ロバート・F・ヤングの長編。
おもしろかったし、好きです。
あらすじ。
白亜紀後期の地層から出土した人間の化石を調査するため、トリケラトプス型タイムマシンで白亜紀にやってきたカーペンターは、二人の子供に出会う。彼らは火星の王子と王女で、誘拐されて地球に来たのだと言う。カーペンターは誘拐犯から子供たちを守ろうとする。
「たんぽぽ娘」を書いた人の作品だなぁ、っていうのが一番の感想です。読みながらも思っていたし、ラストシーンを読んで改めてそう感じた。
タイムトリップとボーイ・ミーツ・ガール。文章は爽やかで甘酸っぱくて。
ストーリーや舞台立ては異なるけれども、メインの部分は「たんぽぽ娘」と変わらないと思います。好きです。
が、長編だと少し間延びして感じました。
誘拐犯たちとの間でアクションシーンもあるし、火星の生活文化の描写とか、謎のクーの存在とか、興味をひく工夫は随所にあったんだけれども、でも途中が若干退屈だった。
訳者あとがきによると、中編版もあるらしいので、そっちも読んで比べてみたい。
っていうか、クーは何なんでしょうね。
謎のまま去っていってびっくりした。三目並べってまさか。
『たんぽぽ娘』(短編集)読んでても、なんていうか宇宙の絶対的存在がいる話が多かったから、そういうのが作者に共通する世界観なのかしら。電車のやつとか。
とはいえクーが謎すぎて。
火星人と地球人が見た目同じことの理由づけにはなっているのだけれども。
火星人は空間移動で、地球人は時間移動の方に文明が発展しているという違いがなんとなくおもしろいなと思いました。
でも、作中の「現代」が1998年なのがマジかって思う。ヤング80年代に亡くなってるらしいから、タイムマシンが実用化されている未来としてありえそうな年代設定ではないと思うんだけれども、なんでだろうなぁ。
私はあまり理系っぽい頭の構造をしていないので、時間SFって仕組みが分からずに読みにくく感じることが多いんです。でもこれは確かに最後の方とか、何が起こったのかは分からないままなんだけど、文章が綺麗ですごく読みやすい。
恐竜は、トリケラトプスとティラノサウルスとプテラノドンぐらいしか名前から姿形を想像できなかったので、グーグル画像検索をしつつ読んでいたんだけれども、その手間がないともっと没入できたなと思いました。
恐竜も好きなんだけれども名称を覚えられないのです。
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