このシリーズ好きなんですけれども、なかなか感想を表しにくい。
表に出せないような感想を抱いているというわけではなくて、シリーズのどの巻を読んでも、おいしそうとか、みんないい人だなとか、いい話だったとか、そういうことばっかりになってしまうんですよね。
良くも悪くも、私の中で評価が安定しているというか。
それなりに楽しめて、読みやすくて、不快にもならなくて、ところどころの台詞が胸に響いて、けれどもたとえば泣きたくなるほどぐさっとえぐってはこない、みたいな立ち位置にいます。いまのところは。
今回は初の社員旅行の話でしたね。帯を見て笑いました。
さらに読み始めてたらロイドが突然「そうだ、京都、行こう」とか言い始めるし。
先月行ったばかりだけど京都行きたい。そして貴船の川床でご飯食べたい。
ヒロタのシュークリームも、松露の卵焼きも、あとはそぼろご飯とかニラ雑炊とかロールキャベツとかオムレツのサンドイッチとか、もちろんドーナツも、出てくるもの全部食べたくなる。どうしたらこんなにおいしそうに書けるんだろう。実際に食べたり作ったりしてはるものだからなんだろうけど。
人間以外の幽霊っていうのも新パターンでおもしろかったです。いや、マフラーとかはあったけど、あれもマフラーを作った人なのでまた違うかな、と。
淡海先生の猫ちゃんに対する呼びかけが、読んでいても猫なで声を感じた。
ロイドのひとりでできるもん(違う)は読んでいてとても楽しかった。
普段は視点じゃない人……もとい、眼鏡の一人称視点の話を読むのが好きです。
ナチュラルに自信家で上から目線で少しとぼけた風情があっておもしろい。
コールスローにはフライドチキンかー。ケンタッキー久しぶりに食べたくなる。
序盤から夏神さんが死亡フラグっぽいこと言うので若干不安になったけれども、本人のなかでも消化していたし。海里もそれに応えていて、エピローグでの台詞とにはなんというかあたたかいものを感じました。良かったね、と思う。
あと今までの話がちゃんと積み重なってきている気がしたので、そういうところも好きでした。一応各巻完結だし、レギュラーキャラが増えるぐらいの繋がりしかないのかしらと思っていたけれども、海里とお兄さんの関係性とかもちょっとずつ変わっていっていて。
椹野さんの書かれるキャラクターは設定だけではなくて生きているひとだと感じられるので、物語が進めばちょっとずつ変わっていって、成長したなら人ととの関係性が変わるのも当たり前ではあるのだけれども。
でも、シリーズが終わることもあるのだよなということを考えてしまうと寂しくなりますね。
ただ一番寂しいのは、終わりもせず続きも出ずに止まったままになってしまうことなので、このシリーズは、出ている間は買っていきたい。
そしていつか奇談シリーズも続きが読めるといいなぁ。
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