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2025/03/16 (Sun)

『ステージ・オブ・ザ・グラウンド』

表紙イラストとあらすじで一目惚れして衝動的に読んだ本。
なんでかっていうと萌えの予感がしたからなんだけど、今思うと主人公のキャッチャーが黒髪釣り眉タレ目で、阿部くんだ……と思ってしまったからのような気がしなくもない。おお振りも読まなくなっちゃってだいぶ経つんですけどね。あんなに好きだったのに。


閑話休題。
その萌えの予感に溢れたあらすじがこちらです。

横すべりな人生…挫折した青春…幼馴染みの渚にもあきれられ、悪友の卓と不毛な日々を送る楠田幸斗。そんな幸斗も一度だけ、夢に燃えたことがあった。小学生時代に結成した野球チームに、燦然とエース・剣が現れたのだ。彼の誰にも打つことができない強烈なナチュラルスライダーは、幸斗たちに夢を見させた。だが夢は夢のまま、あっさりと剣は転校…かくして、チームも自然消滅。そして、ただ腐っていくだけの高校生活が待ちうけていた。しかし、『幻のエース』が帰ってきた。
「お前とまたバッテリーが組みたいから、俺はここに帰ってきた」 
野球は『もういい』はずなのに…エースの帰還が、幸斗のくすぶっていた野球への情熱に小さな火をともす―。
(某通販サイトの紹介文を一部改変して引用)

実際読んでみて、まぁ萌えもあったけど燃えの方が強いのかもしれない。手に汗握る感じでした。
でも、その人の人生に大きな影響を与える人との出会いはもうBLですよ!
というわけで、ゆきつるかなー。
とはいえ関係性的にはそれが一番しっくりくるけど、剣くんは性格的にそこまで好みではない(後述)のがなぁ。
むしろ妄想するなら卓くん視点での横恋慕の方が楽しそうだ(個人の感想です)

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つづきはこちら



地方中小都市の閉塞感がリアルな感じがしてよかった。若者の娯楽は全部イオンの中にあるとか、すごくよくわかるー。
で、そういう狭い街で、主人公と親友は飲み屋の息子で家庭環境もあまり一般的ではなくて……って言うのも含めて、最初の方の滑り続ける虚無感に説得力あって良かったです。
何となく生きていって何も成さないまま終わってしまうかもしれない恐怖とか、一方でいざ離陸することへの躊躇いとか、胸にくる。
まだ十五歳じゃん、と読んでいる二十三歳の私は思うけれども、それでも作中の彼らの十五歳なりの悩みに共感はできるのです。

物語はすごく好きだったんだけどラノベ風の表現がどこか浮いているような、わざとらしいような気がしてしまってダメだった。物語への没入を妨げるほどではなかったんだけど。
ラノベってこんなだったっけ。
私ももう若くないってことなのでしょう。

具体的にいうと、渚が『姫』っていうのが設定でしかないような感じのところが多かったのが特に引っかかった。
本人が出て喋ってるところとかではどういう人か感じられるんだけど、主人公視点とかで彼女が『スクールカースト上位』の『姫』であることが語られるところではその言葉の実態が把握できないというか。そういう言葉があるだけで、描写があまりないというか。
別にただかわいい女の子で、過去のいろいろあって主人公たちは見限られただけでよかったんじゃないって思っちゃうの。
あ、あと『女子力』という言葉の指し示してる意味が私が思ってるのと若干の誤差があったのはあるかもしれない。

でもどういう人か感じられないという意味では剣くんの方が分からないです。
中学のときのこととかあって、よくあんなに無邪気でいられるな!何考えてるかわからないし、精神的に成長なさすぎて怖いよ!
むしろ彼が一番闇が深いとかであってほしい(笑)

野球小説ってあんまり読んだことない(バッテリーとあるキングくらい?)んだけど、キャッチャー視点での投球の組み立てとかが推理小説に通じる感じがあっていいですね。
……やっぱりおお振りを読みなおそうかな。20巻弱は読んでたんだけど、どこまでだっただろう。合宿やってた気がする。
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