作家アリスシリーズ。店にまつわるミステリを集めた短編集。
やっぱり安定感があっておもしろいです。流石。
あと今回は一冊の中で、倒叙、安楽椅子、日常の謎などバラエティに富んでいて、それも楽しめました。
そして登場する「怪しい店」たちがとても魅力的。一番行ってみたいのは喫茶shiですねー。モデルとかあるのかしら。
なんだかこの短編集では、犯人との距離が遠い話が多かった気がしました。
名前は知らないけどこういう人が犯人だろう、とか。
というより、関係者を集めて「さて、」というタイプの話が少なかったような気がするという方が正しいかもしれません。
こういうのもおおむね好きです。
いつからかアリスと火村は年をとらなくなったけれども、過去の事件やそれで築いた周りの人たちとの関係なんかは積みあがっていっているので、なんだか不思議な感じがしました。
なんか、パラレルな関係なのかと思っていたらそうでもなくて過去にあったことについて言及する記述があったので。
どの話もおもしろかったですが、「潮騒理髪店」が特に好きです。春の潮風のような爽やかな読み心地。
ほかの作家さんの作品であってもおかしくないようで、でもこの言葉選びは、話運びは、有栖川さんならではのものなんだろうなーと随所で感じる。だからきっと好き。
以降、ネタバレありで各短編の感想です。
ただ、読んだのは数日前なのですが、いろいろあってまとめるのが遅くなってしまいました。そんなわけで、細かいところは忘れてる気がします。
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