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2025/05/13 (Tue)

いつか宙を舞う花びらを僕らが追い越しても

――もう戻れない二度と でも失わないずっと

というわけで、卒業式でした。
4年間で何かを為せたかというと、たぶん何も大成していない。けど、学部やサークルで、何かをしようとしてきたことは事実で。

思い返すと、大学という場所も、そこでの時間も、出会った人々も、過ごした街も、好きだったなぁと思います。渦中にいたときは、好悪も葛藤もあったわけですが。

一番の葛藤は、中途半端さでした。サークル二つ入って、両方それなりに活動して、研究室でも最初の頃はたくさん参加していて。全部楽しみたかったけど、結局全部中途半端にしか関われなかった気がしました。
特に人間関係の点でそれを思うことがあって、大学での比較的親しい知人はサークルや専修が同じで知り合った人達ばかりなんですけど、そういう中途半端さもあって、他の人達同士ほど仲良くなりきれずにいた。だから友達と言っていいのかずっとわからなくて、「私には友達いない」とよく思っていたわけなのですが、友達と呼べるかはともかくとしても、結局親しい知り合いはそこにしかいなかったんだ、ということに卒業式で気づきました。何千人も卒業生いるのに、驚くほど知り合いがいない。
その中でも比較的仲良くしてくれた人と、そうでない人がいて、「また会おうね」なんて言っても、きっともう二度と会うことのないだろう人たちもいるけど、縁があったのだから忘れたくないし、忘れられたくないなと思います。その人の中に何かを残していたい。
これからも会う人、連絡を取り続ける人を友達と呼べるのかなとも思う。

これからも、大学でしてきた勉強や、ミステリへの挑戦や、できたら合唱も続けていきたいと思います。

前途は不安しかないけれども、生きていたら何とでもなるだろうと思って、生き続けていきたいですね。
楽観的なのではなく、楽観視しないと辛すぎて埋まりたくなるというだけですが。


あと何だっけ、近況報告。
引越しました。今度は関東圏に住みます。実家まで電車一本で行けるようになりました。
家具や小物や食器揃えて新居作るの楽しいです。もっとお金あったら初期投資に凝れるのですが。シャンデリアとか天蓋ベッドとかね。まあその辺は夢でしかないのですが。

それと、3月上旬に中学からの友人たちとUSJ行ってきました。
自分が落ちる恐怖のある絶叫系が本当に苦手なのを思い知りました。酔いやすいのもあるけど、それとは別の軸で怖いのだめです。事故や故障即死を想像してしまうので。だから室内系は楽しめて、ハリー・ポッターと空飛ぶ椅子が特に、本当に飛んでるみたいですごく楽しかったです。
というか、ハリポタエリアがとても楽しかったです。高度に発達した科学は魔法を見せられるんだな、と思いました。街並み美しいし、ギミックおもしろいし、バタービールおいしかった。
アトラクションやグッズは、なんか出典偏ってる気がしたのですが。
忍びの地図が売っていて、欲しかったのだけど、その値段で文庫3冊は買えるな、と思ってしまって手が出せなかった。


驚いたことに、この1ヶ月ほど、引越し関連で忙しく、本を読めていない(短編はいくつか読んだけど)ので、読了感想はまた後日。




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2015/03/24 (Tue) 未選択 CM(0)

伸ばした手で触れる事は誰もできない

先日、名探偵コナンのリアル脱出ゲーム「オリエント急行からの脱出」に参加してきました。私は脱出ゲーム初めてだったのですが、無事脱出成功しました。詳しいことはネタバレになるので書けませんが、同じ時間に18組参加してたうちで、脱出成功したのが私たちのところだけで、それもわりと先読みしまくって時間が余ってだったので、え、そんなもんなの?っていうのを思いました。でも楽しかったです。解けたから余計に。
来月くらいから新しいコナンコラボのやつが始まるらしく、それはキッドが出てくるらしいのでそっちにも行ってみたい。今回のでも予告が流れて、勝平さんの声が聞こえた瞬間テンションが上がりました。
今回のはオリエント急行要素特になかった(列車ならなんでもよかった)し、コナンである必要性もストーリー付けだけっぽくて、その点は微妙だったのですが、奇術城はキッド要素たくさんあるといいなあ。今年は映画もキッドだし。最近の映画にそんなに期待はしないけど、楽しみです。

まじ快アニメもちょくちょく見てます。
ノリがやっぱりまじ快で、コナンとは違うのはもちろんそうなんだけど、絵柄がだいぶ違っていて連続してみるとおもしろいなと思う。まじ快に出てくるコナンはショタ度が数割増しになってるような気がします。
あと、快斗視点からコナン原作の話やるのも楽しい。コナンを警戒して計画立ててるのとか、とても萌えます。予告で快コかけあいやってたのもかわいかった。「犯人はお前だ!」「そーだよオレだよ!あたりめーだろ」みたいなやつ
アニメやってる間か、映画くらいの時期に5巻出してほしいなと思うけど現時点でアナウンスないからまだ当分先なんだろうな。両親の出逢いの話とかアニメでやってくれてたので、マンガでも読みたいのですが。コナンもそうだけど、親世代と同じようなことを子世代もやってるというシチュエーションとても好きです。コナンでいうと25,26巻くらいでしたっけ?プロポーズ中に飛びだしていって事件解決したっていう伝説。エレベーターでバーンってやる話。とか、瞳の中の暗殺者で、小五郎のプロポーズの台詞を言うコナンとか。

ところで最近、私の好きなBLについて考えてました。
私の好きなというより、BLが何故好きか、どこが好きか、みたいな話です。
結論から言うと、私は関係性に萌えるのであって、萌える関係性を描いてくれていたら性別はそんなに関係ない。……実際はそんなに百合を好みはしないのですが、それはBL/NLでも、地雷じゃないけど好きじゃないCP見るときと同じレベルでの好き嫌いだと思う。私は好きじゃないけど、こういうのに萌える人もいるんだろうな、そういう人はこういうシーンとかが良いんだろうな、私は好きじゃないけど。みたいな感じ。
それから、性的描写は関係性を描く上でのガジェット・小道具として好きなだけで、えろいものを好んでは摂取しない。
だから、私はBL好きというよりも、ブロマンスが好きなのかなというのに思い至りました。
萌える関係性は、強い執着で、それは恋愛感情じゃなくてライバルとしてとか、家族とか仲間とか友情とかそういうのでいいんです。というか原作はそこまででお願いしたい。そこから先はこっち(妄想)でやる。
先日、友人と話していて私はなんで二次創作をしていたのかということを考えたことがありました。私はまず恋愛というのは何かしらの好意があるときにどこかの瞬間でスイッチが切り替わり、恋愛感情を自覚をすることによって成立するのだと考えています。どんなに仲が良くても、極論を言えばたとえ肉体関係があっても、恋愛ではないと双方が考えているならそれは恋愛ではないと思う。性欲と恋愛感情の違いとか言い始めるとややこしいのでここでは割愛します。
だから私は二次創作では好きな関係性を築いている(築きうる)キャラたちがどのようにスイッチが切り替わり、恋愛感情を自覚するかを書きたい。書きたかった。たぶんそんな感じで書いてた、はず。
だから、原作では恋愛じゃなくていいから、強い執着だったり関係性だったりを丁寧に描いてほしい。
そう思っているので、関係性や契機が特に説明されずいちゃいちゃしている人たちを見てもたぶん萌えないんです。

そういうわけで私は艦これアニメの百合描写が好きではありません。
ゲームの方に手を出していないのもあって、キャラクター性というかどういう人なのかも分からないし、キャラクター同士の関係性が全く見えないのに、恋愛要素だけがあるので、とても気持ち悪く思ってしまいます。吹雪周りは1話からきちんと描いているのでまだ分かるけれども。
その恋愛要素というのも、憧れとか仲間とか、他の名前がつきそうなものも恋愛的な表現として描いている感じがするのも違和感の一部かも。あと恋愛的な表現の描き方が性的なものに結びつきがちというか、百合要素は「男性が見て楽しむもの」でしかない感じとか。作ってる会社があれなのである程度はしょうがないけれども、消費される百合はあまり好きではないなと思います。女の子が好きなのでもなく、キャラクターが好きなのでもなく、単に性的刺激がほしいだけじゃないの?と思ってしまう。
とにかく、経過が見えない気がするというのが、私があのアニメを見ていて一番不快に思うところなのかもしれません。原作はやっていないので分からないのですが、艦娘のキャラ設定はたぶん原作にある程度依拠しているはず(同人設定拾っているという噂も聞きますが、二次創作での設定も、どんなに薄くても原作に根拠はあるのではないだろうか)なのに、文脈がないのでよく分からない。よく分からないなりに納得できるところとできないところがあって、性格設定ならまだしも、関係性設定は説明がないと全く魅力が伝わらない。それが伝わらなくても問題はないのかもしれませんが、上澄みだけだととても薄い作品になるよね、と思うのです。
公式がアニメは二次創作ということを言ったという話もちらっと見たような気もするのですが、それ知らない視聴者も多いし、そもそも個人製作の二次創作と巨額の資金かけてプロが作って公共の電波にのるアニメでは、クオリティもその享受者の数も全く違うものになるんだから、二次創作ですは通用しないと思うんだけど。初心者に売る気がないのってどうなのとも思うんだけど。でも私が楽しめないから僻んでいるだけかもしれないです。


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つづきはこちら

気を取り直していつものように。最近読んだ本。
「最後の晩ごはん 小説家と冷やし中華」
芦屋に行きたい。ラーメンとアイスキャンデーを食べたいです。
相変わらずいい話。筋も想像できるし、読んでて大きなカタルシスとかはないんだけど、その分安心して読める。こういう小説があるのも良いなと思います。
このシリーズのキャラクターは決して好きなタイプではないし、椹野先生の作品で他に好きな話もキャラクターもいるんだけど、それでも読んでいて楽しい。主人公や視点人物が喜べば私も嬉しいし、辛い境遇にあれば悲しい。人間/キャラクターでいえば、キャラクターでしかないのだけれども、キャラクター小説で育ってきた私にとっては共感して読めるので、ちょっとした故郷感があります。
関西とか怪異とかお料理とかブロマンス?とかミステリ?とか、椹野先生らしさがちょっとずつ入ってるのが、なんていうかお弁当感と言いますか、ちょっとずつおいしいもの楽しめるよみたいな感じで、好きです。法医学要素はないけど。それぞれがっつりいきたかったら別の作品読むし。お試しみたいな感じでもよさそう。
これ単体で好きなわけじゃないけど、これまで私が触れてきた好きな要素が垣間見えたり思い出したりするから読んでいて落ち着くんだろうなと思う。
今回で海里と淡海先生の問題がある程度解決して、次巻で夏神さんの話していったん区切り、なのかな。執事も三巻でひとくぎりだったし。

「オズワルド叔父さん」
ダールの、これだけ長い話を初めて読んだかもしれない。でもやっぱり中編~短編の方がおもしろいな、と思う。これも結局短編の組み合わせっぽい構成ですし。
「来訪者」「ビッチ」の続きというか前日譚というかで、若き日を回想しているオズワルド叔父さんの日記を主人公がまたしても出版という体裁なんだけど、その体裁に意味はあるのだろうか。実話らしさ?実在した人がたくさん出てくるし。名誉棄損とか大丈夫なのかしら。
回想や、その合間に挟まれるちょっとした小話なんかは、ホラ男爵の話を読んでいるようでおもしろかったけど、中盤から後半あたりは同じような話の繰り返しで、もっと削って中編とかにした方がおもしろいんじゃないかと思った。ビートルの話とかは「ビッチ」と微妙にネタ被ってるし。
あと相変わらず閨房の描写がおもしろくていいですね。ああいう比喩は好きです。
オチには笑いました。今までのはなんだったの、という。

「電気人間の虞」
電気人間という怪異、都市伝説があって、「語ると現れ、人を殺す」という都市伝説の通りに人が死んでいく。そこで殺人か事故か、犯人は電気人間かそれとも生身の人間か、という捜査が行われ、推理がされて怪異が解体される。そして一応は合理的解決がなされたものの、実は電気人間が実在し、その犯行が明かされる。
そういう枠組みは面白いと思うし、私の好みでもあるはずなんだけど、どうにも素直に好きとはいえない作品でした。
なんでだろうと考えて、とりあえず理由が二つ。一つ目は、思春期的中二病的心情描写がうざい。とにかくうざい。これを受け止めきれないのは年齢のせいなのかなと少ししんみりもしたけど、読んでて楽しめなかったのは事実。キャラクターに好感抱けないばかりか、共感もできなかった。
そのせいでか、電気人間という怪異はおそろしいものには思えず、全体的にどこか滑稽な感じが漂ってた。
二つ目は(ネタバレかもなので反転)
合理的解決が明らかに納得できないものであったこと。私は推理小説読むときも基本的には自分では推理しないんだけど、それでも明らかにそれは違うだろうと思う推理はあって。それってでも論理とかもだけどそれ以上に推理が展開されているときの雰囲気や演出が影響してるんだよね。で、この作品では推理シーンが全く解決シーンではなさそうな雰囲気で書かれていたので、明らかにもう一段階ひっくり返るだろうというのがあって。その段階では怪異の実在か実は意外なあの人が犯人とかまでは確かではなかったけど、これで終わりじゃないというのだけは思っていた。その状態から実は電気人間実在しました!といわれても、だろうねとしか思えないので、驚きが少ない。
一度合理的解決で締めてからひっくり返す方が綺麗だし、驚きも大きいと思う。
でもメイントリックがすごいし、そのための小説、そのための電気人間の設定であると同時に、物語のための電気人間、トリックでもある感じがしたのはとても好感が持てました。
社会学や民俗学の話とかも、語り口はともかく、わりと頷ける感じでしたし、読んでて楽しかった。
あと最後の一文が、何これって感じで好きです。とても気になる。

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2015/02/13 (Fri) 日々の徒然 CM(0)

真実携えて闘う事を罪と言うの?

ブログ更新を目的にするのなら、何かあったから書くんじゃなくて、無理にでも週一とか日を決めて書くっていうふうにすればいいんだなと今更気づきました。

そういえば私、今日で22歳になりました。
正直、まだ子供だと思う。子供でいたいとも思う(その表れがロリィタ趣味なんだろう)けど、大人にならないといけないんだろうなと思ってつらい。
最近まじ快アニメやってるけど、「大人っぽい」紅子ちゃんとかだってまだ高校生なんだよなって改めて思いました。いや、まだ高校生なのだからこそ大人になりたがってるのがかわいいんだよね。そもそも新一だって高2だし、「頭脳は大人」であっても精神的には年相応なところもあるんだけど。
今春で卒業する予定なんだけど来年度の見通しとか全然立ってないし、責任とか負いたくないなあって思います。モラトリアムに浸っていたい。

ところで。ホビットの映画3部をようやく見にいってきました。
原作は読んでいたんだけど、知らない映画でした……。
最初の方でドラゴンが殺されるのはまあいい。原作でもわりとあっさりだったし。かっこいいのか分からない謎演出だったけど。で、五軍の戦いがメインになるんだろうなってのもまあ事前に予想はついてた。指輪物語との繋がりをアピールしてくるのも分かるし、だからレゴラスかっこいいから出てきたんだろうし興業的に恋愛要素いるのも分かるよ。理由は分かるんだけど全体的に、なんでそうなるの?みたいなツッコミいれたくなるところが多くて。あと、キーリとトーリン以外のドワーフがほとんど描かれなくて残念だった。せめて一人一か所くらいずつ見せ場いれてくれると思ってたよ。レゴラス無双すぎ。
最後の方はわりと『ホビット』っぽさがあった気がした。「お茶は四時」って台詞だったり、帰ってみたら家が競売にかけられていたり。指輪物語での、メリーとピピンが廃墟となったアイゼンガルドでパイプ草ふかしてるあたりもそうなんだけど、どんな場所にいても日常があることがすごくいい。ホビットって「このよでいちばん すきなのは おりょうりすること たべること」みたいな感じの人たちだなって思う。ご飯大事。

読んだ本。
『ふたりの証拠』
悪童日記の続編。なんだけど、悪童日記読んだのわりと前だったのであまり記憶になかった。
本当に二人いるのかが怪しくなってきて、ぞくっとさせられる。そもそもクラウス(リュカ?)の存在だけじゃなくて、語られていたこと自体が全て虚構だったかもしれないってなって、いきなり突き落とされた感じ。しかもこれもう一作あるんですよね。一体どう展開していくんだろう。
全体的に耽美な感じで好きでした。ペテールとの関係とか。出てくる人みんな病んでるというか狂ってるというか。耽美と狂気は紙一重なのかな。ただ、文章自体は簡潔で現在形多用して耽美な雰囲気作り出すというよりは淡々としてる感じ。

『連城三紀彦レジェンド』
連城さんには興味はあったんですが、それ以上に綾辻・伊坂対談に惹かれて読みました。
対談はすごく読んでて楽しかったです。小野さんが連城作品書き写してたみたいな話を綾辻さんがしてて、とても納得した。東亰異聞のあの感じとかそうなんだろうなって。というか綾辻さんが小野さんの話してるのはにやにやしますね。
ほかにもいい話がたくさんあって、私は綾辻さんと伊坂さんが好きなので(作品も、たぶん本人も)読んでて楽しかったです。伊坂さんが連城作品の販促した話とかね。伊坂さんが勧めてる話は読んでみたい。ラッシュライフの元になったという作品とか。
編者の中で綾辻さんや米澤穂信が連城三紀彦好きなんだろうなというのは作品からなんとなく分かるんだけど、伊坂が連城を好きというのは、あまり作品から感じなくて不思議だった。――という話を人にして言われた話がなるほどと思った。曰く、連城作品で伏線となる部分が情緒的なものとして印象に残っていて、ミステリ的にも伏線となるっていうのが魅力らしいんだけど、伊坂作品の場合は情緒というよりも掛け合いの妙とかで伏線の印象作ってるのが連城の影響なんじゃないかって。
収録作に関して。どれも普通に読んでて面白いけど、どうしてここまで評価高いのかは分からない。ただ、私は『桔梗の宿』と『親愛なるエス君へ』は読むのが二度目か三度目だったんだけど、それでも楽しく読めたのはこういうネタの話としてはすごいのかなとは思った。私の記憶力が低くて細かいところ覚えてなかったから楽しめただけかもしれないけど。基本的に読んでるときに雰囲気に酔える+サプライズがあるのが好きです。だから『花衣の客』とかは好きだった。
ただ「人間が書けている」あまりにキャラクターではなさすぎて、全体的にモブっぽいのとか、作品のために人や世界がある感じがあまり好きではない部分でした。

『誰も猫には気づかない』
ニフィすごい。飼いたい。
話の構造自体はとても単純で、公国の若い領主がいて、隣国には邪悪なお妃様がいて、公国併合を狙ってきているからそれを倒そうとする話。権謀術数とかもなく敵陣営が明確だし、やってることも超強力な毒とか使ってはいるけれども基本的には暗殺だから分かりやすい。とても童話っぽい。ただそこに、若い領主の摂政として猫が存在するだけでとてもおもしろくなる。やっぱり童話っぽいので児童書としてよさそう。
猫が摂政なんだけど人語を喋らないし、仕草とかを人間側が読んでる感じとかがリアルで、距離感がいいなと思った。それでいて猫はずっと主役でいる感じとか、最後の倒し方とか。
その猫の行動と、あと国の歴史・立地とか食文化とかが明らかにヨーロッパっぽいことから、国自体は架空だけど地球上の話として展開するのかなと思えばバーグアスとかいう謎の怪物が出てくるし、中世のはずなのに登場人物たちが紅茶飲んでるし、この世界はどういう設定?って疑問に思った。バーグアスのところは熊や猪や狼で一向に問題なかったと思うし。ファンタジーで時代考証は気にならないこともあるんだけど。異世界なら異世界ではっきり示してほしい。個人的にはこの話は実際にあったかもしれないよっていうスタンスで読みたかった。

『ママは何でも知っている』
読んでる最中はさらっと読めるし不快感もなく楽しいけど、特に思うところがなく流れていく感じ。安楽椅子探偵ものの肝である、論理で読者も解けることとかに私が重きを置いてないからかもしれませんが。あと流れがテンプレになってしまってるのとかも、仕方ないけど飽きてくる。
そもそもこれ、安楽椅子探偵だけど、どっちかっていうとマープルみたいな、人間性で解いてくものという印象を受けた。「私の知り合いにこういう人がいるんだけどね、」っていう推理。その「私の知り合いに~」の部分が長くなって二つ分の事件になったっていう構成をとってるのが最後の短編で、その構成がすごく良かった。
デイビイは現代ではマザコンエネ夫とか言われるのかなって思って読んでました。毎週母親と食事とか、ママとシャーリイの間に火花散ったときの仲裁とか、そもそもママに相談して仕事を成し遂げるってどうなのとかいろいろと気になったです。まあ価値観の違う世界だからそういう話しても意味ないんだろうけど。
ところで私、何故かこれを読むまではブロンクスのママシリーズっていうのを聞いてバーとかのママをイメージしてました。お店系安楽椅子探偵ものがいろいろあるからそういうイメージができたのかな。

『天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク』PART1、PART2
ⅦからⅠまでの話と、Ⅰの後の話。
イサリ視点でのメニーメニーシープがおもしろかったです。そんなことがあったんだ、というのと、イサリの過去の話を知って読むからこそイサリがとてもかわいい。それこそまだ17歳なんだよなあ。300年以上生きていても。でも、まさかカドムとちゃんとくっつくとは思わなかったよ……。いや、いいんだけどね。結ばれなかった二人の子孫同士が恋愛する話とかシチュエーションとしてわりと好きですし。イサリとアインというよりは、千茅と児玉先生の話。でもプラクティスの記録からは児玉先生の話は消えてたんだなというのと、逆にセアキ家では残ってたのかというのに感慨を覚えた。プラクティスの始祖言行録?はたぶんジョプが編んだのだろうから仕方ないのだろうとも思うけど。
イサリやミヒルを漢字で書くとああなるのか、と思いました。漢字は表意文字だよなあとも改めて思った。カタカナのときとはイメージが変わる。
ミヒルはミスチフやノルルスカインとは関係なく、あんな風になってしまったんでいいんだよね。ミヒル自身が何故フェロシアンにならないんだろう。この状態で皇帝は眠れないだろうし、あんな性格ならすぐに我を忘れてフェロシアンになりそうなものなのに。だからミスチフに乗っ取られたなら怒りとかの感情はなくなるから大丈夫なのかなというのも思ったんだけれども。疫病を蔓延させるのもミスチフがいつもやってることというか、そもそも冥王斑をもたらしたのがミスチフだし。でもそう考えるとMHD社長がミスチフだったのが少し気にかかるから、やっぱりそこの思惑とは別に動いてるのだろうと帰結したんだけど。
となるとあとⅨとⅩでプラクティスとの戦いとミスチフ関連の話をそれぞれやるのかな。
オムニフロラの生存戦略やイサリが共存したいって言ってる辺り絡めて、何かしらの答えを出すんだろうとは思ってる。ここになると謎が新たに出てくるというよりも全体がどう動いていくかっていうのが気になってく感じですね。ⅡからⅤまでが大きい物語も気になりつつ、それぞれの話もおもしろかったけれども、もう全体の物語だけって感じで。いろいろ細かいところとかは覚えてなくてこれ誰ってなったりしたんだけど。読む前にⅠ再読するべきだった気がしました。
なんとなく、人類は生き残るんだろうなって思えるので、たとえ絶望的状況であっても読むのはそんなにつらくないです。
しかしアクリラはどうなるんだろう。
ただの少年になったユレイン(三世)がかわいいです。

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2015/01/20 (Tue) 日々の徒然 CM(0)

夜空を籠める雲は鬼が神屠る兆し

どうも、こんにちは。お久しぶりです。光陰矢のごとしという言葉を感じます。
やっと、卒論が終わった!
去年は就活と卒論とサークル関係の原稿とで思ったより時間がとれませんでした。
毎年言っている気がするけど、今年こそもう少しブログを更新していきたい。三度目の正直とか二度あることは三度あるとか三日坊主とかいう言葉が頭をよぎります。……うん。頑張る。

とりあえず、去年4月以降で読んだ本を一回まとめておこうと思います。と言っても、どこまで書いたかすら覚えていない……。
ちなみに去年読んだ本は合計73冊でした。
これも毎年言っている気がするけど、今年こそたくさん本を読んでいきたい。

「9マイルは遠すぎる」
表題作、有名だけれども思っていたほどおもしろくなかった。
形式が魅力なのだと思うのだけれども、米澤穂信とか、同じ形式のものを先に読んでしまっていると……。それでも最初にこういうのを考えて書いたのはすごいと思うんだけれども。論理だけで攻めていく話はあまり私にはおもしろさが分からないので。しかも、私の頭が悪いからかその論理にも飛躍というか恣意的な限定とかがあるように思えたし。
他の短編の方が、安楽椅子探偵的な、そこに目をつけて推理するんだ!っておもしろさはあったと思います。指紋べたべたの脅迫状の話(「わらの男」だっけ?)とか、時計をたくさん持ってる男の話(タイトル忘れた……)とか湯沸し器から推理(同前)とか、おもしろかったです。

「東亰異聞」
こういう話が書きたかった!
合理と非合理、妖怪と現実の事件の関わりのバランスがとてもうまいなと思いました。加えて、明治の雰囲気がとても素敵なのと、出てくる人たちが切ない。
ただラストの東京沈没みたいなのはここまでやっちゃうと微妙かもと思った。

「薔薇のマリア21 I love you.[rouge]」
終ってしまったのが、とにかく切ない。でもハッピーエンド(?)でよかった。これで終わり?感もあって、この後の話を読みたい。
結局、あの世界が何なのかとかは明言されてはなくて、でも想像しうる範囲は分かった。
ZOOはそうでもないけど、ランチタイムとか秩序の番人とか、死んでく人が多いのが切なかった。しかも死ぬ直前に回想シーン入れるとか、死亡フラグだしあざといけど切なさ倍増みたいな。

「七回死んだ男」
プロットだけで読みたかった。設定はおもしろいのに、人間がすごく気持ち悪い。出来の悪いドラマの登場人物みたいで、ト書きを読んでるだけっぽいし、どのキャラも全部裏にゲスなおっさんがいる感じがして気持ち悪い。
でも、設定は本当におもしろかったんですよ。一日を七回ループできる能力をもった主人公が、祖父の死を食い止めようとする話で、その試行錯誤が読んでいてわくわくする。
で、なんとかうまくいったあとにひとつ謎が残って、それも最後には解かれるっていうのも、最後まで飽きさせないみたいな。
ただ本当にキャラクターが気持ち悪くて気持ち悪くて(エンドレス)つらかった。
ドラマとかだったら逆に楽しめたかもしれない。

「黒祠の島」
閉鎖的な島で独自に発展した宗教があって、って雰囲気が横溝っぽくて好き。
あとこの信仰のシステムとか興味深かったです。一気に読んでしまった。
情報の出し方とか限定の仕方とかがすごく、ああこの人も新本格作家のいた頃の京大ミス研出身なんだなあって思ったんだけど、でもそういうミステリ的な手続きが雰囲気崩さないのがすごい。
こういう風に変わった宗教をただ雰囲気作りとかだけじゃなくってそれを利用した事件が起こったりとか、推理によって現実の事件だけじゃなくて宗教自体が解体されていったりとか、そういうのとても好きです。
でも東亰異聞の方が雰囲気とか妖怪とか好きだったかなあ。

「厭魅の如き憑くもの」
記述方法自体が手がかりであること(これも叙述トリックっていうのかな?)はおもしろかった。けど、この村の習俗がすごく人工的というか民俗学的にありえなさそうで興醒めだった。
ネーミングとかさあ。カガチっていったら蛇じゃん。みたいにすぐ分かるし、主人公が民俗学者なら知ってて当然の知識だろうに、中盤まで出てこないしもったいぶって情報提示してていらっとした。
犯人も、たぶんこういうことなんだろうなあって思ってたらそのままで。もうひとひねりほしかった。
民俗学系ミステリ好きなんだけど、それは「もしかしたら日本のどこか(の地域・時代)にはこんな信仰があるのかもしれない」と思えるのが好きなのであって、この小説のためトリックのために生みだされたとすぐわかるのは別に楽しくない。その点京極夏彦はすごいなと思う。
あと、ホラーをあまり読んでいないので分からないけど、そんなに怖いとは感じなかったかな。

「首無の如き祟るもの」
厭魅よりはマシだけど、やっぱり人工的な感じが気になった。

「凶鳥の如き忌むもの」
三作読んだ中ではこれが一番おもしろかった。
宗教儀式は完全に創作なんだろうけど、だから逆に割り切れる感じになってきた。あと、捜索だからこそこっちは何も知らないので、分かりきったことをもったいぶってる感も少なくていらいらしなかった。ただ名づけが相変わらず安直すぎるだろうとは思ったけど。
あと、条件羅列は推理じゃないよねってのとかも好きじゃない。
でも人肉食好きなので、主体は違うけどメインネタがそれってだけで許せる。

「ファントム 上・下」
おそわれるのとか普通に怖いし、あまり知らないけどホラー映画っぽい。
最後が、結局そうなるのかよみたいなところはあったけど。
あれがキリスト教的「悪魔」っていうのとかは微妙。

「シンデレラの罠」
語り手が、探偵で被害者で犯人で証人っていう設定はとてもおもしろいと思う。
登場人物の愛憎や意図が絡まりあう感じとか、好きではないけど昼ドラ的で愉しい。
結局彼女はどっちで、犯人は誰だったんだろうってのは謎だけど、たぶんそこはメインではないし穿って見ることまで意図されてないんじゃないかなって思った。
これってオープンエンドではあるけど、別にリドルストーリーではないよね。私のイメージ的にはリドルストーリーは伏線や印象で読者の自分としてはたぶんこっちなんだろう(こっちであってほしい)と推測できるというか、答えがひとつに定まりうる(ただしそれが答えだとは限らない)話かなって思ってる。オープンエンドは、いろんな可能性が並列して存在するのかなって。もしかしたら逆かもしれない。

「盲目的な恋と友情」
初期辻村作品の高校生たちが30代になったらこじらせてる女の子になった、という話。だから20~30代の女の子を書いているのに初期辻村的な自意識の痛々しさは健在でとても好き。
あと個人的に「友情」の方の語り手にとても感情移入してしまってつらかった。「選ばれなかった」コンプレックスは私にもあるから。遊んでそうな女の子が嫌いだったり、自分の好きなものの価値を知らないくせに簡単に手に入れてしまう子に敵意もったり、相手にとっての自分の価値を過大評価してたり、本筋じゃないところにこだわったり。そういうところがすごく滑稽だけど、笑えないくらいには分かってしまうものだった。彼女から見えるものと、親友と思っている蘭から見える世界は全然違って、でも互いにそう見てしまう理由が読者の自分には分かってしまってつらい。
ミステリ部分は完全に蛇足だよなとも思いつつ、まあ辻村さんは綾辻さん好きだししょうがないよねとも思う。

「妖魔の森の家」
これも、「9マイル~」と同じく、有名だから読んでみたけど期待しすぎていたからか表題作は微妙という印象……。怪奇趣味?も、味付け程度だったし。火刑法廷が好きすぎて、比べてしまう。
最後のオチがやりたかったのかなと思うし、そこはぞわっとして楽しかったです。
ただ、短編集の中の他のの方がおもしろかったと思う。特に「軽率だった夜盗」が好き。何故わざわざ絵を盗まれやすくしてるのかみたいな謎がおもしろいのと、叙述というかミスディレクションがうまいなと思いました。あと、性格を推理に使うみたいなのとか。
あと「第三の銃弾」の謎が魅力的だった。

「時の娘」
イギリス史は高校で軽く習った程度なので、あまり覚えて無くてそこで分かりにくく感じてしまった。リチャードとエドワード多すぎ、とか。
典型的な悪役イメージとか、物語的な歴史解釈を実証によって通説を覆すというのを物語でやっているのがすごくおもしろいなと思いました。ただイギリス史わからないので何とも言えないけど、それこそが歴史学のやり方だよねとは思うので、たぶんだけど学会ではすでにそういう説でてるんじゃないかとは思う。別にストーリーがおもしろかったわけではないから歴史ミステリって難しいなとも思う。
あと、これを日本でやりたくて書いた『成吉思汗の秘密』が形式(入院中ベッドで推理・助手が史料収集)は真似ているのに、やってることは真逆に物語的な歴史解釈してるのが興味深いけど好きじゃないなって思いました。

「菅原道真」
卒論のために読みました。人物叢書のやつ。ちなみに卒論テーマは菅原道真怨霊と天神信仰でした。
道真さまの性格というかキャラクターがなんていうか著者側と読んでいる自分や世間である程度共有されているのかな、と思った。頭はいいんだけど人付き合い苦手で、真面目一辺倒みたいで、頭良いから周囲の人にも同じレベルを求めて軋轢作る、みたいな。
いつか道真さまの話を書きたい。
そういえば、『応天の門』というマンガを読んだのですが、それに出てくる道真さまと業平さまはわりとイメージ通りで、考証とかもしっかりしててすごいおもしろかったです。ミステリ的な要素もあって。
あ、他にも論文とか文献とか読んでるけど、1冊通読をあまりしていないのでここでは書かないです。

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
あらすじから想像する話と全然違って、もっと深かった。1冊の中で世界を構築して、破壊して、それでも、というところまで書いていて。その、それでも、というのが人間性なんだろうし、この本のテーマなのだろうと思った。SFを超えて文学だなあと思う。うまく言えないけど。
人間が人間である理由は、他の存在と分けるのはどこにあるんだろう。

「戦闘妖精・雪風〈改〉」
アンドロイド~に続けてこれを読んで、とても怖く思った。
人間が不要とされたら、機械の方が勝ってしまったら、どうしたらいいの?という不安。
人間がこの星の支配者だと当然に思っているけれども、外から見たら違うかもしれないという恐怖。そういえば星新一の短編に猫の話ありましたね。
ジャムが人間を真似しているのに食べ物はまずかったりとかそういうところがとても怖いと思った。
それでも、人間は勝てるという期待をしたいから続きを読みたい。

「緋色の囁き」
綾辻先生こういうの好きだよね、という話。でもこの文章では綾辻さんが好きなのだろう雰囲気には酔えないよね。
あと全然違うのに、舞台立てとかのせいで読んでいて「Jの神話」思い出してしまって不快感。
女子集団の集団ヒステリーは怖い。
推理してから犯人逮捕ではなく、物理的に犯人を捕獲してから推理があるのが意外だった。

「半導体探偵マキナの未定義な冒険」
マキナはもちろん、クリクもオーガスタスもイーディもかわいい。作者の浮世離れしてるところが、人間っぽいのにどこかずれている探偵ロボットという設定とうまくかみ合っているのだと思う。特に、コーヒーブレイクという言葉の説明のところとかがすごくそれっぽくて好きだった。
彼らが協力して事件を解決する話を読みたい。

「ドリームバスター」
キャラクターの書き方や感性が少し古い感じがして気になった。書かれた時期を考えたら当然なんだけど。
中学生や高校生のときに読んでいたら、はまっていたかもしれないとは思う。

「All You Need Is Kill」
すごくおもしろかった。
最後が、え、そうなるのって感じで切なかった。
リタの描写や主人公の感情や、出てくる女の子たちがラノベっぽくてちょっとおもしろくなった。

映画も見たんですけど、おもしろかったけど、別物だった。
欧米人の「世界」がいかに狭いかが感じられて興味深かったけど。いろいろ言ってるけど、侵略されてるのドイツから始まってフランスとか、ヨーロッパの一部だけじゃんって。対異星人で、ノルマンディー上陸作戦やりたかっただけでしょ、って。だからイギリスアメリカロシア中国が共同で戦ってたんだろうし、ドイツにオメガがいる?みたいな話になったんでしょう。
それなのにコーヒーとか原作のアイテムをちょこっと入れてきていて、世界観がおかしなことになっている。
右も左もわからない新人をいきなり戦地に送ったって無駄死になだけじゃんとか、何故あの装備は頭を守らないんだとか、そもそも戦略とかあるの?勝つ気あるの?みたいな点もいくつかあったのと、リタがしょっぱなから死んでいて、強くもかっこよくもかわいくもなかったのが気になりました。あと軍隊で同じ部隊に女が一人混じってるのはおかしいだろうと思うんだけど。アメリカだといろんな人種性別いれないといけないらしいから仕方ないのかねえ。もっと設定とか作りようあったと思った。
ストーリーは別に……ループ設定うまく使っててハリウッドですね、って感じ。

「うちの執事の言うことには」2、3
2巻のときは赤目さんは何がしたいんだろうって思ってたんだけど、3巻で過去と動機明かされて、とても萌えました。赤目さんと花頴が仲良くなれたらいいよね。と思う。
あと庭師の桐山さんが好きです。クロスオーバーで花花に行ったりしないかしらと思ったり。
もっとシリーズ続いてくれたらいいな。

「奇想、天を動かす」
作中作がとにかく好き。狂人ぽさがあって。(褒め言葉)
白い巨人とか、幻想的で魅力的な謎がとてもおもしろかった。推理小説だと得てしてそういう幻想的な謎は、物理で解かれて魅力が消えてしまうのがいつも残念なんだけど、これは謎が現実になって魅力を失ったら代わりに社会派的な主張が物語を牽引していったからよかった。
ただ、その社会派的な主張、問題意識があるせいで読後感が少しもやもやした。その主張の妥当性は置いといて。
事件が解決されても、探偵や犯人含めて誰も幸せにならないし、その主張の部分を現実世界でどうにかしようとしても、作中の彼らが救われるわけでもないし。そう考えてしまって、社会の問題を小説で提起する意味ってなんだろうとか思った。
この謎やトリック、テーマを考えついて、書こうとすること、書けていることがとにかくすごいのだろうと思った。

「私たちが星座を盗んだ理由」
期待しすぎたからか、そこまでは楽しみきれなかった。
「終の童話」と表題作あたりはわりと好きだった。
北山猛邦のファンタジー的な世界観が好きなのだけれども、推理小説の要素、ロジックやトリックがその世界観を壊してしまっている感じがしていて、もったいないといつも思ってる。「終の童話」はファンタジーとミステリのバランスがわりとうまくいっていたので好きです。「妖精の学校」は、大人のいない閉じた楽園、鳥の名前の少年少女たち、という世界観はとても好きだったし、その世界自体に謎があるという話も好き。なんだけど、謎が作中で解かれきれなくて、読者が調べないと分からないのが不満。作中で完結させてほしかった。
他の作品はオチがなんとなく想像できてしまって、文章もそれだけで好きなものでもないし、「続きを読みたい」よりも「結果を知りたい」がモチベーションだったので途中を読むのがもどかしかった。あと、登場人物の人称や言葉遣いに違和感が。

「ダークホルムの闇の君」
魔法世界が資本主義に搾取される話。その設定自体興味深い。オレンジやコーヒーがこの世界から魔法世界に輸入されたものだったりとかもおもしろいなと思った。
こっちの世界から観光客が魔法世界に来てRPG風の冒険?観光ツアーをしてるけど魔法世界にとってはそれは負担で……。という話で、これは風刺もあるのかなとも思った。固定されたイメージを相手に求める感じ。
闇の君になった魔術師夫妻と一男一女五グリフィンの家族のドタバタと家族愛が良い。グリフィンもふもふしたい。ウロコかっこいい。読んでる間とにかく楽しいし、最後は大団円だし、いい読書体験だった。
あと、ガラドリエルという名前のドワーフが出てきて、「親は何を考えて名前を付けたんだ」みたいな描写がされていて、これはもしや中つ国と繋がった世界?とわくわくした。

「斜め屋敷の犯罪」
みんなが言うおもしろいトリックというのはこれか、と。自分自身がそれをおもしろいと思えたかは分からないけど、すごいとは思った。一人を殺すために館を建てた犯人の執念に思いを馳せたり、トリックを動画で見たらおもしろそうとかは思ったんだけど、自分のそういう感想を推理小説のトリックおもしろいという言葉に翻訳していいかは分からない。なんとなく違う気もするので。
斜め屋敷は住みたくはないけど、探検したい。からくり人形とかいいよね。
ただメイントリックがあり得ないとかよりも、とても気になるところがあって。
北海道の最北端で、12月下旬で、大きな氷柱ができるくらいの気候での積雪ってそんなもんじゃないよね。メートル単位だと思う。花壇の模様が見えたり、外を普通に歩けたりしないと思うんだけど。あの足跡トリックもだから無理じゃないかな。そもそも屋根壁のない外付けの廊下でしか行き来できない館建てるの馬鹿だろうと思う。渡り廊下にも積もって、下手すれば重みで落ちると思うんだけど。でも北海道でも海の近くはそんなに雪積もらないのかもしれないし、逆に寒すぎてしみわたりできるのかも。

「名探偵の掟」
正直に言って、好きじゃないです。
そもそもメタな話が嫌い。その上、これを楽しめるほど推理小説が好きでも興味なくもなくって、好きなものがdisられてる感じで不快。虚無への供物とか麻耶作品みたいに物語仕立てでミステリ風刺してくれたらまだいいんだけど、話自体がミステリでもないし他のおもしろさもない。読むのがしんどすぎて、最後の方はBL妄想したら少し楽しくなった。
見立て殺人の話とか、このネタで小説書いたらおもしろくなりそうなのに。

「怪談」
小泉八雲の階段を柳広司が現代ミステリにアレンジしたもの。
話自体はまあオチも想像できるし、怪談っていうほど怖いものでもなかったんだけど、アレンジがそれぞれ秀逸だなと思う。特に、「耳なし芳一」の主人公がヴィジュアル系バンドボーカルの琵琶器芳一で、代表曲がHEIKEなのは笑いなしには読めない。陰陽座みたいなのをイメージした。
鏡と鐘とか、オリジナルをしらない話もあったので小泉八雲版もちゃんと読みたい。

「わたしが幽霊だった時」
体言止めが多い文体が鼻について、そこまで楽しんでは読めなかった。少女っぽさの演出なのかもしれないけれども。
自分が誰か分からない不安感がよかった。でも話としては、何が起きてたのか分かってから過去に干渉して助けようとする展開が楽しかった。あの魔女はいったいなんだったんだろう。

「ウルチモ・トルッコ」
おもしろかった。
読者が犯人という設定と、そのために丁寧に張られた伏線がよかった。ページ数指定してまでのメタ的な伏線解説は蛇足に感じたけど、それ以外の内容の取捨選択は最終的にはわりとトリックと結びついていて感動した。ただその分途中まで話の軸が見えなくて、話が散漫でつらかったけど。
あとこれ、別に読者が犯人じゃないよね。「読者」のメタレベルの問題ではなくて。実際に読まれたかどうかは関係ないんじゃないかと思ってしまう。そう思わせないためにずっと超能力の話をやってきていたのだろうけれども。

「なぜなら雨が降ったから」
雨女探偵という設定はおもしろかったけど、話自体はそこまででもなかったかな。

「春にして君を離れ」
読んでてつらかった。自分がこの主人公みたいに見られているんじゃないかって。それでも自己肯定感を持っていられる主人公は幸せなんだろうと思う。
ミステリじゃないけど、世界が変わって見える感じがすごくよかった。

「クローバー・リーフをもう一杯」
最初の何編かを読んでいくと、森見登美彦とか万城目学とか、そういう系の京都大学生青春ものっぽい。で、そういうのとかもわりと好きなので(ミステリ成分の薄さとかはこの際かまわない)いいんだけど、最後2編で片思いの相手の女の子どこに行った?って感じになって、それがとても違和感。主人公の謎解きをするモチベーションが女の子に振り向いてほしいからってのがおもしろかったのに。
円居先生はミステリと恋愛・キャラ小説を両立させうる作家だと信じてるので、もしミステリ成分増すためには恋愛成分書けないとか思われてるなら残念だなと思うわけです。
この本のなかでは、2話目かな。脇役カップルが成立する話が好きです。
でてくるカクテル飲んでみたい。

「駄作」
展開が読めなくてとてもおもしろかった。
一番「えっ」ってなったのは脱獄シーンが一行ですまされてたところと、最後のオチですね。
結局、何が真相だったんだろう。
プフェファコーンの親友に対する感情とか、文学を目指しているワナビ感が、痛いのと分かるのとでうわぁーってなった。

「奇談蒐集家」
全体的にありがちな話という印象。
奇談だけでよかったかな。謎解きは蛇足な感じ。幻想的で魅力的な謎を推理で解体・解決する物語形式は、好きでもあり、あまり納得の行くかたちで成功しているものが少ないから残念なものでもあるんだけど、そういうのかと思ったらそこまででもなくて。よくある話をなぞってるだけっぽい気がしてしまう。
強いていえば「冬薔薇の館」が好き。
最終話が語り手含め意外ではあったけど、結局、あの二人の目的も存在もよく分からなかったのが不満。

「闇に香る嘘」
盲目の主人公が見る世界がリアルに描写されていて、すごい。それが正しいのか私には判断できないけれども、リアルに感じさせられた。盲目の世界もだし、あと満州での生活の部分とかも、異文化への目線や距離感が梓崎優みたいに感じた。
読み進めていくにつれて謎が膨らんでいって、兄が兄なのか、誰が妨害してるのか、誰の言うことが正しく何が嘘なのか、それが一点に収束して解決されるのがうまい。最終的にハッピーエンドで、本当に良かったと思えた。

「最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵」
おいしそう。茄子のフライが食べたくなる。
なんか設定が少しにゃんこ亭っぽいかなと思った。
主人公もこみちだよねとか、メガネ何あれとか、いろいろと気にはなるけど軽く読んでいける。
冤罪の話が苦手なので、いつか濡れ衣を晴らしてほしいと思う。

「ジークフリードの剣」
浮気男は死ねという感想。読んでてつらかった。主人公がクズすぎて。ストーリーも、別に展開が気になるとか事件が起こるとかでもないし。いや、事件は起こってたんだけど。試みは興味深いけど好きじゃない。いっそ、ミステリ要素ない方がよかったと思うくらい謎解きが浮いてる。物語展開も謎解きも、ただただ彼女がかわいそうすぎる。
ウルチモ・トルッコの伏線回収が丁寧で好きだったから、期待しすぎた分がっかりした。
読書会でこの小説自体がオペラの再現みたいな話を聞いて、なるほどそう読めば楽しいんだろうなと思った。けれども私はこの作品が好きじゃない。
そのうえ、比喩の部分が昭和のおっさんっぽくて物語と合ってなかったのもとても気になった。

「未来探偵アドのネジれた事件簿 パラドクスイリ」
おもしろかった。
タイムパラドクスというか因果というか、宝石が増えるのとか原理も説明もよく分からないんだけどなんか騙くらかされてしまう感じ。最後に、モブというか背景が全部自分たちだったみたいなことになるのがとても好き。
ロミ→アドの感情が恋愛感情っぽく思えて、森川さんもそういうの書くのかと少し意外だった。ただ邪推かもしれない。

「葉桜の季節に君を想うということ」
タイトルが素敵だなと思う。いい恋愛小説でした。
読んでいる最中はわりとおもしろかったのと、読後感が爽やかだった。
ただ解決編で、えってなって話についていけない間に推理がされていっているのが驚きどころがどこか分からなくなった。もうちょっと見得をきるみたいなところがほしい。
叙述ということは知っていたのだけれども、別にミステリ的な部分とも関係ないし、テーマとは関係あるけどそれだったらもっとうまい方法あるよねと思う。この真相に反感もつのは、自分の中に差別感情があるのかもしれないと思ってしまう。けど補遺は無粋。

「人間の顔は食べづらい」
設定がSFっぽくて好み。ルーガルー思い出した。
ただ思うのは、食肉産業はカニバリズムではない。カニバリズムはグルメ的な描写とか、もしくは背徳感恍惚感とかそういうのが美しい。これ読んでても食べたいとは思わないし。
クローン人間で、生首と首なし死体があってだと、まあ入れ替わりかなってある程度予想つくけど、予想していた以上にうまくそれを見せている感じ。ただ、登場人物の行動原理がわりと謎だった。三島由紀夫みたいな名前の探偵役っぽい人もあっけなく死んでたし。
ラストが青春ミステリっぽくて好き。

「来訪者」
艶笑譚4つ。ダールらしいブラックユーモアが愉しい。ブラックなんだけど、嫌な感じではなくて何とも言い難い感じで、これこそ奇妙な味かなって。
表題作は差別意識が興味深かった。あと雌犬後半の描写が変愛小説集にこんなのあったなって感じでおもしろかった。間二つはおもしろいけど、感情移入して少し切なかった。
オズワルド叔父さんの長編も読みたい。

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2015/01/13 (Tue) 日々の徒然 CM(0)

真紅に焼けた靴を履いて踊れよ

お久しぶりです。いつの間にか四月も半ばですね。びっくり。
3月末に、奈良旅行に行ってきました。ついに!大神神社にも参拝しましたよ!大国主!!
テンションあがりまくりでした。大神神社のふもとに猫がたくさんいたのがかわいかったです。あと、鳥居が縦の2本の木だけで、上の部分なくて注連縄かけてたのが気になった。古体はそれだったのかな。
橿原神宮にも行って八咫烏のお守りを買いました。それと飛鳥。石舞台がかっこよかったです。火の鳥のイメージなのですが。万葉博物館的なところのジオラマと人形劇?もおもしろかった。
東大寺と興福寺も行きました。阿修羅像イケメン。阿修羅像に限らず、八部衆みんなかっこよかったです。カルラとか。先日、『かっこいい仏』という本を読んだんだけど、それを思い出しました。仏教関係はもっと勉強しないと。
鹿は怖かったです。
平城京跡とか、法隆寺とか、石上神宮とか、行けなかったけど行きたいところがまだあるので、また行きたいなと思います。

読んだ本。
『暗闇の中で子供』
おもしろかった、ような気はするんだけど。いい話なんだけど、なんだか納得いかない。
最後のあれは何だったのか、とか他にも何か所か現実か幻想か嘘かはっきりしないところがあってもやもやする。それに、最終的に解決してない気がする。三郎の内面的には解決してるんだけど、二郎とかユリオとか、どうなったの? 最後に出てきたのは誰だったの? っていうのが分からなくて、そのせいですっきりしない。こちらには疑問があるままなのに、最後いい話っぽくまとめられても……っていう。
だから、肝心なところ解決してないしミステリではないよねと思う。
三郎が言っている物語についての話は楽しかった。
え、本当にカニバリズムだったのかな。それともそういう何かの比喩?
とりあえずレクター博士の話読みたいです。あと、これ続きは出ないのかな。

『満願』
趣向は好みのはずなんだけど、なぜか素直におもしろかったと言い切れない。
文章だとか、後味の悪さとかに、あざとさが透けて見えるというか。もうちょっとさらっとしてた方がいいかも。後味悪い短編は好みなんですけどね。後味悪いのより、奇妙な味が好きなのかも。いわく言い難い読み味。その中にはもちろん、後味悪いのもあるけど、それだけじゃなくていろいろまざっている。そういうのが好きだから、後味の悪さだけが抽出されてるような話には食傷気味になってしまうのかも。
というか、「柘榴」が苦手すぎて無理。それがずっと残ってたから、良かったっていえないのかも。同じ柘榴なら鬼子母神のほうがいいです。性的な意味じゃなく。個人的に、真面目に努力している人が陥れられる話がすごく苦手で、(BLじゃない)近親相姦も苦手なので。
逆に好きだったのは「関守」。ちょっとリカーシブルっぽかった。都市伝説を探っていくと人為に行きつくって話。
それに限らずだけど、どの短編もすごく米澤さんらしい構成というか、ミステリ的なネタは他の作品、たとえば古典部とかでも同じようなことやってるよね、って思った。「死人宿」とか「満願」とかがまさにそんな感じ。手紙からその書いた人当てる、とか過去の事件での思惑を推理する、とか。でも、同じようなことやってても、こういう落ち着いた雰囲気と青年から壮年くらいの男性が主人公なののほうが、高校生主人公できゃっきゃしてるのよりも合ってるんじゃないかなって、なんとなく思った。

『うちの執事が言うことには』
すごくラノベっぽくて、さらっと読めた。薬屋はまだ、キャラ要素強いミステリだったけど、これは推理風味のラノベだと思う。キャラクター小説でもなくて。で、何でそういう風に思うかというと、薄いんですよね。ページ数が。だから話も薄くなるというか。薬屋だと、一冊の中でミステリメインで、薬屋さんたち3人の話とかリベの成長とか、レギュラーキャラの話なりその巻だけの登場人物の話とか、いろんなキャラクターに焦点当てられるし、ミステリ部分も謎・依頼→捜査→(第二の謎→捜査)→解決みたいな、それぞれのプロセスをけっこう書き込めるけど、ページ数少ないとそれが十分にできなくなるんだと思う。だからたとえ配分が同じでも、ラノベっぽくなるのかな、と。
そんなわけで、この本は謎→捜査→解決は一応あるんだけど、それぞれが短くて内容も薄い感じがしました。
でも、その一連の中で主従ともに成長していって、仲良くなってってる感じはすごくいいと思う。シリーズ化しそうな話ですよね。
あと、ミステリ的にだけど、ただの情景描写だと思ってたのが話に関わってくるのが、すごく綺麗でした。叙述トリックともまた少し違うんだけど。高里さん叙述けっこうやるから、そういうのの技術なのかなとも思うのですが。色の描写がすごく細かかったのが、主人公にはそういう風に見えてました、でそれが事件解決の鍵になりました、みたいなのがすごく鮮やか。
シリーズ化してほしいと思うんだけど、それはメインの二人と鳳さん以外のキャラクターが何考えてるのかよく分からなかったのがもやっとして、それで続編とかでそこを掘り下げてほしいと思うので。最後の話とか、なんであの女の子がお父さんにそこまで執着してたのか、がよく分からなくて、だから動機が最後までよく分からなかったのがなんかもやもやした。二つ目の話も、事件解決して濡れ衣晴らしてめでたしめでたし、でもなかったし。赤目さんが何考えてるかもほんとよく分からないし。読み取れなかったこっちの問題なのかもですが、そういうところもうちょっと掘り下げてほしいです。
あと、シリーズ化するなら上流階級繋がりで羊子ちゃんとか凛乎ちゃんとか、高遠さん家の人とかでないかなと期待。

『薔薇のマリア 20.I love you.[noir]』
もう終わっちゃうんだなあ、という感じです。でもタイトルと表紙がすごく良い!これきっと、21巻と対になるやつですよね!21巻の表紙ではマリアが黒い薔薇持ってて、二つ並べると手がつながるんでしょ!タイトルはきっとI love you[rouge]ですよね!っていうそれだけでテンションあがる。
次で最後なの切ないけど、解決を見たいというのはある。人はいっぱい死ぬかもしれないけど、大団円になる予想。あとマリアの正体もね、気になるところ。ヴィシュクラトーとの約束のところでなんか微妙に示唆されてるような、されてないような。
過去、というか未来というか、とにかく地球とのつながりもなんとなく見えてきたような、でもまだよく分からないような。その半永久的避難所に来た7人が、トマトとりりぃとジュジとグッダーとSIXとヴィシュクラトーと…あと一人誰?悪魔皇帝とかかしら。なのかなと思うけど。でも、もともとただの人間だったはずの彼らがなんで能力とか持ってるのかよく分からないし。仮想現実なのかな、この世界自体。
次でちゃんと解決してくれればいいけど。なんにせよ楽しみ。

『池魚の殃 鬼籍通覧』
久しぶり!(挨拶) 表紙から、だいぶ雰囲気変わりましたね。
さらっと読めておもしろかった。あいかわらず料理おいしそう。中華懐石おいしそうだった。なくなってしまったらしいの残念。今だったら比較的近くだから行けたのに。
作中でも言及あったし、いつもとは違う感じがしたんだけど、前のがどんな感じだったかが思い出せない。とりあえずこれは冒頭の掴みというか、謎の提示うまいなって思いました。
テーマは自殺ですかね。難しい。ミチルさんが言ったことも、間違ってないと思うんだけど、こういう事件になっちゃって、切ないなと思う。最後に3人話してたのはそれぞれ、らしくていいなと思いました。
ところで龍村さんが暗闇イベントに東京で若い友人と参加したみたいなこと言ってた時に、敏生かなって思いました。そういう話あるのかな。
暗闇に男女二人で閉じ込められてラッキーハプニング的なことがあろうが、一緒に住むことになろうが、全然恋愛とかそういう方向にいかなさそうなのが潔くて好きです。
むしろ恋愛フラグ立ちそうなのは筧と伊月じゃないかなって思ってしまう(笑)結婚云々の話してた辺りとか。
これもまた近いうちに続編でそうな雰囲気なので、楽しみにしてます。

『桜宵』
ほぼ一年ぶりに読んだ、香菜里屋シリーズ第二弾。
『花の下にて~』よりこっちの方が好みでした。表題作とか「約束」とか、今回のはそれこそ若干後味悪い感じのが多くて、そういうのが物語に深みを与えていた感じ。
相変わらず料理がおいしそうで。桜飯食べたい。
次々に続きが気になるというわけでもないけど、時々読みたいかなと思いました。
工藤さんの過去もなんかあるっぽい感じだし。

『眼球綺譚』
ホラーなのかは分からないけど、好き。怖いっていうか、気味が悪い感じ。深泥よりもオチがしっかりついてて面白かったです。
「バースデー・プレゼント」が好きです。「再生」も「人形」も同じモチーフの話なんだと思うんだけど。「再生」はやっぱり近親苦手なもので。「人形」はよくある怪談、って感じだったし。でもここに入ってることでそういう話になってる感じ。あの途中に挿入されてたのは綾辻さん自身の経験とかなのかな、とちょっと思いました。
「バースデー・プレゼント」は、なんかよく分からないけどだからこそ怖くて、でも少し綺麗。あと、クリスマスパーティは昔それこそS通りとかのパーティルームでやってたらしいという噂も聞きましたし。
「特別料理」は、オチは好きです。この流れで子供作ろうかって、……食べるってこと?だよね?
ただ、前半の描写が気持ち悪すぎて。人肉食の話は好きですが、ゲテモノ食いは話だけでも無理です。虫とか、調理法とか、そんな羅列しないで、頼むから!ってなりました。
「呼子池の怪魚」はなかなか気味悪くて楽しかったです。鳥でよかった。
「眼球綺譚」も好き。眼球は中二心くすぐられます。でも最後が怖い。
咲谷由伊は結局何者なのか。単なるスターシステム?それとも何かあるのかな。全部同一人物、ってことはさすがにないと思うのだけれども。アナグラムとかできないかなって思ったけど、違いそう。
あと、装丁が京極さんなことに驚きました。……そういえば昔、装丁京極さんらしいって聞いて図書館で借りてきて、でも読まなかったことがあったような気がする。

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2014/04/15 (Tue) 日々の徒然 CM(0)