先輩のデビュー作なので、読んでみました。
書いていた内容が消えてしまって感想を書く気力が失せたので若干軽めに。
あらすじを公式サイトより引用。
京都左京区のマンション。空き巣に入った泥棒カップルは、痴話ゲンカ真っ最中だった。
その向かいのオフィスビル屋上。青年は潜入した人身売買組織に、殺人を強要されていた。
悪鬼蔓延る上海の外灘地区。最強の殺し屋は、今まさに亡き師匠の敵を追い詰めていた。
そこから1200kmの広東省。田舎町のパブで、かつて少年は23回目のチェックメイトを宣言した。
――伝説の賭博師“うさぎ強盗”が彼らの物語を繋ぐとき、驚愕のエンディングが訪れる!
正直にいうと、読みながらはじめに抱いた感想は、悔しい!でした。
知り合いが作家デビューするの見るの初めてなので、なんていうか私も頑張らないとみたいな。
そういう風に思うくらいには、おもしろかったです。
特に会話の応酬が読んでて楽しい。
途中から、作者さんの声で再生されてしまって、あっ……ってなったけど(笑)
台詞から構築されるキャラクターも魅力的で。樹里かわいい。
ところで何故うちのサークルの人たちは知り合いの名前を使うんだろう。
殺し屋や裏社会の設定(キャラクターではなく設定)が伊坂の殺し屋さんたちっぽいなと思ったり。グラスホッパーとかマリアビートルとかあの辺の。
名前のつけ方とかね。
椿は実は桃って名前で情報屋やってない?
カクヨム版を先に読んでいた知人によると、「伊坂と西尾と成田良悟を足して4で割った感じ」らしいので、私はその中では伊坂しかよく知らないからその要素だけがクローズアップされて見えたんだろうと思うのですが。
群像劇的な話運びで、現在と過去の話が交互に書かれるので、ミステリーと銘打たれてもいるし読者としては当然入れ替わりを疑う。殺し屋は通名だし、うさぎ強盗も本名ではないので、そうなると同じ名前だけど中身は別の人とか、同一人物が別の名前で呼ばれているとか、よくあるパターンですよね。
実際に読み進めていくと、“うさぎ強盗”は何か、“黒崎雅也”とは何者か、という問いが読者の目の前に提示される。
読んでいるうちに見え方が二転三転していくんですが、おもしろいけどそこがどうにも分かりにくい。
驚きと納得が同時にはやって来ないというか、まず驚いて、それから考えて納得させて、でも考えたことが正しいかどうかよく分からなくて若干もやっとしました。
分かりにくいのは細切れに読んでいたからかもしれない。
うさぎ強盗や他のキャラクターの行動の理由もあまりよくわからなかったです。そもそもどうして、というところが。読み飛ばしてたのかも。
エピローグでの伏線回収は好きでした。
あと装幀とデザインが好きです。扉絵がスタイリッシュで素敵だし、Web情報の見せ方が興味深い。
メッセージは吹き出し位置が送り手と受け手で異なる方がそれっぽいかもなと思ったけど。
もとが横書きのWeb小説だからこういう発想があるのかなとも思ったり。書くことって媒体によって左右されるのではないかと思っている。
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