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妖怪と神話とミステリと甘いものが好き。腐った話とか平気でします。ネタバレに配慮できません。

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2024/05/19 (Sun)

「鏡 日記 ヘッドフォン」

My diary is dreaming of kissing you...

『らしい』かわいい歌で好きな部類に入ります。

日記でこれしか思い浮かばんかった。

最近頭がマクロスというかアルトというかゆうきゃん一色です。
今更だけど。

でも自分では書けないと思うんだよな。
いまいちキャラつかめてない。



文中で時計って変換しようとして戸契ってでてきた…。
黄泉戸契……?

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つづきはこちら

『ねこの日記にはおひるねの回数が書いてある』
部屋の隅に転がったままのヘッドフォンからはそんな歌声が流れてくる。
この部屋の持ち主はどこかに行ってしまって、今は私ひとりだ。
私の前でずいぶん長いこと悩んでいたようだから、きっと帰ってくるのも遅くなるだろう。
歌を聴く人間がいなくても、音楽はヘッドフォンから流れつづける。
ブランコも、時計も。宙も、ロケットも、カーテンも。
日記を書いているという。

だったら私も日記を書いてみようか。
私が日記を書くなら、そこには何を書くのだろう。

この部屋の住人である彼女が微笑みかけてくれたこと。
彼女と目が合った回数。
それとも、彼女が私に入ったときの……?

想像を膨らませるのは楽しかった。
私には彼女のことしか書く内容がない。
ここから見える以外の世界は知らない。
それでも、それを不幸だと思ったことはなかった。
私にとってはそれは当たり前のことで。
知りたいことは全部、彼女が教えてくれる。

あぁ、そうだ。
日記にはあのことを書こう。
私はそう決めた。


鏡の日記にはこっちを見てくれた彼女の姿が書いてある。

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2009/06/12 (Fri) 創作物 TB() CM(0)

「夢 眼鏡 廃墟」

こんなところで、止まったままの小説の補完を書いてみたり。
もとのを読まなくても全然大丈夫なようになっているはず。
これがきっかけで読んでくださったりしたらありがたいけれど。

一応は、
サイトのオリジナル部屋、長編置き場にある「輪廻転生10のお題」を借りて書いている話の過去話です。

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つづきはこちら

夢を見た。
玄夜が笑っていた。
その相手は翠月ではなかったけれど、紛れもなく自分だと思った。
矛盾していることでも夢だからあるのだろう。
そこは気にすることなく、ただ翠月は彼が笑いかけられるひとがいることに安堵した。

玄夜が家を出ていってから2日が経ってしまった。
毎日探しているけれどもまだ見つからない。
彼ももう子供ではないのだから、と自分を落ち着かせようとするけれども、そんな理屈で焦る気持ちを抑えられるほど翠月だって大人ではなかった。
実際のところ玄夜もどこか危なっかしいところがあって、たまに子供のように思えるときがある。
きっと彼は信じていない――信じることができないのだ。
翠月を、ではない。
ひとの信頼というものをだ。
翠月もこの三年間は独りで逃げつづけてきた。信じられる人は周りにはいなかった。けれどもその前は家族がいた。友人がいた。どちらも、翠月のせいで殺されてしまったけれど。
でも、玄夜は違う。
彼は最初からひとりだった。
あの男が――海藤がいたかもしれない。けれどそれは信頼ではなく利害によって結ばれた関係だった。

捜査の基本は現場百回、犯人は必ず犯行現場に戻ってくる。
ずっと前、まだ家族が生きていた頃に見た刑事ドラマの教えを思い出して、翠月は玄夜が落ちてきたあの路地裏に行った。
「……べつに、そんなに簡単に見つかるなんて思ってなかったけど」
やはりというか何というか、そこに探し人はいなかった。
辺りを見回して、石の裏まで調べてみても見つかったのは白い羽が数本だった。
朱と黒に汚れていて羽の白さが痛々しい。
どうしてかそんなことをしたか自分でも分からなかったけれど、翠月はそれを丁寧にポケットの中にいれた。

ついでにと近くにあったヒメルの拠点のひとつに行く。
ここのところ追われることはなくなったけれども不安要素は早めになくしておくべきだ。玄夜とのこれからのためにも。
名乗りもせずに部屋の扉を開けた。
何ごとかと此方を向いた人間たちにむかって艶然と微笑む。
「つかぬ事をお聞きしますが。此方に玄夜はいませんか?」
翠月の出した名前を聞いて組織の人々は額を寄せ合って相談し始めた。
待っているとひとりの男が歩み寄ってくる。
眼鏡が光を反射して眼が見えない。どこか怪しげだ。
「お久しぶりです」
挨拶する、この声は。
聞き覚えがある。
これは、翠月を監禁していた声だ。
「久しぶり。玄夜の居場所、あんたが知ってるの?」
「いいえ。私どもよりは貴方のほうが詳しいかと」
丁寧な口調の外側に、翠月を馬鹿にしているような響きを感じる。
「そう。だったらいいんだ。代わりに、玄夜のこと教えてくれる?」
「彼から直接聞いたほうがいいのではないですか?」
「だーかーら、今いないって言ってるだろ。『君は何も知らされてない』なんて言ったんだ。当然あんたは俺より詳しいんだよな」
「それは勿論。彼が生まれる前からの付き合いだからね」
「……まさか、あんたの子供だとかいわないよな」
この男はだいたい30歳くらいに見える。だったら……ありえないことでもないだろう。
「まさか。…まぁ、僕が親代わりみたいなものなんだけどね」
「だったらよく知ってるだろ。教えてくれよ」
「そうだね…。僕の前に跪いて、『教えてください』と言うのならいいよ」
「……変態だ」
吐き捨てるように言うと彼は声をたてて笑った。
「翠月、だったっけ?キミ、自分の立場分かってるの?此処はキミにとっていわば敵陣でしょう。そんなところに一人で来てその態度?」
「そっちこそ、分かってるんだろうな。…俺は玄夜ほど優しくないし、あんたたちに思い入れもないんだ」
「……なるほど、ね。さすがは『ヴァイス・トイフェル』と言ったところか」
「『ヴァイス・トイフェル』?なんだよそれ」
「君たちは本当にそっくりだね。魂の双子。『黒い天使』と『白い悪魔』。独りではいられない、一つの兵器」
「分かるように説明してくれない?」
「それも含めて、君に全て教えるよ。立ち話もなんだから此方へどうぞ」

勧められるまま椅子にかけ、彼の話を聞く。
念のため出された飲み物には口をつけなかった。
ヒメルの目的、玄夜の存在、翠月の理由、二人の繋がり。
彼が語ることはこれまでのことにすべて説明がつく。

すべての話を聞き終わると翠月は席を立ち、海藤に艶めいた微笑みを向けた。
こんなところもそっくりだ。
これから起こる事態も十分に予想できた。

「俺、言ったよね。『玄夜より優しくない』って」
だから存分に痛めつけてあげる。
そう宣戦布告して、翠月は殺戮をはじめた。

『天使』のためならどこまででも非情になれる。
それが『白い悪魔』、翠月。
穢れを知らない真っ直ぐさで彼はただ玄夜のために、ひとを、ものを、破壊する。

その空間から翠月以外の生きとし生けるものが消え、廃墟と化したその部屋で。
翠月はひとり、微笑んでいた。
たった一人の大切な人へ、この想いが届くようにと。

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2009/06/09 (Tue) 創作物 TB() CM(0)

「毛布 華 ヘッドフォン」

可愛い恋の話を目指しました。

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つづきはこちら

どうして私はこんなことをしているんだろう。
今日何度目かの溜息が漏れる。
私は自分の部屋で膝を抱えて座っていた。

ヘッドフォンからは彼の声が聞こえてくる。
『君は俺の華だ』なんて甘い言葉をメロディーに乗せて叫んでいる。
今時、歌で告白なんて引かれるだけで終わりそうなのにそれが様になるところが悔しい。
耳に彼の歌声が浸透する。
――どうして。
集中していないと恨み言を言ってしまいそうで、けれど集中していても彼の声に心を奪われてしまう。
この歌を聴いてどんなに気分が沈んでいっても、再生を止めることもヘッドフォンを外すこともしたくなかった。
彼の声を聞いていたい。
たとえ、自分に向けられたものでなかったとしても。

――本当に、バカだ…。
好きな人に告白したいから変じゃないか聴いてみてくれと私にCDを渡した彼も、そんな鈍感な彼を好きなあまりにそのCDを受け取ってしまった私も。
タイムマシンがあったら4時間前の私を叱りつけたい。
期待しなかったといえば嘘になる。
彼が私に恋愛感情を持ってるなんて、絶対にありえないと知っていた。
それでも万が一、もしもがないとは言い切りたくなくて。
ただ夢を見ていたかった。
その希望も潰えてしまったのだけれど。

私以外の人に愛を告げる彼の声から逃れるように、私は毛布にくるまった。


次の日の朝、彼にCDを返すと、彼はどこか不安そうに「どうだった?」と尋ねてきた。
私に聞かないで。
胸の痛みを押し殺して、よかったと、これならきっと成功すると明るく言う。
本当は彼の告白が成功することなんて望んでないのに。
どうせなら手ひどく振られてしまって、私のところにくればいいのになんて思ってる。
――こんな私は好きになってもらう資格なんてない。
彼はひどく微妙な顔でこちらを見ている。
まさか、いまのどす黒い考えが顔に出てしまっていたのだろうか。
けれども彼はそれに触れずに、たった一言こう言った。
「……それだけ?」
褒めた。応援した。それ以上に何かいるというのだろうか。
黙っていると彼は髪を掻き分けながら喋る。
これは彼の困っているときの癖、なのだけれど。何に困っているのだろう。
「もっと他にないのかよ。ありがとうとか、ごめんなさいとか。好きとか、嫌いとか」
「ごめん。話が見えないんだけど」
「だから伝えただろ。俺の気持ち。その歌で。……返事は?」
「え、……私に?」
指を指して確認すると、彼はそうだと頷いた。
……嘘だ。
「だって、試しに聴いてみてくれって言った」
「そんなの照れ隠しだろ。分かれよ」
「言われなきゃ分からないよ!」
涙が零れそうになる。
でも、泣かない。嬉しいから。
「……その辺から種明かしする人が出てきたりしないよね?」
「ドッキリとかじゃねぇよ。これでも本気なの」
「あの歌が?」
「変だったか?」
「変じゃな……くない。やっぱり変だよ、歌で告白なんて。紛らわしいんだもん」
「悪かったな、前世紀のセンスで」
「そこまでは言ってないじゃん」
私は笑った。
彼も笑う。
空気がふわりと揺らいだ。
「……ありがとう」
私も好きだよと聞こえるか聞こえないかくらいの声で言った。
なに、と聞き返す彼に告げる。

「頼みがあるんだけど。――私のためにもう一曲、歌ってくれない?」

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2009/06/06 (Sat) 創作物 TB() CM(0)

「嘘 薬 手摺り」

こういう話が好きなんです。
書いた内容じゃなくて書こうとしたことが。

注釈をつけないと分からないような話になってしまいました。
しかも三題もらってから時間経ってるし。

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つづきはこちら

「嘘……だよな?」
尋ねる彼の語尾が震えている。
けれど、気づかなかった振りで冷たく返した。
「嘘じゃないよ。…残念ながら、ね」
「嘘だって言ってくれよ、頼むから……!」
哀しい叫びが宙に反響した。

体重をかけると、音を立てて手摺りが軋んだ。
この街で最も高いビルの屋上に彼らはいる。
「なぁ、この景色綺麗だろ?」
聞こえない返事を待たずに言葉を続ける。
「よく目に焼き付けておけよ。これが最後に見る景色なんだから」
そんな言葉を投げかけられても、彼は何も言わなかった。否、彼は口を開くことはできない。――おそらく、もう二度と。
そんな彼に語りかけた。
「どんな気分だ?信じてた人間に裏切られるってのは」

……裏切られた、と思っているのだろう。
たとえこっちにはそのつもりがなかったとしても。
自分は最初からこの状況を視界に入れて彼に近づいた。だから、自分にとっては全て予定調和に含まれていることだ。
今までの経験からそれは分かりきっている。
はじめて試みたのが5年前。
それ以来何度かやろうとして、その度に失敗してきた。
今度こそ、との願いを込めて今回もこの場所に来た。

これからを思えばこれまでの煩雑な経過――人目につかないように行動したり、睡眠薬を飲ませて彼を眠らせたり、眠ったままの彼を抱えて深夜のビルに侵入したりといったことも気にならない。
脳裏に描くのは甘美な妄想。
誰にも邪魔されない楽園。
ふたりきりの世界。

目を開けないままの彼にくちづけた。
――愛してる。
この想いを教えてくれた彼なら。
今度こそ、共にいくことができるかもしれない。
期待を込めて、
飛んだ。

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2009/06/05 (Fri) 創作物 TB() CM(0)

「眼鏡 植物 酒」

一年前を思い出しながら書きました。
あ、私は迷ってはない、はず。

今のところサイトに上げるつもりはあるようなないような小説、の過去話。になっちゃった。
その後の話とかいろいろ迷ったんだけど。

そっちを知らなくても全然大丈夫です。

っていうか知ってる人がほとんどいないから…。

続きが読みたい!という要望があれば九月以降に…?


眼鏡でスーツは萌える。
洋酒入チョコはおいしい。
薔薇好き。

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四月から通う高校の説明会があった日だった。
湊がこの学校に来るのは入試以来二回目だったが、何処に何があるのか全く把握できていない。どちらに行けば説明会の会場があるのか分からなかった。
同じ中学からこの学校に来るのは湊だけだった。
この場に他の知り合いは一人もいない。
それ以前に、周りを通る人影が見えなかった。
合格発表のときに貰った資料を取り出して、地図をじっくり見る。
説明会の会場、多目的教室は地図上にすぐ見つかった。
けれど、自分が今いる場所がどこにあたるのか分からない。
目印になりそうな表示すら見つけることができなかった。
自分はけっして方向音痴なわけではないと思っていたのに、その自覚すら覆ってしまいそうだ。
溜息を吐いて、腕時計で時間を確認した。
あと十五分。
それが今の自分にとって長いのか短いのか、よく分からなかった。

ふと、視界の隅に動くものを見つけた。
廊下の奥、突き当たりを右に。
「生徒相談室」の表示が出た部屋に行き着いた。
中途半端に閉まったドアの隙間から部屋の中をうかがってみる。
そこでは、眼鏡をかけたスーツ姿の男の人が誰かと携帯で話していた。
湊から見えた横顔は若く、まだ学生といっても通用しそうだったが、おそらく教師なのだろう。
彼が湊に気づいた様子はない。
何を話しているのか聞き取れなかったが、彼の横顔に浮かぶ表情は嬉しさと悲しさがない交ぜになったようだった。
その表情に眼を惹きつけられた。
何が彼をそんな表情にさせるのだろうか。
知りたい、と思った。

彼が通話を終えるのを見計らって声をかけた。
「すいません…、多目的教室へはどう行けばいいですか?」
彼は突然声がかけられたことに驚いた顔でこちらを向く。
湊を見ると優しく其処までの行き方を教えてくれた。
「ありがとうございます」
「新入生?」
「はい」
頷いた湊を彼は凝視した。
「……新入生が皆、君みたいだったらいいのに」
「え?」
小さな声での呟きが聞き取れなくて聞き返したけれど、応えはなく。
「説明会、頑張ってね」
と言って湊にチョコの個包みをくれた。

あの先生が道を教えてくれたおかげで湊は時間に遅れることなく会場に到着した。
すでに多目的教室は同年代の生徒たちでいっぱいだ。
湊は誰とも目を合わせないように所定の位置に座っていた。
隣に座っていた生徒が友人に「すごく綺麗なひとがいる」と囁くのが聞こえた。
なんとなく気になってそちらを見てみると、たしかにとても顔立ちの整った男子がいた。薔薇でも背負っていそうな好男子だ。いや、彼には薔薇よりも菖蒲のほうが似合いそうだ。五月に凛と咲く紫の花。
――気のせいだろうか。
彼の鳶色の瞳が湊を捉えていたと感じたのは。

説明会が終わり、帰路についた。
一緒に喋るような友人もいない湊は一人で桜の蕾が彩る並木道を歩く。
入学式のころには満開だろうか。

歩きながら口に入れたチョコレートは、苦い洋酒の味がした。
この苦さが高校生活を暗示している――というのは考えすぎだろう。
どうかこれからの日々を平穏に過ごせるように、願った。

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2009/05/30 (Sat) 創作物 TB() CM(0)