あれ、古典部シリーズってこんなにキャラクターを描いていたっけ?
っていうのが率直な感想でした(めちゃくちゃ失礼)。
『氷菓』から青春ミステリだったけど、なんていうかキャラクターは設定を身にまとっているだけだった印象で。
個人的には『遠回りする雛』でようやくキャラクターとしての生きて愛着がもてた。
それを思うと、キャラクターを描くには短編集の方が向いているシリーズなのかもしれない。
高校2年生になった古典部メンバーの、進路選択や悩みが書かれた短編集でした。
最初に読んだ頃は私も彼らと同年代だったのに、もう遠くなってしまったなぁ。なんとなく切ない。
あとは、奉太郎の過去が掘り下げられてましたね。
省エネになった由来とか。
お姉さんの言葉が良かった。
なんか発売当時に過去の話があるって情報を中途半端に見聞きしてたので、表題作を中学時代の合唱コンクールの話だと思い込んでいた。
キャラクターに深みが増した一方で、ミステリとしてはすごく軽いっていうか、謎が出てきた時点で答えが想像できてしまう感じ。
もともと日常の謎なので、何に謎を見出だすかみたいなところに主眼があったかもしれない(解き方よりも)
この短編集では特に、キャラクターの性質を描き出すための謎解きみたいな印象でした。
そういう趣向も好きだけど、答えが分かりきっていると、あー……ってなる。
それはそれとして、アニメのキャラデザが頭の斜め上くらいに浮いていて、イメージが干渉を受けた。
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