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2025/03/16 (Sun)

『うちの執事に願ったならば』

高里先生の執事シリーズ、2ndシーズン!
2ndシーズンになって何が変わったというのは特には名伏しがたいのですが、相変わらずすれ違いつつも、信頼度は増している感がとても良かったです。
信頼度が増しているのは、タイトルからも感じます。「言うことには」より「願ったならば」の方が、執事をより知って、願いを叶えてくれることを確信している。
「命じる」ではなく、「願う」という言葉を使うところに、主従関係が契約によってではなく信頼関係によって結ばれていることが推測されて良いです。
実際、タイトルだけじゃなくて物語中でも、一話目から花穎が「当主として」部下のために事件に関わろうとするのは止めないところに関係性の変化が見える気がします。以前なら頭ごなしに危険から遠ざけようとしていたかもしれない。
(そしてその直後の「……お戯れを」という台詞がまた萌えますよね!シチュエーションというより台詞単体でかもですが)


花穎と衣更月に限らず、すれ違いとその解消をメインにして話を組み立てるのは、そしてそれが心に響くものになるのは、高里さんの持ち味だよねって思っています。好きです。
とはいえ正直な話、大好きでずっと何作も読んでいるから、最近はパターンが読めてきてかつてのように大きな衝撃をもって受け止められないところもある、のだけれども。
やっぱり角川文庫薄いし。
講談社ノベルスぐらいの厚さが欲しいです。個人的には。
いや、執事も好きなんだけどね。物足りなさはあります。




今回の話では、花穎が石漱君の家に泊りに行くのですが、夜祭だし初めての「友達の家でお泊り」だし、当然すれ違いが起こるんですよね。
でもそこで、自分と相手が違うということを分かったうえで、だからこそ「同じ」フリはするなと言える石漱君がすごく好きです。彼はとてもシンプルな人なんだろうと思います。
花穎がまわり道して悩むところを、道なき道を走っていくようなところがあるんじゃないかなという気がします。その分きっと、ほかのところで立ち止まることもあるのだろう。彼の歩いている道も、どういうところか知りたいと思う。
石漱君、好きです。

あと、花穎の初めてのお泊りの裏で、花穎の安全を守るためにこっそり行動している衣更月がとてもよかったです。
泊まりに行ける友達ができたことを喜ぶ雪倉親子も。
愛されているんだなっていうのが、心温まります。
そしてそれに応えるように、花穎の方も使用人たちを守ろうという想いがあるのがいいですよね。

裏でこっそり衣更月が働いていたっていうのは、キャラクターの関係や感情としてももちろん好きなのだけれども、ミステリとしても同じ事件を別視点から見ると別物に見えるというのが好きです。
「死神の蝋燭」ではどうにも決着がつかないように見えたこと、黒いズボンの男とか権禰宜の話に抱いた違和感とかが、「執事の秘密と空飛ぶ海月」では説明されていた。
それだけじゃなくて、切られた木だとか、落としたスマホまでも、うまいことひとつの話につながったのが読んでいてとてもおもしろかったです。
この二つの短編の違いは、衣更月と花穎が別の人間だからというよりは、事件に対する関わり方が違うところからきているので、すべてが解明されていないような気がするけれども花穎はそれで納得してしまっていいのかっていう風にはあまり思わなかったです。目的が違うし、持っている情報も違うのだから、むしろそこで止まるのが自然くらいに感じた。

どうでもいいけど、コピペ改変botの文体がすごくそれっぽくておもしろかったです。

花穎が優しいのも情が深くて懐が広くて使用人たちを守ろうとするのもいいんだけど、3話目、おかしいって気づけよ!ってのはもう叫びたかった。
タイムスリップって何言ってんだ、おかしいでしょ、って誰か言ってあげて!
突っ込み不在のまま話が進んでいくのはちょっともどかしかったです。
赤目さんは絶対わかってて面白がっている……。でも赤目さんはそういう人だよね。知ってる。そこが好き。
魔法の呪文で奇跡が起きるのは素敵でした。

旅行の準備をしていたときに、「着替えなし」という峻に対して、花穎が「僕には上級者の嗜み方過ぎる」という台詞があるんですけど、ここの言葉選びが好きです。
自分にはそういうことができないという意思を、相手を不快にさせず、優しく、上品かつユーモラスに伝えるこんな言い回しがあったなんて!
私には逆立ちしたって思いつかない表現です。
こういうところににじみ出る高里先生の品の良さや優しさや他人を慮れる感じが、私が高里先生を好きなところの一つなんだろうなって思います。
作品だけじゃなくって、作品やTwitterやブログからうかがい知れる人柄も含めて、大好きな作家さんです。




あの、全然どうでもいい話なんだけど、今回の話全体的に「名探偵コナン」を思い出すものが多かった気がします。
両方のネタバレするので一応伏せますね。
一話目はコナン5巻のカラオケボックス殺人事件(絶対に触るところに毒をぬって、手掴みで食べる食べ物ばかり用意していた話)だし。
たまたま見聞きした話が実は事件に関係することで、それを公開したことによって危険な目に遭うのは14巻のTWO-MIXだし。
あと同じ事件が視点によって別物になるのは今週アニメでやったばかりのさくら組の話だな、って。
別にここからとったんだろうっていうほど似ているわけじゃないんだけれども、私は両方好きなので、何となく思い出した。そして、そういうものがたまたま続いたなってだけです。

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