すっっっごくおもしろかったです!
『薔薇のマリア』のその後の物語ではあるのだけれども、世界は同じだとしても環境は全然違っているし、キャラクターも別人だから、単独の話として楽しめる。異世界物語の第一巻として、とても良い話だったんじゃないかと思います。キャラクターの紹介や、仲間作りや、敵との闘いと、この世界はいったいどんな場所なのかという謎と。
逆に、私は『薔薇のマリア』シリーズが好きだったので、これとあれがつながるのかな?みたいなことを考えてしまって、『ノラ猫マリィ』の物語自体に没入しきれなかったところがあって、少し残念。いや、なんだかんだ言って、のめりこんではいたんですけれどもね。
帯に「ボクらは何度でも巡り会う」とあるのがこの作品のテーマなのだろうかと思いました。
異なる時や世界や場所で、異なる出会い方をする、新しいマリアと仲間たちの物語。
そう、薔薇マリのキャラクターとは全然違うのかっていうのが驚きでもあり、納得でもあり。
アサイラムのモリーとか、片腕が義手の若頭ローチとか、魚顔で関西弁の卍・クルチバとか、属性だったり名前だったりが記憶と重なるキャラはいるんですけれども。
でも、環境が違って生きてきた人生が違ってたら、どういう人になるかというのも全然違うんだな、ということをすごく思いました。
だから、マリア・ローズはマリアローズではないんですよね。
たとえば、マリアローズよりある意味では素直というか変に鬱屈したところがないような気がします。周りに超強い人がそんなにいないからかもしれないけど。
なんか読みながらずっとそういうことを感じていてました。マリアローズの物語はもう完結してしまっているのは分かっているけれども、寂しい気持ちがやっぱりある。
ある意味では生まれ変わりなのかなぁ。その言葉を使うのが適切かはともかくとして。
卍はまぁ子孫なんでしょうけど。何代離れてるかわからないけど。魚顔遺伝子強いな(笑)
(世界設定的にも)過去にいた人たちの単なるコピーではないと良いと思うので、マリアもほかのキャラクターたちも別人であることにほっとするところもあります。
とはいえ、p176~177は読んでて「あぁぁ」って叫んだ。
記憶は蓄積されているのだろうか。
メロブ特典読んだのだけれども、ジンが「マリアをじっと見つめる人」なのが前作でいうとアジアンポジションだとしたら、このタイミングであれがよみがえるのとてもいいですね。でもジンは荊なのかもしれない
この世界は薔薇のマリアの世界よりもずっと後なのだろうと思うのですが、具体的にどのくらい経ってるんだろう。
デンはエルデンのアンダーグラウンドなのだろうか、とか。銀の魔女はサフィニアじゃないかとか。期待含めて、関連性が気になります。今後明かされてくれたらいいなぁ。というか、今後があればいいなぁ。
冒頭や途中途中に挿入されているフォントが違うところ、人称が「ボク」「キミ」なのがすごく趣深いですし、p307の「切実な、ある願いだ」という一文に何となく心がぎゅっとします。
店舗別特典はシャルロットのとジンのやつを読んだわけなのですが、キャラに愛着持たせる感じがずるいなと思います。別のバージョンも読みたくなる。けど、本体の方がこれ以上増えても仕方ないんだよね……。
この先、何らかの手段で読めることを期待しています。たとえば何年か後にでも、短編集とか電子書籍とかで。
あと、私は画集の短編版を読んでいないのですが、単行本版がすごくおもしろかったのでそっちも読みたくなっている。今から入手できるのかしら……。
何か本当に、彼らの物語をもっと読みたい、という気分です。
とりあえず、このシリーズの続編を待っています!
帯に「新章開幕」って書いてあるから、続くと思うんだけど……どうなんですかね。
[0回]
PR