忍者ブログ
2025.03 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

カレンダー

02 2025/03 04
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

最新記事

プロフィール

HN:
睦月
HP:
性別:
女性
趣味:
読書
自己紹介:
妖怪と神話とミステリと甘いものが好き。腐った話とか平気でします。ネタバレに配慮できません。

カウンター

リンク

ブログ内検索

アクセス解析

[24]  [25]  [26]  [27]  [28]  [29]  [30]  [31]  [32]  [33]  [34

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2025/03/16 (Sun)

『フラグメント』


古処誠二、読むのはこれが2冊目です。(1冊目は『UNKNOWN』でした)
すごくおもしろかった……引き込まれた……んだけど、私、災害ものが本当に苦手で。必要以上に怖くなってしまって、ちょっと読むどころじゃなくなっていた。特に前半。ちょうど今頃の時期だなーとか思ってしまうとさ。読んでるときにふとスマホでニュース見たら熊本で震度5とか言ってたし。
そういうのも含めて、圧倒的な質量をもった、他人事とは思えない作品でした。
状況はすごくフィクションっぽいんだけどね。地震で崩落した地下駐車場に閉じ込められて、そこで殺人事件が起きるので。ある意味では究極のクローズドサークルって感じでした。

その状況のためかもしれないし、作中の登場人物の話運びによるところもきっと大きいんだけれども、自分たちで事件に対して推理する必然性が感じられた。
ときどきあるじゃないですか、なんで警察に任せず素人が捜査するんだって思ってしまう作品。それを回避するための舞台がクローズドサークルではあるけれども、今時わりとどこでも電波入るし。もっともこの作品2000年だから携帯も出てこないし、音楽再生機器もテープだけれども。
警察どころか救助がいつくるかもわからない、真っ暗闇で、より生き残る可能性を高めるために、死の真相を探ることは、とても自然に思われました。
2500人以上の死者を出した震災のさなかでも、たった2人が殺された事件がクローズアップされること自体がいわゆる「大量死理論」っぽくて興味深い。

『UNKNOWN』でも思ったのですけど、この人は事件とその捜査のシーンも読んでいておもしろいんだけれども、それよりも「なぜ事件が起こったのか」「その事件によってどうなるか」みたいなところや、社会(体制)への抗議の方に重心あるのかなぁ、と。
ミステリ的なところや物語的なところに違和感を抱かせるほどではないので、そのバランス含めて好ましく思う。
でもそういう社会派的な(?)ことが事件の骨格に密接にかかわってきているわりには、根底では人間存在というものを信じている人なのではないかとも思った。希望が残る感じのラストだったから。
とはいえまだ2作しか読んでないので作家について語るのはたぶん違うと思う。もっと読みたい。あまり怖くないものを。


拍手[0回]

PR

つづきはこちら

城戸殺しの犯人は二択から絞り切れなかったけど、「待ち合わせ」みたいなことがほのめかされた時点(というより死体発見時小谷がカメラを持っていたとき)で想像はついていたし、想像してしまった時点でやりきれなさを感じた。でも実際そうだと確定してしまうとつらいものがある。
「地下駐車場事件」だけじゃなくて、その背景となった宮下の話含めて解決されるの、「あのときの言動は~」みたいな説明がたびたび入るのが少し(あくまで少しというのが重要)メタで好きでした。こっちの犯人はわりとわかりやすくクズで、読者として溜飲が下がる感じ。
こういう、法で裁けない罪や社会正義的殺人の話になると考え込んでしまうけれども、
私個人としてはどこかで読んだ(たしか薬屋だったと思う。座木さんの台詞だった気がする)「死んでいい人間はいても、殺していい人間はいない」という言葉に感銘を受けている。

× Close

『レミニという夢』

読む前にさんざん「正直微妙……」という前評判を聞いていたので、どんなもんかと戦々恐々としながら読んでたんだけど、わりと好きです。

夢の中に出てくるレミニがくれる、なぞなぞのかたちをしたヒントによって、探偵事務所勤務の松代が現実の事件を解決する物語。
レミニ――レミニセンスとは、寝ている間に記憶が整理されて、問題が解決できるようになること、らしい。レミニセンスという言葉の(科学的な)意味とかは全然知らないし、実際そんな簡単に解決できるもんか怪しいけれども、物語としてはありかなと思います。

夢の中の世界の描写が、まるでアリスの不思議の国みたいにナンセンスで、読んでいてすごく楽しかったです。
で、ナンセンスなだけに見えた夢の世界が、全部意味を持っていて、現実世界の事件におけるヒントになるっていう構造がおもしろい。その意味っていうのも、フロイトやユングみたいな夢判断とかじゃ全然なくて、ただの言葉遊び、なぞなぞなのがよりアリスっぽい気がしました。あ、言葉遊びっていうのはヒツジの執事が出てくるような感じのやつです。

何より、ヒロインであるところの、レミニがすごくかわいいんですよ!
森川さんの作品に出てくる女の子はだいたいかわいいし、私の中での暫定一位はマキナなんですけど、それと並ぶくらい。
表紙イラストからしてかわいいんだけど(デザイン本当にいいよね!すごく好きです!)、外見的な特徴はだいたいあんな感じなので列記するのはやめておきます。お城で暮らしているだけあって、お嬢様っぽいかしこまった(けれどどこかおかしい)話し方なのとか、性質のせいもあるけれども言葉遊びを楽しんでいる無邪気さとか、お兄さま回でちょっとくだけた感じが出たところとかが、すごくすごくかわいいのです。

難を言うとすれば、現実に起こる事件がかなりしょぼい……というか、いわゆるミステリ的な事件ですらないこともある。日常の謎というほどでもないような、本当に些細なひっかかり。
まぁでも、あんまり大きな事件(刑事事件とか)を夢で解決しちゃうのは、あまりにもリアリティがないというかご都合主義っぽくなりそうなので、バランス的にはこれくらいでいいのかなとも思います。
構成として、先に夢の描写で次に現実世界の話になるので、夢で明かされる真相から事件を想像するのも楽しいし。想像しようにも無理だけれども。
これもある意味では、結論だけ先にわかる名探偵の亜種なのかなとふと思った。スノーホワイトみたいな。

あとなんか文章で、体言止めが多く感じた。いつもこうだったっけ?
だから何ってこともないけど、読み始めは少し気になりました。

なぞなぞは全然わからなかったです。頭が固くなってるんだ、きっと……。
でも、第三夜の事件の謎はわりとすぐわかったよ!これもきっと自分の趣味ゆえなのでしょう。
私自身はそれを間違えたことはないけど!
でも、『ろ』の方でも一本まるごとだと同じ問題が起こるのでは……という気がしないでもない。切り身よりもまるごとのほうを思い浮かべてしまうのも大概なのかもしれませんが。

拍手[0回]

『メビウス・ファクトリー』

三崎亜記の新刊!!
とてもよいディストピアで、町民の洗脳されっぷりにぞわっとした。どこかおかしい人が語り手だと、読んでいて不安になります。

すごくおもしろかったのだけれど、なんとも消化不良な感じです。
感想をうまく言語化できないというか、どこから話せばいいのか……どこまで言っていいのか難しい。

とりあえず、あらすじと設定。
巨大工場「ME創研」を中心にシステム化された町のお話。町民たちは工場の「奉仕員」や、お店などで働く「準奉仕員」で、町内ではそこだけで通用する電子マネーが流通し、買い物も教育も娯楽も、生活のすべてが町内だけで完結する。
住民たちは愛情と使命感を持って、国民の生活に欠かせない「P1」という製品を作っている。けれど、それが何なのか誰も知らない。
物語は章ごとに違う4人の語り手の一人称で進行していく。Uターン就職してきた新入社員と、史上初の町出身の「鑑定士」、異端視される熟練工、工場総務部のエリート候補。
前3人はそれぞれに工場にとっては要注意人物で、だからこそ町の秘密に気づいていく。

ラスト、タイトルの意味のリフレインがすごく良いなって思いました。

拍手[0回]

つづきはこちら

まず、言っていい?
特に新入社員であるアルトが洗脳されていくさまと、後半の「汚染」対策の描写で、柳広司の『象は忘れない』の黒塚の話思い出したんですよね。
というわけで。三崎亜記、社会問題とかにファンタジーの皮をかぶせて書くの好きだし。
これって、原発の話なんじゃないのかなーと思ったり。
「P1」自体がそうなんじゃなくて(国民の生活に欠かせないとか、目に見えないとか、それこそ「汚染」とか、想像させるつくりではあると思うけど)、少なくともその辺のやつから着想を得て書いた話なんじゃないかと、想像しています。

「P1」とは何かというと、まぁあの作ってた工業製品は本質じゃないということはわかっているわけで。でもだからといって回転で電気を生み出しているとかそんなアホなことはないだろう。
最後まで、読者にはわからないままの何物かを作り続けている話かと思っていたので(三崎亜記の世界にありがちな謎職業みたいな感じをイメージしてた)、結末はちょっと想像とは違ってて、そうくるかって感じだった。
浪野さんの想像は、それ自体が正しい答えではないんだと思う。けど、そういう方向の何かなのだろうな。何か、こういう話をどこかで読んだことがあるのだけれどなんだっただろう。働かせること自体が目的というか、穴を掘って埋める仕事というか。
それはそれですごくディストピアっぽいよね。

「P1製作」の目的以外にも想像の余地の多いラストで、えっと……どういうことなの?みたいに問いかけたい気分です。
敵は誰なのかとか、目的はとか、「4勇士」はどうなったんだろうとか。
たぶんこれは読み込んで考察したからといって答えが出る類の謎ではなくて、各々の読者の思想に従って想像しうるものなのだと思う。
私にとっては、ディストピアを暴いたはずなのに、何の正解にも辿り着けず、待っていたのはさらなるディストピア――って感じの読後感でした。まさにマトリョーシカ。
語り手を務めたそれぞれのキャラクターには、生きて、ME創研と関係ないところで幸せになっているか、その上で姿の見えない敵と闘い続けていてほしいと思っています。

ディストピア物で私がこわいと思うのって、独裁的な支配者や管理体制そのものよりも、(洗脳されて)意識的にも無意識的にも相互監視し合う空気なんだろう。それこそがディストピアなのかもしれない。定義があまりよくわかってないので。
だからこそ、違和感を覚えない第一章のアルトや、再び町に適応していく第五章の遠山さんの語りがこわかった。町の規範を自分のものとして、かつそれを自己流に解釈している日比野さんに対するこわさはたぶんちょっと違うものだと思う。瀬山さんは何考えてるかわからないけど、味方だろうと思って読んでた。
だから、最後に浪野さんの意見が握りつぶされるところは彼女の将来に不安を抱きつつも、そんなにこわくはない。
ところで、明らかな洗脳に違和感を覚えない理由づけとして、アルトの前職はブラック企業だったんだろうな。異常な環境に身を置いていると、ちがったかたちの異常がわからなくなるから。
とはいえ、「ブラック企業」とか「毒親」とか「ドローン」とか、流行の言葉を使ってみました感をなんとなく感じて苦笑い。あと別に毒親ではないよね?いや、小説上に現れる一部しかわからないけど、単なる視野の狭い反抗期としか。


三崎亜記ファンとしては、これも「町」の話なんだなっていう月並みな感想。
彼が書く、どこにでもある地方の町だけど、よく見るとどこかおかしい町(「都市」ではなく「町」だと思う。サイズ感と、自治体という側面が強いから)が好きです。

あと、この話でもよく出てくる「覆面」というキーワードも三崎亜記でよく出てくるものですよね。個を消すための覆面、そして、「何かの役割を演じる」ための覆面。
坂木司の某短編みたいに、演じていることを自覚しているのならともかく、人格がある個人として行動していると思っていたら利用されていたというのは、なんともおそろしい。
作中に出てくる、覆面の独裁者の漫画、なんとなく脳内イメージはともだち@20世紀少年でした。筋書きはたしか全然違ったと思うので、イメージ的なあれです。

× Close

『ステージ・オブ・ザ・グラウンド』

表紙イラストとあらすじで一目惚れして衝動的に読んだ本。
なんでかっていうと萌えの予感がしたからなんだけど、今思うと主人公のキャッチャーが黒髪釣り眉タレ目で、阿部くんだ……と思ってしまったからのような気がしなくもない。おお振りも読まなくなっちゃってだいぶ経つんですけどね。あんなに好きだったのに。


閑話休題。
その萌えの予感に溢れたあらすじがこちらです。

横すべりな人生…挫折した青春…幼馴染みの渚にもあきれられ、悪友の卓と不毛な日々を送る楠田幸斗。そんな幸斗も一度だけ、夢に燃えたことがあった。小学生時代に結成した野球チームに、燦然とエース・剣が現れたのだ。彼の誰にも打つことができない強烈なナチュラルスライダーは、幸斗たちに夢を見させた。だが夢は夢のまま、あっさりと剣は転校…かくして、チームも自然消滅。そして、ただ腐っていくだけの高校生活が待ちうけていた。しかし、『幻のエース』が帰ってきた。
「お前とまたバッテリーが組みたいから、俺はここに帰ってきた」 
野球は『もういい』はずなのに…エースの帰還が、幸斗のくすぶっていた野球への情熱に小さな火をともす―。
(某通販サイトの紹介文を一部改変して引用)

実際読んでみて、まぁ萌えもあったけど燃えの方が強いのかもしれない。手に汗握る感じでした。
でも、その人の人生に大きな影響を与える人との出会いはもうBLですよ!
というわけで、ゆきつるかなー。
とはいえ関係性的にはそれが一番しっくりくるけど、剣くんは性格的にそこまで好みではない(後述)のがなぁ。
むしろ妄想するなら卓くん視点での横恋慕の方が楽しそうだ(個人の感想です)

拍手[0回]

つづきはこちら



地方中小都市の閉塞感がリアルな感じがしてよかった。若者の娯楽は全部イオンの中にあるとか、すごくよくわかるー。
で、そういう狭い街で、主人公と親友は飲み屋の息子で家庭環境もあまり一般的ではなくて……って言うのも含めて、最初の方の滑り続ける虚無感に説得力あって良かったです。
何となく生きていって何も成さないまま終わってしまうかもしれない恐怖とか、一方でいざ離陸することへの躊躇いとか、胸にくる。
まだ十五歳じゃん、と読んでいる二十三歳の私は思うけれども、それでも作中の彼らの十五歳なりの悩みに共感はできるのです。

物語はすごく好きだったんだけどラノベ風の表現がどこか浮いているような、わざとらしいような気がしてしまってダメだった。物語への没入を妨げるほどではなかったんだけど。
ラノベってこんなだったっけ。
私ももう若くないってことなのでしょう。

具体的にいうと、渚が『姫』っていうのが設定でしかないような感じのところが多かったのが特に引っかかった。
本人が出て喋ってるところとかではどういう人か感じられるんだけど、主人公視点とかで彼女が『スクールカースト上位』の『姫』であることが語られるところではその言葉の実態が把握できないというか。そういう言葉があるだけで、描写があまりないというか。
別にただかわいい女の子で、過去のいろいろあって主人公たちは見限られただけでよかったんじゃないって思っちゃうの。
あ、あと『女子力』という言葉の指し示してる意味が私が思ってるのと若干の誤差があったのはあるかもしれない。

でもどういう人か感じられないという意味では剣くんの方が分からないです。
中学のときのこととかあって、よくあんなに無邪気でいられるな!何考えてるかわからないし、精神的に成長なさすぎて怖いよ!
むしろ彼が一番闇が深いとかであってほしい(笑)

野球小説ってあんまり読んだことない(バッテリーとあるキングくらい?)んだけど、キャッチャー視点での投球の組み立てとかが推理小説に通じる感じがあっていいですね。
……やっぱりおお振りを読みなおそうかな。20巻弱は読んでたんだけど、どこまでだっただろう。合宿やってた気がする。

× Close

『神狩り』

えっ、ここで終わるの……。
っていうのが読後第一声でした。
いや、残りページ少ないとは思ってたんだけどさぁ。

何の前知識も持たずに読んだので、これが三部作の一作目?ということも、解説で初めて知ったぐらいで。
そもそも、たまたま出先で手持ちの本を読み終わっちゃって、同行者に借りて読み始めた(ら意外とおもしろかった)という経緯だったので。

とりあえず、ネタバレあるかもなので。

拍手[0回]

つづきはこちら

《古代文字》の解読プロセスが、読んでいて楽しかった。言語学は興味あるけど全然知識ないので、こういうものなのかーくらいの感想だけれども。人間には全く読み解くことができない言語、想像しうることのできない知性の存在、ってすごくロマンだと思うし、SFだと思う。
でも火星はいくらなんでも大言壮語……じゃなくて、フィクション感のほうが強い感じになっちゃったな、って。

《神狩り》をしていく間に、仲間たち――宗や理亜や芳村老人が死んでいって、それでも目的に向かって進んでいく感じや、そこでの抑制された感情の描写なんかが、なんとなく最近読んだもののなかで『黄金を抱いて飛べ』を思い出した。どこがどうとはうまくいえないんだけど、雰囲気というか。
比較対象に出した『黄金を~』の方は、読みながらどうしてもなんでここまでして計画を実行しなきゃいけないのみたいな気持ちがぬぐえなかったけど、本作もわりと後半はそうだったんだけど、最後にそれに対する答えが示されたのがいいなって思います。
仲間たちが倒れても、意思を継ぐ者がいる限り戦いは終わらない、ってまぁ陳腐だけど状況としてすごくかっこいいような気がした。
主人公を説得した理亜の「《神》さえその上にいなければ、人間はもっと善良にももっと幸福にもなれるんだ、と考えたいの」「それでも、かれがいなかったらもしかしてと考えちゃうのよ」という台詞もあったけれども、基本的には性善説というか人間をプラスの方向に評価したいという考えが根底にあるのかもしれない。

あと読みながらすごく気になってたのが、ここでいう《神》って完全に一神教の神というかYHWHなんですよね。小説中の人称代名詞も、単数で「彼」だし。書き方的には、砂漠の宗教だけじゃなくて釈迦や孔子が啓示を受けた(という言葉が適切かわからないけど)のも同じ《神》らしいけれども。
この世界では多神教はどういう扱いなんだろう。神話好きとしての素朴な疑問。
言語があるなら複数いる可能性あるのでは?って思ったけど、撒き餌なだけだったらそんなこともなさそうだし。うーん、完全に無視されてるのかなぁ。それとも何か続巻とかであるのでしょうか。

あっ、もしかしたら火星の辺りに違和感あったのって、なんか神の意図がほかと違う気がしたからかも。
火星に警告の文章を書くのは、そしてそれが警告の意味をもつならば、それを人間が解読することが前提だけど、神はそれまでわりと解読しようとする人たちを邪魔していた気がするから。(それともそれはジャクスンだけなのか?)
結局あの言語が、実際に使われる言語なのかどうかということが気になっている。おびき出すためだけに作られたものではなく。
だから、もしかして火星の文字は他の神からのメッセージ……とか思う方が自分の中では整合性取れるし楽しい。

ところで、作中で特に何の注釈もなく大学闘争の話が出てきて、そこで初めてこれが70年代に書かれたものでその頃が舞台だったんだということがわかってちょっと驚いた。
特にいつというのを意識せずに読んでいたから、読んでいる今の現代(少なくとも2000年代とか)だと思ってたんですよね。40年ぐらい前の作品なのに、雰囲気とか文章とか全然古びないのがすごいなと思った。
いやまぁ、今も大学闘争あるのかもしれないけど。

完全に壮大なプロローグというか、闘いはこれから始まる感じなので、続きもぜひ読みたい。

× Close