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妖怪と神話とミステリと甘いものが好き。腐った話とか平気でします。ネタバレに配慮できません。

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2024/05/08 (Wed)

「から紅の恋歌」

今回、私はなぜかとても見る前からの期待値が低かったんです。
それは、映画で今更新キャラしかも平和の当て馬とか出たところでっていう気持ちだとか、百人一首を題材にしていてトンデモな方向のことを言い出したらどうしようだとか、所詮十字路の二番煎じにしかならないんじゃないかとか、興行収入的にはぶっちぎりだった去年の路線を継続されたらどうしようとか。
というよりも、そもそも映画自体に不信感があったんです。
なんだかここ数年、コナンの映画はスタンプラリーのようなものなんじゃないかって思えてきて。
ノルマがいくつかあって、それを全部クリアしなければならない。そのせいで物語に無理が生じてしまっても。捺すべきスタンプは、たとえば出すキャラであったり、爆発であったり、ゲスト声優であったり。
去年のは潔く推理披露シーンを省いてアクションに注力していて、その点はおもしろかったけれども結局何の説明もされなかったことだとか、組織の杜撰さとかには少しがっかりした。
でも、去年のもそうだったように、スタンプラリーのノルマを変えてきているのかもしれない、という風にも思いました。


前置きが長くなりました。すみません。
今年の映画は、危惧していたほどのことは全然なかったです。
不満はなくはないけれども、おおむね楽しんで見れました。
以下、犯人が誰とかは言いませんがネタバレあるかもです。

何が一番安心したかっていうと、外部脚本なのにキャラ解釈にずれをほとんど感じなかったこと。
え、その設定つけたしちゃうの!?とかはあったけれども、この人はこんなことしない!みたいなのはあまりなかったです。
コナン&服部チートすぎるとか警察無能すぎるとかはあるけれどもそれはキャラ解釈とかの問題じゃないしね……。それを言うと、平次とコナンを捜査会議に参加させるのは府警本部長は許さないんじゃないかというイメージはあったんですけど、あの人たちのことそんなによく知らないしな。
(追記。そこのところが気になったのは、キャラ造形云々よりも、探偵とはいえ素人の高校生と小学生を無批判に捜査に参加させてしまう警察ってどうなのということの方でした)

そういえば今回脚本やった大倉さんが脚本担当したアニメ「不思議な少年」もおおむねはキャラ解釈外れてなかったし、コナン好きな人なのだろうかと思うと親近感わきます。とりあえず小説読んでみよう。

で、キャラ解釈が基本的には好ましかったので、そのうえでラブコメメインの物語を展開していたのは楽しく見れました。
新キャラの紅葉も、基本的にはいい子なんだろうなぁ。最初っから勝ち目のない争いをしてかわいそうにという気持ちはあったけれども、けっこう高慢で勝気なんだけどかわいい。
オチはどうせそんなこったろうと思ってた。
原作にもちらっと出てたし、これからも出てきてほしいな。
かるたの練習もスポ根的で見ていて楽しかったけれども、素人の和葉が決勝戦まで行くのはさすがにご都合主義が勝ちすぎるのでは。

和葉や蘭や子供たちはずっと事件を知らずにかるたの練習なり観光なりしてたから、どうしても緊迫感が薄れちゃったなというのは残念なところのひとつでした。
去年今年続けて、蘭はピンチに陥らなくなりましたね。去年はまだあの場にはいたけど、今年は最初の爆発すら避難済みだったし、その後もずっと事件に関しては蚊帳の外で意外に思いました。
まあ今回は和葉がメインヒロインだから。
他の映画と並べると、メリハリがあってよかったです。


ラブコメ展開が物語のメインになるためにか、アクションも最初と最後に集中してましたね。
最初からクライマックスで、展開早!と思ったのも束の間、その後ずっとラブコメしてて最後にまた爆発とアクション。最後もう一爆発くらいあるかと思ったら意外とあっさりでした。
爆発の衝撃で飛距離を稼ごうとするのは天カウっぽいなとか、崖から落ちそうになるのを引っ張るのは人魚の話で見たとか、なんとなく過去作へのオマージュなのかしらあって良かったです。
回想でマンガっぽい白黒の絵が差しはさまれているのも、あのシーンだって思えて楽しかった。
エピゼロから持ってきてたのもあって、そういうところがファンとしては嬉しかったです。


ミステリ部分に関しては、犯人と目される人が次々と変わっていくところは見ていて面白かったです。
ただこの事件は最初の爆発だってけっこう大きいし、その後ももっと警戒してしかるべきと思うのに警察もコナンと平次もどこかのんびりモードに感じました。
ミステリとしては、中盤もっと捜査シーンほしかったかも。
っていうか、「犯人と目される人が次々と変わっていくところ」はおもしろかったんですけど、その変わっていくの根拠が推理というよりもただ「新しい情報を手に入れた」からというだけなところはどうなの、って思った。
2時間の映画で緻密な論理とか伏線回収とかは難しいのかもしれないけれども、もうちょっと何か推理らしきものをしてほしかったです。せめてレッドへリングまぜるとか。
「犯人は誰か」が視聴者を惹きつけているという意味では広義のミステリだけれども、狭義ではないかなあ。
犯人の顔が映っていたので、倒叙というか「名探偵が何を手がかりにどんな道筋をたどったか」を興味の主眼とする話なのかなあと思ったけれども、そういう要素はなくはないけれども、単純だったなと思いました。
いまどき、犯人じゃなければ知らない情報を証拠にするのかいやでもあれは単なる揺さぶりかにしても。みたいな。
所詮実行犯だからか。にしても雑では。

犯人の行動も謎で。
動機はまあわかるんです。理解も納得もできる。
でも、そのためにとる行動が謎。牛刀をもって鶏を割くというか。そこまで大掛かりにする必要あったの?
爆発より確実な方法があったのではという気がしてなりません。
二つ目の爆発は完全にミスディレクションのためだけだった気もするし。
本来の目的よりも、罪をなすりつけるための行動の方がメインになっているのでは。
そもそもの原因となった人の行動もなんていうか、最初から全部打ち明けるとかもうちょっとうまいやりようあったとも思うけど、不器用な人なのかなと思えばまだ納得できる。

脚本がミステリ作家の方らしいので、ミステリ的なところはもう少し期待してたんですよね。
いつか内田けんじさんとかやってくれないかしら。テレビスペシャルやってらしたけど、ぜひ映画版も。

「名探偵コナン」という作品は、あくまでミステリ要素もあるラブコメだったなあと改めて感じた。ある意味原点回帰なのかもしれません。ラブコメやってたのは主人公ではなく平次と和葉だけど、新一と蘭はもう告白済みだし映画では動きようがないのかも。
でもミステリが好きな私はちょっと不満も抱いてしまう。コナンに期待することじゃないのかもしれないが。
ミステリという意味では十字路の方が好きでした。


百人一首について。
名前に嵩という字が入っていても、全然違うよね、そりゃあ。安心しました。
いや本気で心配してたんです。曼荼羅とか言い出したらどうしようって。
でも百人一首は単なる小道具でしかなかったですね。
送られてきた歌のメッセージはそれ自体にではなく、関係者だけが知りうるその背景にあったようですし。鹿が名前にあるからなら紅葉じゃなく鹿の歌でいいのではとは思った
せいぜい、歌の意味を恋愛要素の中で使ったくらいですね。
和葉は別に忍ぶ恋をしているわけじゃないと思うんだけどなぁ。この映画の中であのシーンでは、ものや思うと人の問うまでだったけれども。
むしろ同じ隠している恋心なら「かくとだに」の方がそれっぽいような。
蘭が「めぐりあひて」の歌に共感するみたいなこと言ったときにはめっちゃ笑った。
恋人同士(未満)で歌のやり取りするの風情があっていいですよね。

あ、どうでもいいんですけど。
紅葉の歌というくくりで流れ弾的に菅公がちらちら映ってたのでテンション上がりました。


今回、少年探偵団いらなくない?
単なるアリバイ作り(制作側の)のように感じました。子供向けなのだから、入れなきゃいけないんだろうけど、全然活躍せずピンチにもならず大阪観光してただけでしたね。
いや、引っ掻きまわされなくてよかったし、大事なシーンで無駄に見せ場作られても困るのでそれはそれでよかったんです。本当に。
ていうか文脈無視のお約束クイズも……これこそスタンプラリーなんだろうなぁ、と思いました。ノルマでしかない。
ただ灰原が遠方から科学捜査担当って感じで協力しているのはとても好きです。コナンにとって信頼のおける相棒という感じなのが良いね。
本人が近くにいなくても、だからこそできることがあるという使い方は巧いなと思った。

主題歌のアレンジは今回のわりと好きです。

あ、来年の映画も楽しみですね。零って言ってましたね。
それまでに原作(単行本)でももう少し何か判明するんでしょうか。
去年ので味をしめたんだなって気がしなくもない。

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2017/04/15 (Sat) 感想 CM(0)
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