だなと思いました。私も人生を変えるようなそんな一冊に出会いたい。
本を薦めることが本にとっての供養であり、人にとっては救いになる。そして物語構造上は憑物落としなり、又市たちの仕掛けなり、そういった役割を果たす。
「この世に無駄な本はない。人が本を無駄にする」って、すごく本好きの台詞ですよね。「この世には不思議なことなど何もない」と対比させてるのかな。でもこの台詞は「御行奉為」みたいな決め台詞ではなく、その効果を持つのは「どのようなご本をご所望ですか」だろうと思う。そこから、救いに向けての話が始まるわけだし。
毎回同じ構造で、その台詞とか、最後のその後についての文章とか、テンプレート化してるのにマンネリにならないで今回は誰のどんな話だろうと思えるのは量と京極さんの筆力なんだろうな。量というか、連作短編だからかもだけど、今回薄いよね。
構成の話だと、最後に主人公の名前明かされるの、百器っぽいですね。無意味に伏せられてたけど、高遠彬って非実在明治人だよね?

とりあえず新シリーズらしいんで、続きが楽しみです。連載らしいし鵺よりは早く第二巻読めるんじゃないかしら。
次々と明治人出してく連作だから続けやすそうだし。榎木津子爵(先祖)とかも出ないかなー。

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2013/11/27 (Wed) 感想 CM(0)

「天冥の標」

ふと手に取ったらすごくおもしろくて、既刊全部読み終わってしまったので感想まとめておこうと思いまして。

ネタバレ等含みますので隠しておきます。

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つづきはこちら

まず、Ⅰ巻の冒頭がすごくうまいと思うんです。すっと物語の中に入りこんでいける。
Ⅱ以降は冒頭で、何って感じでちょっとつまってしまって立ち上がりが遅い印象ではあったんですけど、それでも前作とのつながり等気になって読み進めていってしまう。
だって、それぞれの巻の終わりが、え、ここで終わるの?って感じで。でもそれぞれ直接その後が書かれているわけではなくて、数十年後、数百年後の記述から類推する感じで、気になるけどもう書かれないんだろうなという気がする。もどかしい。
巻を進めるごとに誰かの先祖や子孫かもしれない人が出てきたり、同じキーワードがあったりするのが楽しいです。

アンチオックスの人たちが好きです。かっこいい!! ルッツゾーウィスタン!
アダムスかっこいいです。
Ⅰ巻ではドロテアの乗組員と言われているのがどういうことか、気になります。

プラクティスの人たちはなんていうか切ないですよね。
間違った方向に進んでいると、見ている側にはわかるのにそれを止められない。
チカヤも切なかったけど、でも彼女には児玉先生や青葉がいたのが救いになりえたんじゃないかな、と。
プラクティスにも、人間の友人ができたらよかったのにと思わずにはいられないです。イサリにとってのアインみたいな人がいてくれたらあそこまで歪むことはなかったのではないか、と。
ラバーズによっても癒されはしただろうけど、所詮ロボットだし。
セアキがカナコの子孫だと言ったら少し歩み寄りできたのではないか、と夢想してみたり。
Ⅵで、タックの子孫の大臣とプラクティスの提督が仲良くなるの、あれがもっとうまくいっていたらと思ってしまう。あの大臣さんいい人だったのに。
プラクティスの神話というか始祖言行録ですか、あれだってすごく歪められてしまっていて、もしミヒルとチカヤが会うことがあったら互いに違うと思うだけになりそう。

あとラゴスが好きです。
ラバーズが芸術的才能を持つようになるのはいつからなのだろう。
Ⅰのラバーズの中に、オーロラって子とゲルトールトって子がいるのは、アウラとゲルトを思って名付けたのだろうか。
ところでラゴスの愛人って似たようなタイプ多いですね……。ザリーチェ将軍といい、ミヒルといい、嗜虐趣味で地位の高い女性。エランカは違うけど。

Ⅵの戦いは、確かにプラクティス対非染者、特にロイズの戦いなんだけど、それ以上にミスチフ対カルミアンの戦いで、人間がその道具でしかなくなってしまってる感じがして切ない。
気になったのは、クラスト化したプラクティスの人たちが余暇には体を丸めて動かないだけになったって話で、それで連想したのがオムニフロラに侵略された星では文化が発展しなくなったってことで、なんていうか文化って人間のものなのかなぁ、と。
カルミアンはミスチフの敵だけどだからといって人類の味方というわけではないんだろうな、って。
異文化交流難しいですね。生殖云々のとかも。
ノルルスカインがもっと早く動いてカルミアンと手を組んでいたらミスチフを撃退できていたのではないだろうか。ノルルスカイン、負けが込んでるじゃないですか。
Ⅰはその被展開体の戦いにおいてはどういう位置づけだったのだろうか。

なんていうか全体的に人が死にすぎていて切ないです。

Ⅶは副題がハーブCだから、Ⅰの世界がどういうところなのか説明があるといいな。あと議会もまだ出てきてないような。アインのいたスカウト? 確かに、最初にハーブCに来たといわれてる人たちと同姓同名の人が何人かいたけれども。
ともかく、続きを読むのが楽しみです。

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2013/03/01 (Fri) 感想 CM(0)

『童話を失くした明時に』

読みました。
たいしたネタバレもしてないですが、発売直後なので追記に畳んでおきます。


どうせないと思いつつも期待せずにはいられない悲しい性なのでありますが、今回も当然いないわけですよ。ええ。
どうせ一回だけキャラならそれで諦めつくのにさ、なんか再登場しそうじゃないですか。ちょっと前に桐子さん出てきたし!
はやく会ってあげてください。会わなくてもいいです見たいです。いま何をしてるのかなータイムマシンって本当に冗談なのかなークラキと会いたいとは思ってるんだよね? と妄想が広がっていきます。
言波が好きです。

というわけで、感想はつづきからどうぞ。
あ、もちろん言波は再登場しませんでした。

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つづきはこちら

カバー折り返し部分の言葉が素敵。
今だから出会えた意味、かぁ……。

誰この人たち。
ってのが読み出して最初に思った感想です。
しかし今度のキャラ欝陶しいな。暑苦しい。探偵らしくっていう気負いとか迷信信じてたりとか、かわいいけど、好きにはなれないですね。
まさかレギュラーにならないよね。
今のところ、2部の新キャラで2回以上出てきたのは成田構造研究所の皆さんだけじゃない? 新キャラじゃない人も交じってはいるけど。
探偵といえば、つるちゃんはどうしてるのかな。弟とか友達とかはちらちら見え隠れしてるけど、音沙汰ないような。どっかに出てきてましたっけ?


深山木薬店住みたいわ。素敵な構造ですね。

新潟……というか、長岡の辺り?
秋さんが来るのか。
佐渡にそんな民話あったのか。県内でも海外だから別文化なんだよね。もともと越後と佐渡で違う管轄だったし。いやでもうちの住んでたところと秋さんたちが行ったところもちょっと離れてるからな。
『本場のイタリアン』に期待するリベに忠告したかった。君が想像してるようなおいしいものじゃないよと。まずくはないけど、イタリア料理想像してたら落差大きいよね。あのお店はフレンドかな。
座木さんたちが食べた、へぎそばは好きです。このお店は実在するかどうか知らないけど。ちなみに、小嶋屋がおいしいと思うよ。

座木さんのアルコールワードがひどいです。
いくら甘いもの好きでも、バニラビーンズたっぷりのアイスクリームにミルクチョコレートソースとメイプルシロップと練乳をかけて、粉砂糖と氷砂糖とグラニュー糖をまぶしたものは……いや、一周まわっておいしいかも。

『置いていかれるのは嫌』というリベザルが切ない。
経験あるから、言えるのだよね。辛いな。
っていうか秋さん成田構造研究所遊びに行ってんのか。リベ連れてってあげてよ。

解決するシーンに、見取り図と家系図がほしかったです。
なんか本格っぽいですが(笑)
正直、分かりにくかったので。立体を想像するの苦手です……。

最後のはつまり、座敷童子?

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2011/09/07 (Wed) 感想 TB() CM(0)