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2024/04/20 (Sat)

『バビロンまでは何マイル』

多元宇宙が舞台のファンタジー。
無数にある世界は半分が魔法のある世界、もう半分が地球のように魔法を信じていない世界で、マジドと呼ばれる魔法管理官が各世界を担当し、揉め事やバランスを調整している。
地球出身の魔法管理官ルパートが巻き込まれたのは魔法の国コリフォニック帝国の後継者探しと地球での新人管理官選び。ふたつの世界の難題を同時に抱え込んだルパートの運命やいかに。

読んでいて、すごく楽しい物語でした。
おもしろいので逆に感想が浮かばないというか、ここがよかったというのがあらすじ説明になってしまうんですよね。
物語展開としても次から次に事件が起きるし、文体も軽妙でちょっと軽口をたたくような雰囲気があって、キャラクタも一筋縄ではいかない人たちばかりで。
新人マジド候補として登場するマリーなんか、初登場シーンではすごく嫌な奴というか頭がおかしいんじゃないかみたいな印象を受けるんですけど、彼女視点の部分を読み進めていくうちにだんだん愛着が出てきて、いつのまにか好きになっているんですよね。ルパートと同じで。
そうして読者とルパートが十分マリーを好きになったところで分割させるという、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの鬼畜のような所業!

バビロンのあの世界の描写も興味深かったです。
どうしてそういうふうにできているのか。作者は何かの神話や伝説から材料を得たのかしら、とか。
この物語世界の中でも極秘事項で上界の人々すら知らないことなんですよね。
でもニックとマリーの道行きはここで書かれたようだったけれども、別の人が別の願いを携えていくとまた違った光景が広がっているのではないかと思いました。

あとおもしろいなと思ったのは、魔法とコンピュータがどちらも普通に使われているところ。
主人公のルパートの職業がゲームソフトのデザイナなのもそうですし、作中でも魔法でプロテクトされたコンピュータを開こうとしたり、あるいは魔法的なコンピュータウィルスのようなものが出てきたり。
なんとなく、科学技術と魔法って対立項なのかなという印象があるので、新鮮に感じた。

チャールズ・ドジソンがマジドなのだとしたら、C.S.ルイスやJ.R.R.トールキンもマジドだったんじゃないかしらなんて想像していました。
特別な知識を少しずつ公開というか、地球人に異種族のイメージを植えつけたのはこのあたりの人たちじゃないかと思うんですよね。しゃべるビーバーとか。ホビットとか。
ニックが主人公の別作品『花の魔法、白のドラゴン』にはそれこそ異世界の様子をそのまま書いて地球で出版しているマジドが出てきていましたね。

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