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2024/03/29 (Fri)

『カブキブ!7』

ついに最終巻でしたね。
最初から最後まで、これで終わりだっていう雰囲気が濃厚で、途中で登場人物が「この舞台が終わらなければいいのに」みたいなことを思うんですが、読んでいる私もその心情にシンクロした。この物語が終わらなければいいのに、って。
角川キャラクター文庫だし、2クール目あるかなとちょっと期待してる。

ただなんていうか、これも似たようなことが作中で書かれていた気がするけど、この作品って「今、この瞬間」の物語なんですよね。
今、この舞台を成功させることだけが大きな目的で、その先の長い人生のことは考えていないというか。
だから、続きがまったく想像できないんです。物語としての続きがどう描かれるかだけではなくて、文化祭公演が終わって3年生が引退したらカブキブはどうなってしまうのか(人も手も足りなくなりそう)それ以上に、たぶんあの部活はクロが引退したら成り立たなくなるのではないか。
部活ものって、主人公が一人の個人でも、その部活としての新陳代謝がおもしろいところのひとつかなと思うのですが。1年生3人組がまわしていくのとか想像できない。
逆にドラマのウォーターボーイズみたいに、初代の世代から数年後の伝説も栄光も今は昔みたいになった部活の話は読んでみたいかもしれません。
部活の未来もだけど、登場人物の進路も想像できない。
歌舞伎だと、部活でやってたからといってその道で生きていけるものでもないでしょうし。まぁ冒頭のシーンのあれで、プロになる道筋も開かれたかなとも思うんですけど。
ほかのキャラクターも、技術持った人はその方面にいくのかなと期待しているけど、むしろそうじゃない芳先輩とかが進路に悩むのを読みたい。


今回は、いろんな人の視点で描かれていたのが特徴的だった。
主人公や部員たちの視点もあるけど、たいていはもっと遠い立場の人。この世界に存在していたはずだけど、今までは会話の中で存在が明かされるだけだったような人が多かったです。
家族とか、恋人(?)とか。
まぁ今までにも、文化祭の三人吉三公演シーンも特に名前がない一般客視点だったりしたので、上演されてるところを書くには舞台に立ってる人よりも観客の方が適しているのかなと思った。
なにせ、今回は半分近くが歌舞伎だったので。
こんな人視点もあるんだって驚きもあったけど、ちょっと細切れな感じもしました。

歌舞伎の上演されてるシーンがじっくり読めたのはよかったです。
そもそも毛抜がどんな話かも知らなかったので、気になってた。あと、台詞の書き換えももちろん原本知らないけど、どういう工夫したのかも興味があったので。
台詞含めた細部はアレンジしたものだと思うので、動きとか衣装とかも気になるし実際に見てみたいかなと思いました。字幕付き映像とかで。
あるいはそれこそアニメ2期。


ただ、部員以外の視点が多く、舞台の上で進行するものの描写で物語が進んでいってしまうと、どうしてもレギュラーキャラクターについて物足りなさを感じた。
このときどう思ってたかというよりは、描かれなかった場面でどうしてたかみたいなことが。

これまでの巻で読んでて回収されるフラグなのかなと思っていたのが特に触れられずそのままだったのが、若干気になってる。え、あの件はどうなったの?って。
芳先輩の恋とか。は、たぶんでも特に進展もしないのではないだろうか。キャラクターの性格的に。
あと、クロの父親が明らかになってないのも、何かあるのかなと思ってたんですよね。

それと、渡子ちゃん。
彼女の心情が、そっちだったかってのは意外ではありましたが、だったらなおさらもっと掘り下げてほしかった。
掘り下げてというよりはなんだろう、クロとちゃんと向き合って(物理的に)、何かしらの決着をつけてほしかったんだと思う。
顔を合わせて決着をつけられる子じゃなさそうだけども。
見つけてくれたのが彼女だったってので終わりにしないで、もうちょっと踏み込んでよ。といいつ、心情がどうあれクロのほうもされたことを許せないだろうし難しいだろうなぁ。
許されないことが救いになるパターンかもしれないけど、それならオレンジジュース投げつけられたときがピークで話は終わってしまうんですよね。それもなんだか物足りない。
いやだってさ、大勢の似たものの中から一人を見つけるのってクラバートって思うんですよね。だったらそれはもう愛じゃん。いくら六方踏むとか分かりやすい挙動してたとはいえ。

蛯原も、カブキブのことがめちゃくちゃ気になってて、ピンチのときには駆けつけて助けてくれるのはとてもかっこよかったし良いツンデレだった。かわいい。
号泣するお母さんもとても良かった。
何も言わずに去っていくところまでも彼らしいし、舞台には立たないのが落としどころなのは納得がいく。
けど、物足りないと思っちゃうんだよね。
でも蛯原くんに関してはこれが文化祭に関わる最高のかたちだとも思うので、結局のところ最終巻だからこれ以上彼の物語を読めないと思うから物足りないんだろう。

最終巻という雰囲気は濃厚で物語としてはそれなりに美しい終わり方だったけど、全体的にあっさり味で、これで終わってしまうのは寂しい気がしました。
特にキャラクターが。
打ち切りみたいな感じだったのかな?


書かれていたことでいうと、阿久津の屋号にはしんみりしたし、遠見先生に影響を受けた生島さんに萌えました。
ところで最終ページのイラスト、一人誰か分からないイケメンがいたんだけど、消去法的にあれが生島さんなの?
左上端の人。
モジャモジャしてないのはいいとして、もっと斜に構えたような顔だと思ってた。

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